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震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その3倉敷市SDGsの取組

2日目、12月21日(水)の午後は、SDGsと地域活性化に貢献している岡山県倉敷市児島の老舗ジーンズメーカー「ベティスミス」様に訪問させていただきました。

岡山県倉敷市は2020年7月に「SDGs未来都市」に選定され、SDGs推進を行う「倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー」と共にその達成に向け取り組んでいます。パートナー登録団体は、298団体(2023年01月05日現在)です。「ベティスミス」様もそのパートナー団体の一つです。段ボールや紙の再利用をはじめ、裁断後の生地も破断して 活用することで、生産時のゴミを減らす「エコベティプロジェクト」や「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」により、年間約5万人が訪れる児島の観光スポットで地域に貢献するだけでなく、ジーンズづくり体験を通した地場産業の学びを提供する取組をされています。また、ハウスメーカーや紳士服、シート生地などアパレル業界の枠を超え、様々なコラボレーションを実現し、パートナーシップを実現し、SDGsや地域活性化を目指しています。

生徒達は、大島様の案内により、施設を見学させていただき、SDGsやまちづくりについて理解を深めました。

また、ジーンスの端布を使ったオリジナルのキーホルダー(ストラップ)づくりを体験させていただきました。施設内には、ジーンズの歴史や環境に配慮した製品作りを学ぶことができる建物やお買い物ができるショップに加えて、フォトスポットもたくさんあり、時間が足りないほどでした。

【生徒の感想】

・ベティスミスには工場だけでなく、ミュージアムやお店などいろいろあって楽しむことができました。ミュージアムではジーンズの歴史について知り、たくさんのジーンズを見ることができました。また、体験工場で手作りのキーホルダーを作ることが出来ました。オリジナルのものを作ることで大切にしたいなという気持ちがあり、服もオーダーしたものだと大切に思うようになるのではと考えました。また、余った生地を小物に再利用していて、とても環境に配慮されていて、そのような活用法もあるのだと学ぶことができました。とくに印象に残っている言葉は、まちづくりから考えるという言葉です。今までは服にしか着目していませんでしたが、余った生地を利用して他のお店と連携し、新しい商品を生み出したり、車の断熱材に使用したりすることで地域全体のSDGSを進めることができ、第1産業が潤うということを知ることができました。今の時代はファストファッションが主流となってしまっていて、大量生産、大量廃棄が普通になっています。ですが、オーダー品や、環境に配慮した服を買うことでこの地球全体の利益になっていくのだと考えました。(2年井本)

・ジーンズが元々は作業着だったことがびっくりしました。ベティスミスで働いてる人の平均年齢がすごく若かったのもびっくりしました。建物もとてもオシャレでした!物だけを追いかけないで人が暮らしやすい物を選ぶ必要があるということが分かり、この話が心に残っています。安いからといって買わないで、長く使えるものを買うようにしたいと思いました。ストラップもボタンを選ぶ時にハートの形だったり星だったりたくさんの種類があって可愛かったです!ベティスミスがSDGsの4.8.11.12.13番のゴールを目指していることは分かっていましたが、売店に行ってみたら10番の人や国の不平等をなくそうというものにも取り組んでいるのが分かり、とてもすごいと思いました。障がいを持っている人がひとつひとつバッチに絵を描いていて、その商品の売上が自立支援と生活品質の向上に繋がるというのは凄くいいことだと思います。私も可愛いものが買えて良かったです!ものを買う時にこのような誰かのためになる商品があったらそっちを優先して買うようにしたいなと思いました!(2年早川)

・ベティスミスさんの工場に直接行って、初めての体験が多くとても楽しく学ぶことが出来ました。また、ダストが断熱材になって廃棄物を1個も出さないというのが今の世代でとても大切なことをしているなと思いました。人が暮らしていきやすいために、地域全体で、みんなが潤うまちづくりから考えている、このようなことを地域だけでなく、もっと広く実践出来たら、二酸化炭素の問題が減るのではないかと考えます。すごく充実した時間でした。もう一度行って、ベティスミスさんのことをもっと深く知りたいと思いました。(2年鈴木)

 

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その2広島における被災者支援と紙芝居上演

 12月21日(水)研修旅行2日目です。午前のプログラムは、東日本大震災のあと、広島県で被災者支援をしてくださった方々との交流です。広島に避難した方が運営する、ひろしま避難者の会「アスチカ」のご協力により、震災当時被災者支援の中心となって活動された広島市東区社会福祉協議会事務局長の坂本泉様のお話、南相馬市にバスでボランティアにきてくださった南相馬ボラバス応援隊の永中憲成隊長のお話、ひろしま紙芝居村の阿部頼繁様と爲政久雄様と髙尾暢子様による紙芝居「見えない雲の下で」の上演と盛りだくさんの内容です。

 福島から遠く離れた場所に避難した方々、そしてそれを支える方々の存在。そして、遠く離れた地で起きた災害を自分事として考え、行動に移してくださった方々の思いに触れ、福島で起きた災害と支援についてさまざまな視点で捉えることができることを実感しました。また、臨場感と情感たっぷりに演じてくださった紙芝居の迫力に圧倒されました。

 最後は急ぎ足で会場を後にすることになり、名残惜しい気持ちでいっぱいの生徒達でしたが、みなさんとお会いできたことが生徒達のこれからの大きな成長の糧になると思います。本当に貴重なお時間をありがとうございました。

【生徒の感想】

・「見えない雲の下で」という紙芝居は、浪江町の佐々木やすこさんの手記をもとに作られたものだそうです。阿部さんたちはもともとは広島カープの紙芝居をやっており、被災地支援もなさっていたそうです。広島の自分たちに何ができるかを考え、佐々木さんの苦悩は広島にも通づるものがあると思い、作ったということに驚きました。佐々木さんが願いをたくすかのように熱心にお話してくださったというのを聞き、それほど佐々木さんの後世に地震や原発の被害を語り継がなければならないという思いは大きかったのだと思いました。

また、初めてこのような形式の紙芝居を見せていただきました。ギターや歌も交えて、方言の特徴もしっかりと捉えられて演じられていて驚きました。私がなるほどと思ったところは、みんなで作りあげているというところです。それぞれの人が自分のできること(音楽が得意な人は音楽を、喋るのが得意な人は語ることなどといったように)さまざまな人の力があってこの紙芝居はできているのだと感動しました。また、今日見させていただいた紙芝居を、私も語り伝えたいと思いました。(2年井本)

・支援者の熱い思いを知ることができてとても良かった。「遠く離れた土地で寂しい思いをしないで済むように」繋がりを大切に、記憶を風化させないように継承していくこと。たくさんの交流会を重ねる毎によって、心の拠り所になり安心感を与えるんだ感じました。そういった活動が未来を繋ぎ、絆を結ぶと感じ、僕もそういった活動への参加意識が高まった。(2年増子輝良)

・広島の方々、福島の方々のことを常に考えて感謝の気持ちを持って活動しておられることを感じてとても感動しました。私も、これから社会に出て生活していく上で自分のことを支え助けてくれている人たちに感謝の気持ちを忘れずにいたいです。(1年大塚)

・印象に残った言葉「ボランティアは困っている人がやってほしいことを直接聞いて手助けするということ」
「被災者の思いを若い世代に語り継ぐ」やはり語り人をする上で、被災者の方々に話を聞くことはもちろんのこと、支援して頂いた方々からの話を聞くことも大事だと思うので話を聞けてよかったと思います。天野先生の講話しかり、永中様の講話しかり、やはり被災者の方々にとってサロンというのは本当に憩いの場だったんだなぁと思います。不安で仕方ない被災時にコミュニティの場があると本当に落ち着きますよね。私も、災害がどこかで起きてしまった時はこのような形で手伝ってみたいです。(2年渡邊)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その1広島原爆と平和語り部

 

 

 12月20日(火)~23日(金)本校日本文化部・オイガ部主催による 「震災の記憶と教訓を次の世代へ~震災を知り、ふくしまの今を国内外の高校生に発信する事業」の大きな柱となる「広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行」に生徒18名、教員2名が行って参りました。この研修は、それぞれの土地の人との交流がメインの研修となっています。それぞれの土地での人々との交流を通して、さまざまな災害を学び、それを伝える人の思いを知り、伝え語り継ぐことの意義や重要性、そして、これからの「ふくしまのあるべき姿」について考えを深めます。なお、この事業は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けて実施されています。

 12月20日(火)郡山駅を出発した一行は、広島市を目指します。広島を訪問した目的の一つには、原爆の被災について学び、それを語り伝える人の思いを知ることがあります。本日は、平和記念公園をボランティアガイドと一緒に歩き、お話を聞きます。また、夜には、自身の被爆体験について語り部さんから聞くことで、その思いや語り伝えることの意義を考えます。

 今から77年前の1945年8月6日午前8時15分広島市中区から北の上空約600メートルでアメリカが投下した原子爆弾は炸裂しました。推定14万人の人が爆風や熱線、そして放射能が原因でなくなりました。広島市平和記念公園は、原爆ドーム、広島平和記念資料館、原爆死没者の慰霊碑や平和の願いを込めて設置された数々のモニュメントがある都市公園です。原爆ドームについたところで、2つのグループに分かれ、それぞれボランティアガイドの説明で公園内を巡ります。きれいに整備された公園や慰霊碑を見ながら、77年前に起きた惨状を想像し、胸が苦しくなりました。さらに、そのあと、資料館を見学し、さらに学びを深めました。

 ホテルで夕食を済ませた後、「被爆者体験講話」です。7歳の時に爆心地から870m離れた祖母の家の庭で妹と砂遊びをしていた時に被爆した、佐渡郁子様がお話してくださいました。「私は被爆体験者。聞いてくれた皆さんがそれを語り継いでくれるならば、あなた方は伝承者。若い人が語り継いでくれることが大切。」という言葉が印象に残りました。平和とは何か。語り継いでいくとはどういうことなのか。それぞれが考えを深めた時間でした。

【生徒の感想】

・語る方がいなくなれば 何があったのか、なぜこのような遺構があるのか、当時の人がどんな状況でどうやって今までを過ごしてきたのか、乗り越えてきたのか、何も分からないまま同じ過ちを繰り返してしまうと思う。震災で得た教訓を伝え、二度と同じ被害を出さないようにするために語り部があると思いました。(2年相樂)

・原爆ドームの近くの資料館に行った時は写真など衝撃的でとても心が痛かったです。でも写真の数多くが白黒写真でした。いくこさんの話は赤い炎、炎で空が真っ赤になったこと、やけどで皮膚が垂れ下がる様子を事細かに説明してくださいました。白黒写真だけでは伝わらない色や動き、語り継ぐとは写真では見えない部分を語ることで見えるようにすることだと思いました。私が郁子さんのお話の中で1番心に残っていることは「平和の原点は人間の心のふれあい」と仰っていたことです。私たちがこうして講話を聞くことで輪が広がり平和の維持にも繋がっていくと感じました。(3年須藤)

・今はもう被爆体験証言者は30人程しかいないと聞きさらに貴重な体験だったと思った。郁子さんがもう被爆体験証言者として実際に体験した人が話していかないと風化されてしまうと思い、私がやらないとと思い語り部を始めたと聞き、私達も、3.11東日本大震災を風化させないために、これから日本中、世界中にふくしまを発信していかないといけないと改めて強く実感した。(3年大和田)

 

 

ふくしまの今を知り海外の高校生に発信する~オンライン国際交流

11月19日(土)3年生2名、2年生13名、1年生3名が参加して、オンラインによる国際交流を実施しました。With The World様のご協力をいただき、あさか開成高校の生徒がフィリピンとインドネシアの若者たちと英語で交流やディスカッションを行い、ふくしまの今を発信するプログラムです。午前と午後の2部構成で行いました。

午前中のプログラムは、5つのグループに分かれて交流しました。自己紹介をしながら「マイブーム」を発表し、日本でも大人気のアニメやゲームの話題で盛り上がる場面もありました。仲良くなってきたところで、グループ対抗の「共通点探しゲーム」をしました。YES/NOで答えられる質問をして、全員が一緒になった回数を競います。予想通りの共通点だけでなく、意外な共通点も見つかり、文化は違えど同世代であることを実感します。そのあとは、「海外生を連れていきたい地元のおすすめスポット」の紹介をしました。初めは緊張していた生徒たちも、だんだんと笑顔が増えてきました。お互いのことを知りながら、交流することを楽しみました。

お昼休憩をはさんで、午後のプログラムは、いよいよ「知ってほしい、私たちのふくしま」のプレゼンテーションです。美しい景観・豊かな自然・おいしい食べ物に恵まれた「ふくしま」に起きた2011年の東日本大震災の津波災害と原子力発電所の事故。そのことが、多くの犠牲者とコミュニティの崩壊をもたらしたこと。そして、今も続く風評被害。それらを払しょくするために、私たちが取り組んでいることをプレゼンテーションしました。その中で、「福島の未来が世界をリードする」というメッセージを伝えました。

フィリピンとインドネシアの生徒からは、国に甚大な被害をもたらす、台風や大雨による洪水、土砂災害、地震などの「自然災害」についてのプレゼンテーションをしてくれました。提案として出された、川や側溝整備による治水や森林による治山治水、温暖化対策など、日本でも共通する部分があると感じました。

そのあとは、それぞれのグループに分かれて、プレゼンテーションを踏まえた意見交換を行いました。近年の異常気象については、一致する意見が多く、それぞれの国で対策をとるだけでなく、世界共通の目標を持つことの必要性を感じました。気候変動への対策の必要性をお互いに確認した時間となりました。話し合いを進めながら、各グループで「いま私たちにできること、私たちがともに目指す未来」をまとめました。

最後のクロージングセッションでは、それぞれのグループでまとめた「共同宣言:私たちの目指す未来」の発表です。「過去の経験から学び、災害に備えましょう!」「お互いに助けあいましょう!」「世界からプラスチックごみをなくしましょう!」「私たちの生活を守るために必要なことを準備しましょう!食料・お金・教育・緊急時対応体制など」同じ地球に住む一員として、お互いに協力することや気候変動を抑える努力をすること、災害に備えることの重要性が宣言されました。まさに「自助・共助・公助」の精神の大切さを確認したように感じました。

最後はみんなで記念撮影をして、プログラムの終了です。初めてこのような国際交流に参加した生徒も多く、英語でのコミュニケーションに苦労していましたが、今日の経験が成長の糧になってくれることと思います。

交流に参加してくれたフィリピン、インドネシアの皆様、そして、準備・サポートをしてくださったWith The Worldのスタッフのみなさま、関係の皆様に深く感謝いたします。

(生徒の感想)

・質問をして、違う国ではあるけど好きなものなどは似ていることが分かりとても興味深かった。もっとたくさんの国の人たちといろんな交流をして、好きなものについて語りあったり、初めて知ったものを聞いてみたりしてみたくなった。事前に用意していた発表もちゃんと聞いてくれて興味を持ってくれて嬉しかった。

・共通点探しゲームでは、思っていたより日本の文化などを知っていて驚いた。また、日本で流行っていることは世界でも流行っていたり、日本で問題になっていることは海外でも問題になっていたりして世界は繋がっているんだなと改めて思った。

・災害について考えて、それの影響を少なくするためどうすべきか、どのような未来を見たいかをしっかりと考えました。普段はこのようなこと考えないが、海外生と一緒に考えることで異文化交流と共にみんなが生きやすい未来になるのではないかと思いました。

・インドネシアで2004年に起きた地震によって対策が行われた際に日本の防災対策を参考にして堤防を作ったことが分かりました。インドネシアは3つのプレートに挟まれていて日本と同じような地形だということが分かりました。着目するポイントがコロコロ変わって上手く行かない部分もありましたがサポートしてくれる方が助けてくださったおかげで最後はみんなで考えを共有してひとつの共同宣言掲げることが出来ました。海外の方と話す機会は滅多にないのでとても貴重な経験になりました!

・福島のことについて海外の人に伝えて上手く伝わったかは分からないが少しでも知識として入っていたら嬉しいな思った。また、異常気象については自分たちが起こしてしまった現状だからこそ、それを変えられるのは自分たちだと思うので積極的にサスティナブルの活動に参加したいと思った。

・インドネシアの人たちと共同宣言について考えるときにお互いが何に1番力を入れてるか話し合うのが1番考えたし勉強になりました。インドネシアの人たちの発表を聞いてこういう考えややり方があるんだと思えることができてよかったです。

・午後は午前の雰囲気とは違い、災害をテーマに議論をした。災害によって甚大な被害を被ったことや島国であることなど共通点が多い両国だからこそ共通できる部分もありながら、一方が伝え共有する部分もあり、1つの話題から多様なアイデアを考えることができた。午前中に学んだ文化の違いや、生活様式などの違いを考慮し、両国でどちらもできることを考えられた。簡単なものや難しいものまであったが、それらをまとめ自分たちの宣言としてこのグループのみならず他グループと共有でき、学びを発揮することができた。自分のアイデアを考えることに加えて、そのアイデアを伝えなければいけないことの2つのことを同時に考えなければならない状況であり自分にとって難しかったが、このできないということが今後の英語をどう学ぶかという目標設定の起因になったので結果的には良い時間となった。

美しい水環境を未来へつなぐ~猪苗代湖につながる水質調査と浄化システム見学

11月13日(日)1年生生徒2名が、福島県環境創造センター主任研究員の中村和德様にご案内いただきながら、「猪苗代湖につながる河川の水質調査と水質浄化実証試験施設の見学」をしてまいりました。

水質調査に先立ち、沼尻温泉の温泉水を採取したあと、猪苗代湖につながる酸川を見ながら、猪苗代町体験交流館学びいなで行われている「猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全フォーラム」に参加し、猪苗代湖の環境保全活動に取り組む団体の活動や研究を学びました。

そしていよいよ、中村様のアテンドで水質調査に出発です。調査に先立ち、注意事項を教えていただきました。

初めての水質調査でしたが、中村様のご指導のおかげで、スムーズに河川水を採取していきます。長瀬川(酸川合流前)、酸川、酸川と合流したあとの長瀬川の河川水を採取したあと、猪苗代湖に流れ込む農業排水路を見学し、猪苗代水環境センターに向かいました。水環境センターでは、水のpH測定をしました。

酸性の酸川(pH2.8)が流入することで、長瀬川(pH7.0)が酸性(pH4.9)になっていることがよくわかりました。また、沼尻温泉(pH1.9)で、源泉はかなり酸性度の高い温泉であることがわかりました。猪苗代湖の水質悪化に、この長瀬川の酸性が弱まったことが関係しているようです。つまり、猪苗代湖が酸性から中性になったことが、湖の自浄作用を弱め、リンの濃度を高め、水質悪化の原因となるヒシの繁茂につながっているようです。

また、地形図を見ながら、川の流れや代掻きなどのイベント発生時の猪苗代湖水質への影響について、教えていただきました。生活排水や農業排水が猪苗代湖の水質に大きく影響していることがわかりました。リン濃度を抑えるための取り組みの必要性を感じました。

次は、会津リクリエーション公園内にある「水質浄化実証試験施設」の見学に向かいます。浄化システムについて、中村様がわかりやすく説明をしてくださいました。

川の水を取り込み、沈砂池と人工湿地を組み合わせた浄水システムです。外部からのエネルギーを使うことのない自然の力を使った水質浄化システムです。このような仕組みを農業排水が流れ込む前段階で作ることができれば、水質改善に役に立つのではないかと思いが膨らみます。

大変学びの多い一日でした。猪苗代湖の環境を保全する団体の方たちとも交流することができ、みんなで力を合わせれば、またいつの日か水質日本一の猪苗代湖になるのではないかという思いを強くした一日でした。

お忙しい中、生徒たちのために、水質調査、見学を案内してくださった中村様、本当にありがとうございました。

今回の学びを今後の探究活動に生かしていきたいと思います。

 

 

グローバル人材育成~世界を知り、社会の役に立つ人間になるために~1学年グローバルセミナー

11月11日(金)1学年生徒を対象に「グローバルセミナー」を行いました。

一般社団法人台湾留学サポートセンターの鉢呂智子様にご来校いただき、語学力の重要性やプログラミングの素養を身につけることの必要性、世界経済・中国経済の動きやグローバル社会で活躍するために求められる力など、キャリアを考えていくうえで参考になるお話をしていただきました。

 

また、英語と中国語を合わせて学ぶ選択肢として台湾の大学への留学を挙げ、台湾の主な大学を紹介してくださいました。

 

グローバル社会を担う人材となるために、どんな力を身につけなければならないかを知り、そのために今やるべきことはなにか考え、さらに高校卒業後の進路の選択肢を増やすことができました。

今回の講演会をきっかけとして、本校国際科学科で学ぶ生徒には、国や場所に縛られることなく、将来を選択できる力を身に付けていってほしいと思います。

(生徒の感想より)

・今日の講演を通して、将来に役立てるスキルについて学ぶことができました。グローバル化が進んでいる今、語学力・ITスキルを高めておくことはとても重要なことだと思いました。また、そういった面であさか開成高校はとても適していると思うので、次年度からの学習でしっかり学んでいきたいと思います。

・グローバルセミナーを聞いて、語学力やコミュニュケーション能力を身につけてもっと色んな人と関わりを持つことは大事だなと思いました。しっかり進路を考えるようにしたいです。

・海外留学について少しは聞いたことありましたが、身近にできる手段を知ることができました。知っていることはどこかで役に立つので大切にしたいです。外国語を学びたいと思っているので積極的に勉強したいです。自分だけの1つの道を歩むことは、いずれ誰かのために役立っているのかなとも感じています。あさか開成でしかできない学びにこれからも積極的に参加して自分の視野を広げていきたい。

・日本のことだけでなく、世界で働くということも頭に入れて進路を考えていかなければならない。コミュニケーションをよく取れるように今から上手く人と接していけるようになりたいと思いました。

 

MOTTAINAIイベントで集まった文房具をお届けして参りました

11月7日(月)全校生徒と地域の企業のみなさんご協力いただいて集まった文房具を2つの事業所にお届けして参りました。児童発達支援事業所はなはな さんでは、さっそく子ども達が、文房具の入った箱を開けてくれて、とても喜んでくれました。また、郡山スクールショーシャルワーカー様にもお届けし、子ども達のために使ってくださいます。

「みんなの学校」様にも、近日中にお渡しする予定です。みなさんのご協力のおかげで、たくさんの子ども達に、文房具だけでなく、笑顔をお届けできることを実感しました。みなさんのご協力に感謝申し上げます。本当にありがとうございました! 

「なはなさんの子ども達から、素敵なお手紙も届きました。

はなはなさんお手紙.pdf

 

1学年国際理解講座「なぜ?何のために学ぶのか?~東南アジアの子供たちの瞳の輝きに学ぶ~」

10月20日(木)1学年国際理解講座、認定NPO 法人「シーエスアールスクエア」理事長 宍戸仙助様を講師にお招きし、「なぜ?何のために学ぶのか?~東南アジアの子どもたちの瞳の輝きに学ぶ~」というテーマでお話をいただきました。

今回の講演では、宍戸仙助さんのラオスやベトナムでの体験に基づいたお話をしていただきました。宍戸様の語りかけるような話しぶりや写真や動画で詳細に伝えられる現地の子供たちのお話に、生徒たちはどんどん引き込まれていきます。

クラスター爆弾の不発弾の爆発により目の 前で命を落とした兄を見て以来外に出られなくなった少年、生活のために臓器を売らされて胸に傷がある少年、十 分な医療を受けることができないため幼くして多くの尊い命が失われてしまう環境で育った子どもたちが「大人になること」を夢だと答えること、2011年3月11日の東日本大震災の際、ベトナム中部の子ども達が、被 災した日本の子ども達のために年1回だけ親からもらう小遣い(日本円にして5円)の全額を寄付してくれ たことなど、聞いていて、涙をこらえるのが大変でした。こらえきれず、涙を流す生徒もいました。

講演が終わってからも、生徒の質問はつぎつぎと続き、その一つ一つに真摯に対応してくださいました。

東南アジアが直面する貧困、戦争の影響、多民族、いじめ、言語、衛生問題などの様々な課題を感じながら、豊かで安全な日本に暮らす私たちができることは何か、と深く考えさせられる講演内容でした。

「なぜ学ぶのか?」「自分たちに何ができるのか?」を考え、行動するきっかけとなったすばらしい時間でした。

すばらしいお話をありがとうございました。

 

生徒の感想

・自分はまだ高校生だから、できる支援の幅も数も少ないだろうと思っていました。けれど、今回の講演を聞いて、自分より幼い小学生が積極的に支援をする姿を見て、はっとさせられました。東南アジアの子どもたちと、自分たちの置かれた環境の差に、何とも言えない気持ちになりました。今、自分にできることを考えて、やがて人の役に立つ人になるために、これから色んな経験を積んでいきたいと思いました。

・今日の講演会を聞いて、子供たちが臓器売買されていることや7mの崖から水を汲み上げる女の子がいること、不発弾によって亡くなる人達がまだまだいることなど全ての話が印象に残り、考えされられることが沢山ありました。また、私たちの当たり前の生活は、とてもありがたいことで改めて周りの人に感謝しながら生きていかなければ、と感じました。今日の話を聞き、宍戸先生の行動力と世界の子供たちの為に努力している姿がとてもかっこよく、私も人のために役立つことをしたいと考えたので、そのためにも様々な募金活動や寄付活動、身近なボランティアに積極的に参加し、自分のできることを増やしていきます!

・The most important thing is being valuable to others than studying と言うことが本当に心に響きました。
それと臓器が売られた話がほんとに悲しいと思いました。私もこれからいろいろなボランティアをして、自分ができることをこれからも考えたいと思いました。

・「最も大切なことは勉強することよりも人の役に立つ人間になることです。」という言葉が響きました。勉強しないといけないという考え方ではなく人の役に自分の役に立つようにたくさん勉強していきたいと思いました。戸籍はみんな持っているものだと思っていたのでないということにとても驚きました。東南アジアの子供たちの勉強環境の悪さを見て私たちは恵まれているのだと再確認することができました。ボランティア活動や募金活動に積極的に参加して、東南アジアの子供たちの役に立てれればいいなと思いました。東南アジアの現状について知ることができて嬉しかったです。本日は講演ありがとうございます!

・話を聞いて、貧しい場所では色々な問題があって大変なことがあるということはわかっていたつもりでした。でも自分の目で見ないと、体感しないと分からない大変なことがたくさんあることを知りました。貧しいということでこんなにも生活に差ができてしまうことはとても悲しいことだと思いました。自分にできることを考えるだけではなく、その考えたことを行動に移して誰かのために行動したいです。そしてその誰かが少しでも笑顔になれればいいなと思います。

・私たちがあたりまえに過ごしている生活は東南アジアの子どもたちにとっては、あたりまえではないんだと改めて考えさせられた。半年以上かけて織った布も日本ではたった80円でしか売られないと知り、フェアトレードの大切さがよく理解できた。東南アジアの子どもたちを支援するためにボランティアや身近なことからできることをよく考え、人のために役に立つ人になりたい。

・たまにニュースなどで「東南アジアの子供たちに寄付を...」というのを見かけた事はありましたが、その当時は大変な状況にあると言っているにしてもそれほど関心がありませんでした。しかし、今日の講演で東南アジアの子供たちについて深く知る事ができました。戸籍が無い人がいたり、森などにクラスター弾が幾つか置かれていることだったり、親に騙されて臓器売買させられた子供が居たりなど。目を向けるべき点は、「学校に通えない子供たち」だけではなく「その環境について」も知らなければならなかったのだなと新たに分かりました。

・東南アジアの子供たちが貧しい生活を送っていることは知っていましたが、私の想像の何百倍も貧しい生活をしていました。学校に行っても設備が整っていない、教材がない、十分に学びの場が確保されていなくてそれでも学校に通って勉強しようとしている子供たちを見て、こんなに勉強したがっているのに勉強できないなんて、というやるせない気持ちでいっぱいになりました。生まれた国が違うだけでこんなに生活に差が開いてしまうのは決して良くないことです。少しでも学校がいきいきとした場になるように、改善や支援を行っている宍戸さんたちは素晴らしいと思いました。きっと高校生の私たちでも小さなことでも絶対に何か出来ることがあるはずです。初めは何をしたらいいか分からなくてなかなか行動にうつせずにいましたが、今回の話を聞いて恥を捨てて自ら積極的に行動します。あさか開成高校はそれが出来る場所です。3年間で何ができるか考えながらよりよい世界になるように探究していきたいです。今ある幸せを噛みしめながら1日を大切にして生きていきたいです。

プチ国際理解講座「ハワイについて知ろう~ハワイアンリボンレイストラップづくり」

11月11日(金)ハワイ出身のライランわたなべ先生(郡山市ALT)をお招きし、「ハワイについて知ろう~リボンレイストラップづくり」を開催しました。後期中間考査最終日の放課後でしたが、20名の生徒が参加しました。オールイングリッシュのプログラムです。

まずは、ハワイについての講義です。ハワイについて、地理・言葉・文化・神話など、楽しく学びます。美しいハワイの写真に思わず「行きたい!」と心が弾みます。

小学生や中学生の時に、ライラン先生に英語を教えてもらった生徒もいて、懐かしさと嬉しさで会場は暖かな雰囲気に包まれます。ハワイ州の魚に指定され、トロピカルな模様の「フムフムヌクヌクアプアア」という世界一長い名前の魚は、ハワイの神話にも出てくる半神「カマプアア」(人間、豚、魚に姿を変えることができる)にも関係が深い魚です。ちなみに、「プアア」はハワイ語で豚を表す言葉なのだそうです。みんなで「フムフムヌヌクアプアア」と口に出してみると、ユーモラスな言葉の響きに笑い声が溢れます。楽しくとても勉強になる「ハワイのお話」でした。

このあと、いよいよ「ハワイアンリボンレイストラップづくり」に挑戦です。

「ハワイアンレイ」といえば、歓迎のフラワーレイや貝殻と使ったシェルレイが有名ですが、鳥の羽を使った伝統的なフェザーレイ、リボンレイ、さらにはキャンデーレイやマネーレイなど、相手の好みに合わせたユニークなレイもあるそうです。また、歓迎、祝福、感謝など、贈る相手への思いを込めた愛情の表現として、ハワイに暮らす人々の日常に深く根付いているそうです。ライラン先生も卒業式の時には、首にかけてもらったそうで、首にかけきれなくなると外してとっておき、また首にかけてもらうということを何度もするほどたくさんのレイをいただいたそうです。

今日は、ストラップの形のリボンレイにハワイを象徴するククイナッツを取り付けます。みんな初めての作業に苦労しながらも楽しく作りました。留学生のトビーやリリーも参加しました。

かわいいストラップが完成しました。ライラン先生、楽しいお話とストラップづくり講座ありがとうございました。

 

(生徒の感想)

・中学校以来の再会でとても嬉しかったです。リボンレイの作り方も途中で記憶がよみがえってきて楽しい時間になりました。Mr.Ry. It was nice to see you again. It was a space like the time of club activities. Thank you very much. by Aimi(1年)

・コロナ禍で旅行などができない状況が続いていましたが、今日の講話で旅行した気分になりました。他国の文化を知ることが好きなので、良い機会になりました。色々なものに神様がいるところがおもしろくて、もっと知りたいと思いました。レイ作りでは、単純な作業をしているだけなのに綺麗に編めるので楽しかったです。ほとんど英語なので聞き取れるか心配でしたが、なんとかだいたい分かりました。普通の授業だけでなく、こういったほとんど英語の授業があったらいいなと思いました。(1年)

・今回の講座では、ハワイの文化や言葉を詳しく知ることができ、さらに自分のオリジナルのレイを作ることが出来ました。私はとても不器用なので周りに手伝ってもらってしまいましたが、結果的にとてもかわいいレイがつくれてとても嬉しかったです。今回は楽しみながら海外の文化を学べて、本当に嬉しかったです。これからもこういう楽しみながら世界を知れるイベントにもっと参加していきたいです。(2年)

・今回はプチ国際理解講座を受けるのが初めてでしたがとても楽しい講座を受けられて良かったです。
ハワイの言葉や、グルメ、スポット、歴史などたくさんのハワイについて知れたのでとても行きたくなりました!
また、リボンレイを作る時に最初は意外と難しくて詳しく教えて貰わないと出来ませんでしたが、慣れるととても楽しくて、いい作品ができて本当に最高でした。慣れると簡単なリボンレイを家でも作って周りの人達にハワイについてなどたくさん交流してみたいと思います!(2年)

猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全フォーラムに参加してきました

11月13日(日)猪苗代町体験交流館でおこなわれた「猪苗代湖・裏磐梯湖沼水環境保全フォーラム」に参加してまいりました。

今年度のあさか開成高校の水環境保全活動「ヒシ刈り」「ヨシ狩り」「水草回収」等にかかわる取り組みをまとめ、ポスターセッションと研究発表を行い、多くの方々に、本校の取り組みを知っていただく機会になりました。

また、他の団体の研究や取り組みについて学ぶことができ、有意義な一日となりました。

当日は、「猪苗代湖・裏磐梯湖沼フォトコンテスト」の表彰式も行われ、本校3年の大和田麗さんの作品「快晴」と2年新田倖奈さんの作品「湖と少年」が湖春賞を受賞しました。