News&Topics

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その1広島原爆と平和語り部

 

 

 12月20日(火)~23日(金)本校日本文化部・オイガ部主催による 「震災の記憶と教訓を次の世代へ~震災を知り、ふくしまの今を国内外の高校生に発信する事業」の大きな柱となる「広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行」に生徒18名、教員2名が行って参りました。この研修は、それぞれの土地の人との交流がメインの研修となっています。それぞれの土地での人々との交流を通して、さまざまな災害を学び、それを伝える人の思いを知り、伝え語り継ぐことの意義や重要性、そして、これからの「ふくしまのあるべき姿」について考えを深めます。なお、この事業は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けて実施されています。

 12月20日(火)郡山駅を出発した一行は、広島市を目指します。広島を訪問した目的の一つには、原爆の被災について学び、それを語り伝える人の思いを知ることがあります。本日は、平和記念公園をボランティアガイドと一緒に歩き、お話を聞きます。また、夜には、自身の被爆体験について語り部さんから聞くことで、その思いや語り伝えることの意義を考えます。

 今から77年前の1945年8月6日午前8時15分広島市中区から北の上空約600メートルでアメリカが投下した原子爆弾は炸裂しました。推定14万人の人が爆風や熱線、そして放射能が原因でなくなりました。広島市平和記念公園は、原爆ドーム、広島平和記念資料館、原爆死没者の慰霊碑や平和の願いを込めて設置された数々のモニュメントがある都市公園です。原爆ドームについたところで、2つのグループに分かれ、それぞれボランティアガイドの説明で公園内を巡ります。きれいに整備された公園や慰霊碑を見ながら、77年前に起きた惨状を想像し、胸が苦しくなりました。さらに、そのあと、資料館を見学し、さらに学びを深めました。

 ホテルで夕食を済ませた後、「被爆者体験講話」です。7歳の時に爆心地から870m離れた祖母の家の庭で妹と砂遊びをしていた時に被爆した、佐渡郁子様がお話してくださいました。「私は被爆体験者。聞いてくれた皆さんがそれを語り継いでくれるならば、あなた方は伝承者。若い人が語り継いでくれることが大切。」という言葉が印象に残りました。平和とは何か。語り継いでいくとはどういうことなのか。それぞれが考えを深めた時間でした。

【生徒の感想】

・語る方がいなくなれば 何があったのか、なぜこのような遺構があるのか、当時の人がどんな状況でどうやって今までを過ごしてきたのか、乗り越えてきたのか、何も分からないまま同じ過ちを繰り返してしまうと思う。震災で得た教訓を伝え、二度と同じ被害を出さないようにするために語り部があると思いました。(2年相樂)

・原爆ドームの近くの資料館に行った時は写真など衝撃的でとても心が痛かったです。でも写真の数多くが白黒写真でした。いくこさんの話は赤い炎、炎で空が真っ赤になったこと、やけどで皮膚が垂れ下がる様子を事細かに説明してくださいました。白黒写真だけでは伝わらない色や動き、語り継ぐとは写真では見えない部分を語ることで見えるようにすることだと思いました。私が郁子さんのお話の中で1番心に残っていることは「平和の原点は人間の心のふれあい」と仰っていたことです。私たちがこうして講話を聞くことで輪が広がり平和の維持にも繋がっていくと感じました。(3年須藤)

・今はもう被爆体験証言者は30人程しかいないと聞きさらに貴重な体験だったと思った。郁子さんがもう被爆体験証言者として実際に体験した人が話していかないと風化されてしまうと思い、私がやらないとと思い語り部を始めたと聞き、私達も、3.11東日本大震災を風化させないために、これから日本中、世界中にふくしまを発信していかないといけないと改めて強く実感した。(3年大和田)