あさか開成 校長雑感

2018年6月の記事一覧

7月の花に、ゴッホを想う

 

授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の飛田愛生さんの作品が、正面玄関を飾っています。今回の作品は、ひまわりをメインとして、アワ、チンシバイを脇役とし、そしてレザーファンで整えたものです。私は、まっすぐ天に伸びるひまわりが大好きです。そのひまわりの良さを、シンプルに著した作品だと思います。

ひまわりを見ながら、ゴッホを思い出しました。

ゴッホは、花瓶に生けられたひまわりの絵画を複数描いています。ゴッホにとってのひまわりは明るい南フランスの太陽、ひいてはユートピアの象徴であったと言われている。

絵を鑑賞することが好きだった私は、若い時は、有名な絵画が来ると、東京まで見に行っていました。ゴッホのひまわりも見ました。かなり大きな絵だったこと、黄色が素晴らしかったことを覚えています。歴史を勉強していたので、ゴッホは気むずかしい人というイメージを勝手に持っていましたが、絵を見て、シンプルに、ゴッホは情熱的で、純粋な人だったのではないかと思いました。情熱的で、純粋だったがために、その後、大きな悩み、苦悩を抱え込んだのではないかと。

また、また、生徒に感謝です。

「レヌカの学び」とは

本日6月28日、総合的な学習の時間で、1・2年生はアクティブ・ラーニングの統一授業「レヌカの学び」、3年生は大学講師による「学ぶということ ~大学の講座から世界を見る~」を実施しました。

「レヌカの学び」とは、多文化共生と人間尊重を考えるカードゲームです。ネパール生まれの女性レヌカが、日本の教育を学ぶために来日してから、行動や考え方が変化したことを題材にした教材で、自分の中にある「偏見」や「思い込み」をあぶり出すものです。例えば、「私はご飯を食べる前に必ず手を洗うのよ」という行動は、ネパール、日本のどちらにいる時のレヌカか。答えは、ネパールにいる時です。手でご飯を食べるので、必ず手を洗います。日本にいると「箸」を使うので、手を洗う必要性を感じなくなったそうです。このように、異文化理解を邪魔する「バリア(障がい)」は、自分自身の中に存在することを気づくことができます。

3年生は、福島大学、宇都宮大学、山形大学、会津大学、国際医療福祉大学から5名の講師を招き、大学における高度で専門的な分野を直接学ぶことによって、国際理解を深める機会としました。

校内スポーツ大会、無事終了

2日間の日程の校内スポーツ大会が無事終了しました。

今年も3年生が、総合優勝を成し遂げました。総合の成績は以下の通りです。

優勝 3年3組

2位 3年1組

3位 2年3組

今年度の校内スポーツ大会をみながら、またまた生徒の良いところを発見しました。クラス対抗の競技は、各競技がベストメンバーが組めるわけではありません。チームの少し弱いところを、どのようにチーム全体でカバーするかが鍵となってきます。声を掛け合いながら、励まし合って、そして皆で喜び、泣く姿を見ることができました。生徒は、勝ち負けに関係なく、多くのものを得たと思っています。

朝河貫一博士の没後70年

今年は、二本松市出身の歴史学者朝河貫一博士の没後70年です。その事業の一環である朝河貫一博士顕彰協会による高校生海外研修事業に、本校の2年渡邊拓真君が参加することが正式に決定し、先週の土曜日6月23日に事前打ち合わせが行われました。渡辺君は、昨年度、朝河貫一論文で優秀賞となり、その論文が認められたものです。

今後、渡邊君は、7月26日より8月1日までアメリカを訪問し、朝河貫一博士が研究をしていたイェール大学を訪れ、現地の学生と交流し、東日本大震災・原発事故から復興・再生をしている福島県の現状について発信をする予定です。

朝河貫一博士は、優秀な歴史学者でもあり、国際学者でもありました。安積高校卒業後、22才でアメリカに渡り、ダートマス大学、イェール大学で学び、その後アメリカで暮らすことになります。世界的視野での日本への警鐘は数多く、1941年の日米開戦の直前には、フランクリン・ルーズベルト米国大統領から昭和天皇への親書を送ることで戦争を回避しようと考えたようです。そして、自らその草案を書くなど、異国の地にあって祖国日本のことを思い続けた真の「サムライ」でもありました。

現在、渡邊君は、現地での英語のプレゼンの作成の真っ最中です。学校としても、良い研修になるように支援していきたいと考えてます。渡辺君には、現地での交流をとおして、多くのことを学んできて欲しいと願っています。

スポーツ大会始まる

本日より、校内スポーツ大会が開催されています。

梅雨の時期であることから、毎年、雨の心配をしておりましたが、今年は気温の心配をしております。

単位制高校であるあさか開成高等学校において、スポーツ大会は特別な意味があります。普段、クラス毎に授業をすることが少なく、自己の選択によって授業ごとに教室を移動する生徒たちにとっては、この校内スポーツ大会は、クラス、そして学年の団結力を高めることができる数少ない機会となっております。繰り広げられる応援合戦のもと、クラスだけでなく、学年の結束力が高まっていくを、毎年感じております。“Fair Play”、そして“All for one , one for all”の精神のもと、全力で戦い、思い出に残るものになることを願っています。

なお、日程は、明日までの2日間となっております。水分補給が必要なことから、お子様に水筒、凍らせたペットボトル等を持たせていただければ幸いです。

郡山市男女共同参画川柳コンクールで表彰

昨日6月24日(日)、郡山市男女共同参画川柳コンクールの表彰式に行って参りました。

このコンクールは、性別により個人の生き方を制限されることなく、その個性や能力が十分に発揮できるまちづくりを進める郡山市が主催し、今回で15回目を迎えたものです。今年度、本校では「マイノリティとの共存」を学校共通テーマに掲げ、特に、男女の差別、障がい者への差別等、人権に関わる問題に対して研究、行動をしており、このコンクールへの参加はその一環です。

その結果、本校の2年根本琴未さんが高校生の部最優秀賞、2年佐藤幸歩さんが同特別賞、2年池田綾乃さんが同入賞をしました。そして、生徒の活躍により、本校が学校賞にも選ばれました。入賞した作品は、以下のとおりです。

最優秀賞 根本琴未さん 「らしさとか結局お互いに同じ人間(ひと)」

特別賞  佐藤幸歩さん 「人助け女人禁止関係なし」

入賞   池田綾乃さん 「性別の「こうあるべき」は言わないで」

人権問題で一番大切なことは、バリア(障壁)をなくすことです。特に、こころのバリア(障壁)を取り払うことが大切です。この受賞を機に、より一層、人権問題に関する意識を高めたいと思っています。

研究授業週間について

大阪で発生した地震で、登校中の児童が倒れてきたブロック塀の下敷きになり亡くなるという痛ましい事故が起きてしまいました。登下校中の安全確保について、ご家庭においても再度確認をお願いします。

さて、今週1週間、本校では研究授業週間ということで、互見授業を実施しています。

互見授業とは、教員が通常の授業を公開し、相互に参観して刺激を受け合うとともに、その後の意見交換を行うことをとおして、授業の実践力を磨き、今後の教科指導の向上を目指すものです。同教科ばかりでなく、異教科を観ることにより、それぞれの教科指導の良さを自己の授業にも取り入れることができるというメリットもあります。

私も、この1週間は、転入された先生方の授業を中心に授業を観させていただきました。

改めて授業を観ると、授業づくりの楽しさ、難しさが見えてきます。私も、授業の導入には、苦しんだことを覚えています。どのように本時の内容に近づくために、生徒に驚きや疑問点を与えるいくか。生徒の身近に感じる話題を挙げながら、興味関心を高めようと努力しました。そして、授業の展開部分ですが、教師自身が熱を持って行っている授業は、外から見ると良い授業のように見えてしまいますが、生徒の学習状況はどうなっているかをしっかりと考えなければいけません。生徒が常に主体的に授業に参加し、教師とともに考えを巡らせているかが問題です。私の経験では、すらすらと流れるような授業はあまり生徒に影響を与えず、少し戸惑った位の方が、生徒は「なぜ先生は迷っているのだろうか」と思いを巡らし、授業内容をよく理解しようとしていたことを覚えています。生徒に「歴史の楽しさが分かってきました」と言われた時が、一番やりがいを感じました。

今の先生方は、導入、教材にも気を遣いながら、授業づくりをしているようです。しかし、授業とは、教材を使用しながら、生徒の資質・能力を伸ばしていくもので、教科書の内容のみを教えるものではありません。どのような力を伸ばしたいのかがはっきりと分かる授業を目指し、高みを目指して欲しいと思います。

本日、3学年保護者会開催

本日、3年生の保護者会が、13:30より、本校第1体育館で開催されます。

進路指導部より、進学・就職に対する今後の予定、手続き等について、3学年より、三者面談、夏期課外、夏休みの全般の過ごし方についても説明がされるはずである。

夏休みの35日をいかに計画的に過ごせるかは、進路達成を目指す高校生にとって格段に大切であろうと感じています。若い時の失敗は、往々にして経験のなさ、知恵の浅はかさに起因しています。初めての進学、就職に立ち向かう高校生にとっては致し方ないことなのかもしれませんが、是非とも今まで本校で進路実績を残してきた先生方や人生の大先輩である保護者のアドバイスをしっかりと聞いて欲しいと願っています。経験のなさや知恵の浅薄さを補うためには、経験を積んだ者の話を真剣に聞くことが大切だと思っています。そして、その言葉を脳裏にたたき込み、実践していくことが大切です。そして、その1つ1つの小さな努力の積み重ねが、将来において揺るぎない経験、知恵となることも事実です。

本日、学年だよりも発行されます。裏面は夏休みの過ごし方特集になっています。是非とも、家庭でもお子様とともにお読みいただき、話題にしてください。

6月の花

6月になりました。また、授業「日本の伝統文化」の生徒が、正面玄関を花で飾ってくれました。

生け花をいけるスタイルには、3つのスタイルがあるようです(花に無頓着な私は、初めて知りました)。立花、生花、自由花です。今回の生け花は、自由花だそうです。

自由花は、定まった型はなく、文字通り自由にいける様式で、幅広いバリエーションが許されているようです。現在、生け花は、床の間を飾るだけでなく、玄関先やテーブル等あらゆる場面、空間を飾るようになってきました。そこで生み出されたのが、自由花だそうです。

今回の作品は、菊とデンファーレのコンストラスト、そして大きく両脇に伸びるアレカヤシの躍動感があり、とてもバランスがとれたものとなっています。

6月も生徒に感謝です。

教育実習始まる

昨日より、卒業生が本校で教育実習を行っている。教科は保健体育である。

40年近く前、私自身も、自分の母校で教育実習を行った。2週間の実習であったが、その経験が、現在の自分の基礎を築いていると過言ではない。教育実習の間、ほとんどの時間を教材研究に費やした。事前の打ち合わせで、使用教科書を確認し、事前に教材研究をしてきたつもりではあったが、全然足りなかった。言葉の定義そのものが不十分であった。物事を正確に伝達するためには、その言葉がどのような意味を持つかをしっかりと確定する必要がある。専門用語だけでなく、何気なく教科書に書かれている言葉まで、一つひとつ丹念に調べ上げた。そして、生徒にどのように説明すれば、正確に、かつ、わかりやすく伝えられるのかを考えた。

指導教官からは「10勉強して、1しか教えられない」と何度も言われた。膨大な知識を整理し、どのように板書にするか。補助資料以外のプリントは使わず、板書で勝負しようと決めていた。研究授業の1時間前まで教材研究、板書案の作成に明け暮れていた。研究授業がどのように終わったのかも覚えていない。でも、その時から、私の教員生活が始まったような気がする。

昨年度、本校の卒業生が、初めて本県の教員になった。本県の教員採用試験は厳しいが、是非とも立ち向かって欲しいと願っている。この3週間が、教育実習生にとって、かけがえのないものとなることを祈る。