あさか開成 校長雑感

2018年7月の記事一覧

レインボーグッズについて

昨日の新聞に、本校の図書委員の生徒が、中学生一日体験入学で、中学生に対して、性的少数者(LGBT)への理解や関心を示すレインボーグッズの配布活動をしたことが掲載されました。

本校では、毎年、学校共通テーマを決め、国際社会における課題について探求活動を行っています。

昨年度のテーマは「水との共存」でした。「水」は自然の象徴でもありますので、「自然との共存」と言っても良いかもしれません。昨年度のテーマを研究し続ける生徒たちは、「水研究班」を作り、猪苗代湖の清掃活動等を行っています。「水研究班」の一人が、猪苗代湖の清掃活動をつうじて、実はゴミ拾いが環境保全だけでなく世代を超えた人々の繋がりを生むことを実感しましたという言葉が今でも印象に残っています。

今年度のテーマは、「マイノリティーとの共存」です。6月には、東京のNPO法人ReBitを招き、セクシャアル・マイノリティであるLGBTについての講演会を開催しました。講演の後、生徒より多くの質問がで、生徒の関心の高さを感じました。ある生徒の「私たちに何をして欲しいと思っていますか」という質問に対して、「私たちのような人たちがいることを分かって欲しい。関心・理解があるという象徴がレインボーグッズです。そのレインボーグッズを見ただけで、私たちは安心します」という答えが返ってきました。その言葉を聞いて、図書委員が自らできることとして行動したのが、レインボーに彩りされた本校オリジナルの栞の作成でした。今回、本校を目指す中学生に、本校理解の一助として、そしてLGBTに関心を持ってもらえればということで、国際部と連携しながら、中学生への配付を行ったようです。

本校では、さまざまな価値観を受け入れ、多様性を尊重する人間の育成に努めています。また、単に考えるだけでなく、その課題を解決するためにどのように行動するかを考えさせています。そして、できたこと、できなかったことを含め、それは「なぜか」を問い、文章としてまとめる作業をさせています。

東日本大震災・東京電力福島第一原発事故以後、福島には「安全」「安心」の言葉が突きつけられ、今も多くの人が苦しんでいます。「安全」は科学的、数値的な解釈により証明できますが、「安心」は気持ちの問題なのでその解決はとても困難です。「安心」を生むためには、多くの人の関心が必要なのです。すぐに社会を変えることはできませんが、社会の多くの課題に関心を持つことは可能です。直接的に助けることはできないかもしれませんが、例えば、レインボーグッズを持ち、あなたたちに関心を持っていますと意思表示をすることはできます。

私は、「共感」「共生」することを簡単には考えていません。他者の気持ちに立つということが、それほど簡単にはできないことを知っているからです。しかし、「共感」「共生」することができない自分がいるときに、自分自身を見つめ、そして、現在の自分を含めた社会の何を変えれば、豊かな社会につながるかを考えて欲しいのです。その営みは少しずつで良いので、決してあきらめることなく、継続することが大切だと考えます。そのためにも、できなかったことを含めた自分自身を好きになり、自分自身の努力を快く思って欲しいのです。

今年度の後半は、マイノリティーの対象が障がい者となります。私は、2年前に起きた神奈川県相模原の「やまゆり園」での殺傷事件を今でも忘れることができません。今年度後半は、生徒たちとともに、パラリンピックだけではなく、障がい者と共に歩める社会づくりをじっくりと考え、私たちが生きる手がかりを考えていきたいと思っています。

一條さん、渡辺くん、出発

本日より、「ふくしま復興大使」に選ばれた一條夢叶さんは台湾へ、「朝河貫一博士没後70年朝河賞受賞高校生海外研修事業」に選ばれた渡辺拓真くんはアメリカに出発します。

台湾は、日本と同じように地震多発地域です。台湾は、2年前、今年2月にも、大きな地震があり、多数の死傷者が出ています。一條さんは、台湾の花蓮市の被災の状況を見学するとともに、高校生、中学生、そして県人会の方々と交流する予定になっています。一條さんには、同世代の交流を通じて、同じような災害も持つ国同士だからこそ共有し合える今後の社会づくりについて、しっかりと話をしてきて欲しいと願っています。

また、渡辺くんは、朝河博士が研究に打ち込んだイェール大学、ダートマス大学を訪問し、現地の学生や日系人と交流し、東日本大震災、原発事故から復興を続けている福島の現状を伝えてくることになっています。渡辺くんは、1ヶ月前から、現地のプレゼンテーションの原稿作り、そしてその英訳におわれていました。渡辺くんには、朝河博士が学んだアメリカの一流の大学の雰囲気を味わうとともに、高校生の視点での今の福島の復興の様子を現地の人たちに伝えてきて欲しいと思っています。

また、本日は、2週間に及んだオーストラリア研修からの帰国の日もなっています。現在のところ、予定どおり進んでいるということですので、午前11時頃には、バスが学校に到着することになります。

日本を出る生徒、日本に帰る生徒、生徒は大忙しです。

よさこい部、うねめまつりへの決意を語る

本校のよさこい部の紹介が、「広報こおりやま8月号」に掲載されました。

紹介されたのは、冊子の裏面の「KORIYAMA Dreamer 夢に向かう郡山人」のコーナーです。本校のよさこい部は、現在、うねめまつりの踊り流しで3連覇中です。部員は65名と、本校の部活動の中では群を抜いて多さで、全員女子で構成されています。チーム名は「開成舞彩(かいせいまさい)」です。練習場所は正面玄関前のローターリーで、暑さ、寒さ、雨に耐えながらの練習を続けています。大会の出場だけではなく、高齢者施設への慰問等、ボランティア活動もさかんな部活動でもあります。

演舞の基本となっている振り付けは、毎年、3年生が中心となり、独自の振り付けを考えているようです。今年は、扇子や傘を取り入れた演舞になりました。しかし、毎年変わらないものもあります。それは、「笑顔」です。部長の飛田愛生さんと話をした際に、「私たちは見ている全員に笑顔を届けるために踊っています」という言葉がとても印象に残っています。

夏休みに入り、4連覇に向けた練習も本格的になってきました。8月3日のうねめまつり踊り流しでは、開成舞彩の魅力を、思う存分発揮することを祈ってます。私も、必ず応援に行きます。

中学生一日体験入学、終了

中学生一日体験入学が終了しました。500名を越える中学生の皆さま、200名近くの中学生の保護者の皆さま、暑い中、本校の一日体験入学に参加していただき、大変ありがとうございました。

全体会では、生徒が本校の国際部の行事について丁寧に紹介をしました。我々教員が話すよりも、何倍も説得力があったのではないかと感じております。また、外国人留学生のソン君の登場には、中学生も驚いたのではないでしょうか。中学生には、本校において、外国人の留学生が普通に隣で授業を受けている風景が頭の中に浮かんだのではないかと思っています。また、体験授業においても、多くの生徒のサポートにより順調にすすむことができました。

あらゆる面で、生徒に感謝です。

話は変わりますが、オーストラリア研修も最終版になってまいりました。昨日で、ホストカレッジでの授業は、すべて終了しました。本日の朝は、ホストファミリーと涙の別れをしていたのでないかと思っております。そして、本日は、今年度から取り入れたキャンプ体験です。オーストラリアを思う存分、楽しんできて欲しいと願っています。

 

 

夏休みに入って

夏休みに入って三日目である。夏休みに入ってすぐ、出張が2日間続いたため、ゆっくりと校内を眺める時間がなかった。本日は出張も会議もないため、少しはゆっくりと校内を眺めることができるだろう。

朝、いつもどおり学校に来て、コーヒーを煎れて、新聞に目をとおす。夏休みに入っても、私の生活は、普段とほとんど変わりはない。新聞からは熱中症関係の記事が目に入る。複数の高校で被害が出たようである。他山の石としなければならない。早速、全校放送で、生徒へ熱中症への注意を促すとともに、各部の顧問の先生へ、より一層の生徒観察をするように指示をした。

生徒を見てみると、全学年、課外を実施しているためか、普段どおり登校風景がある。オーストラリア研修も、中日を過ぎ、本格的な現地学校での授業が始まったようである。バディとのコミュニケーションをしっかりと取りながら、内容は分からなくても良いので、授業での雰囲気の違いなどを感じ取ってもらいたい。また、ホームステイ先では準備していった話が尽きる頃であろう。これからが正念場である。一人部屋に留まらず、ホームステイ先の家族と一緒に居ることを心がけて欲しい。

来週は、7月24日に、中学生一日体験入学がある。少しは涼しくなることを祈るばかりである。