あさか開成 校長雑感

2019年6月の記事一覧

ハレの日

2日間続いた、「ハレの日」であるスポーツ大会が終了しました。

今年も3年生が総合優勝を果たしました。後輩の壁となることは、先輩にとってはとても大事なことです。総合優勝クラスは3年3組でした。3年3組の生徒諸君、総合優勝おめでとうございます。佐藤貴広先生を中心とした団結力はさすがでした。この団結力のもと、今度は、文化祭、進路活動に邁進して欲しいと願っています。

さて、少し「ハレの日」についてお話をしましょう。「今日は曇っていましたよ」というツッコミはいりません。天気の話をするのではありません。「ハレ」とは、お祝いや行事などの特別な日、非日常を指す言葉です。「ハレ」と反対の、日常を表す言葉には「ケ」があります。学校でいうと、普段授業をしているときが「ケ」で、スポーツ大会などの行事の時が「ハレ」ということになります。生徒諸君の中には、スポーツ大会がずっと続けば良いと思っている人もいるのかもしれませんが、特別な日が続くことは、大変気力や体力を消耗することになります。普段の生活が一番良いのです。しかし、病気などになると普段どおりの生活ですら送ることができなくなります。そのことを「ケガレ」と呼びます。「ケガレ」とは「ケ」が枯れ果ててしまう意味で、「ハレ」を行うことで「ケガレ」を清めるのだそうです。つまり、気分が落ち込みそうなとき、疲れがたまりそうなときに、気分や健康を回復させるためにあるのが「ハレ」なのです。

スポーツ大会後の講評で2つの話をしました。1つは、クラスの交流は深まったか、そして2つめは、3年生にとって夏休みは勝負のときだが、その覚悟はできたかという話です。本校は、単位制のため、所属クラスがあっても、そのクラスで過ごす時間が決して多い訳ではありません。このスポーツ大会の時期は、中間考査も終わり、クラスのメンバーとの絆を深めるときなのです。そして、夏休み前にいったん休憩をして、夏休みに向けて積極的に動き出すための準備期間でもあります。特に、3年生にとっては、大切な夏休みに向けて、一休みをしながら、進路に向けての覚悟を決めるときでもあります。

私の好きなグループにJUDY AND MARYがいます。『そばかす』では、「想い出はきれいだけど それだけじゃ おなかがすくわ」という歌詞があります。高校時代の想い出を沢山作っていくことも大切ですが、それだけでは前に進むことができません。自分自身の進路に向け、覚悟を決めることも大切です。

頑張れ、3年生。

このスポーツ大会では、君たちの素晴らしいプレーを見させていただきました。ありがとう。

学校評議員会、開催

昨日6月26日(水)、本校の学校評議員会が開催されました。

今年度は、評議員の方々すべてが代わられ、新しいメンバーでのスタートとなりました。

会議では、私より、現在の学校の現状及び今後の学校経営について話をし、その後、各主任より今年度の重点目標と手立てについての説明がありました。

PDCAサイクルでいうと、Plan(目標)ができ、Do(実行)をし始めている段階の説明がなされたと言えるでしょう。これから、本格的なDo(実行)をして、中間的なCheck(評価)を入れ、Action(改善)しながら、最終的なCheck(評価)に向かっていきます。

中学校に対する高校説明会でも強調していますが、本校は、学習面ばかりでなく、体験的な活動も重視しています。海外研修を含む、あらゆる体験的な活動に積極的に参加し、いろいろな人々と交流をし、得た知識を社会に還元しようとする心豊かな人間を育てようとしているのです。

今回の評議員の皆さんも、本校の教育活動を良く理解し、応援していただけるということで大変嬉しく思っております。

世の中には、答えのない多くの課題が存在します。また、正義という価値観も、もろいものだと感じることも多いでしょう。そんなとき、解決のための道を見失ったり、自己の価値が打ち壊されたりして、身動きがとれなくなるときもあります。それでも、自分が考える「善き」社会を創造するために、他との意見交換をし、そして行動しなければなりません。

今年の夏は、23名の生徒がオーストラリアへ、そして、16名が韓国へ、10名がベラルーシへ、1名はドイツ、アメリカに研修に向かいます。どんな知に出会い、それをどのように学校に持ち帰ってくるのかが楽しみです。

NO プラスティック

令和元年度前半は、本校では「NO プラティック」ムーブメントを実施中です。

PTA総会時には、生徒会長の安齋麗(うらら)さんより、今年の学校の取組、そしてそれに付随して、いままで総会時に配布していた下足袋(プラスティック製)の配布を行わないことが説明され、保護者に協力を求めました。

よく考えてみると、一昨日実施された栄養講話も、「NO プラティック」ムーブメントの一環であると定義することができるかもしれません。アップロードした写真を見て気付きました。「こづゆ」をいただいたお椀が、会津塗のお椀だったからです。

2013年、「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。登録された理由としては、①料理の美しさ、②栄養バランス、③新鮮な素材、そして④年中行事との関わり等が挙げられます。和食の良さを考えた場合、①には、料理ばかりでなく、器自体の美しさ、そして庭などを含めた食すために設けられた空間も含まれているではないかと考えます。和食の器と言えば、陶器、磁器、漆器、鉄器、ガラス、木等の他に、竹などの自然の素材をそのまま使ったものもあるではないでしょうか。器ではないですが、柏餅の柏や笹団子の笹などは、器の代わりをしているものでしょう。日本人は、器にもみられるように、常に自然との共存を考えながら、日常の生活を築いてきました。和食を考えると言うことは、実は、人間と自然の関わりを考えると言うことにつながると考えます。

和食を考え、食しながら、プラスティックについて、再度考えてみたいと思います。

日本の食文化を知ろう

昨日6月24日(月)、3年生の家庭科の「食文化」で、昨年度と同様に、栄養講座「日本の食文化を知ろう」講座が開催されました。講師は、県教育委員会健康教育課の志賀敦子指導主事、小野町立小野中学校松本浩枝栄養教諭、郡山市立富田東小学校根本さとみ栄養教諭の3名の先生方でした。

私は、須賀川市の西袋中学校への高校説明会がありましたので、最初の10分程度しか参観することができませんでしたが、「こづゆ」だけはしっかりといただいてから出かけていきました。

生徒たちは、まず、和食について基礎知識を学んだようです。その後、生徒たちは、郷土料理作りへ挑戦しました。今年度、挑戦した郷土料理は、「こづゆ」と「まんがこ」だったようです。

志賀先生、松本先生、根本先生、大変ありがとうございました。

男女共同参画川柳コンクール

昨日6月23日(日)、郡山市男女共同参画川柳コンクールの表彰式に行き、学校賞をいただいて参りました。昨年同様、多数の生徒の応募、そして優秀な作品に対して選ばれた賞でありますので、生徒に感謝です。

このコンクールは、性別により個人の生き方を制限されることなく、その個性や能力が十分に発揮できるまちづくりを進める郡山市が主催し、今回で16回目を迎えたものです。昨年は、高校の部で本校の生徒3名が受賞しました。今年は倍以上の7名の生徒の受賞となりました。

昨年、本校では「マイノリティとの共存」を学校共通テーマに掲げ、特に、男女の差別、障がい者への差別等、人権に関わる問題に対して研究、行動をしてきました。今年は、テーマが変わりましたが、一度芽生えた課題への挑戦は継続すべきだと考えています。猪苗代湖の清掃についてもそうですが、一度始めたものを継続する力こそ、本当の力と言えるのではないでしょうか。

入賞者及び入賞作品は、以下のようになっています。

最優秀賞 橋本美由紀さん 『彼のいう女だからが好きじゃない』

優秀賞  関根 望未さん 『「らしさ」とは自分らしさを指す言葉』

特別賞  白石 奏海さん 『家事半分楽な気持ちも半分に』

入賞   諸橋 菜々さん 『ぎこちなく慣れない手つきも隠し味』

     圓谷 玲奈さん 『「主婦」と「主夫」漢字は違えど同じ読み』

     鈴木さくらさん 『居るのならとってくださいその電話』

 

実習生への講話

先日、教育実習生から依頼されていた講話を行いました。1時間かけて、カリキュラム・マネジメントについての話をしました。

管理関係の話の依頼だったので、この話題を選びましたが、本来は指導関係の話の方がずっと面白いと思っています。講話の前時間には、実習生の授業を拝見させてもらいました。私が、実習生だった頃に比べ、落ち着いた授業をしているなと大変感心をしました。

ただ気になったところが少しあったので、講話の前に質問をしてみました。それは、生徒に対する「問い」が少なかったように感じた点でした。私が授業づくりをする場合には、まず、本時のねらいとなるメイン・クエスチョン、それを分解したサブ・クエスチョンを考えることになります。授業とは、決して教科書を上手に整理して教えることではありません。教科書は、単なる「素材」であり、教師が意図的に加工することによって、初めて「教材」となります。教科書のこの部分を生徒に考えさせてみたいという教師側の思いが大切だと考えています。メインやサブの問いを階層的につくることの意味は、学習に関する「見通し」を持つことと、「振り返り」をしやすくすることだと考えています。本時のねらいに近づくために、まず、既存知識の習得がなされているか等の問いがあり、そして、その知識の上に視点をずらしねらいに近づくための問いや考えを深める問い等が必要であろうと考えています。問いの連続が、生徒に思考させ、活動させる場を提供するのではないかと考えています。

講話が終わり、教育実習生から、教師という職業に面白さを感じていますという言葉が返ってきました。私にとってもそうでしたが、教育実習生にとっても、この2週間が、今後の人生にかけがえのないものとなることを願っています。

真っ赤な薔薇

まず始めに、今回の新潟沖での地震で被害に遭われた方々に、心よりお見舞い申し上げます。

 さて、授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の神成真那さんの真っ赤な薔薇が正面玄関を飾っています。

薔薇は、花の中でも特別な存在です。特に、真っ赤な薔薇の存在感は特に際立ったものがあります。ハリウッドの映画スターでいうと、レオナルド・ディカプリオやブラット・ピットといったところでしょうか。主役中の主役です。

今回の作品は、その真っ赤な薔薇を使ったものです。高さの違う3本の薔薇を木苺の葉の緑や黄色の斑点があるゴットの葉が際立たせています。また、アクセントになるピンクのヨウキヒの花がとってもかわいらしさを出しています。全体的に、気品の高い、まとまった作品になっていると感じます。

生徒に、感謝です。

話は変わりますが、「真っ赤な薔薇」という言葉を聞くと、私はTHE BLUE HEARTSの『情熱の薔薇』を思い出します。THE BLUE HEARTSは、大好きなバンドの1つです。ちなみに、THE BLUE HEARTSの数ある名曲の中、私の中で特別な意味を持つのが『TOO MUCH PAIN』です。5枚目のアルバム『HIGH KICKS』に収録されている曲であると記憶しております。話が別の方面に行きそうです。戻しましょう。THE BLUE HEARTSの歌詞は、どうしても深みにはまってしまいます。『情熱の薔薇』もそう感じています。

今年度の本校の探究学習における学校共通テーマは『共存 ~作ってきたもの、作っていくもの~』です。我々人類は、生活の価値を向上させるために、「便利な」ものを作り出してきました。では、「便利な」の定義は何でしょうか。『情熱の薔薇』では、「今まで覚えた全部 でたらめだったら面白い」と問いかけています。そして、「答えはきっと奥の方 心のずっと奥の方」と答えています。我々が、作り出してきたものを、未来のために、検証する時期にきているのではないでしょうか。答えは、教科書に載っているわけではありません。すべて、自分たちが決めていくしかないのです。私たちが、未来に対して、残していくものとは何かを真剣に考え、そして決断しなければならなないときが迫っているのです。

生徒の皆さん、考えましょう。

教育実習、始まる

今週の月曜日より、卒業生が本校で教育実習を行っています。教科は理科です。4年前、私が本校に赴任してきたときの3年生でした。とても、懐かしい顔です。

昨日、実習生から講話を依頼されました。その際、教材研究等での悩みを聞いたところ、現在は順調に進んでいますという返事が返ってきました。今の大学生はしっかりしているなと感じました。

40年近く前の自分自身は、2週間の教育実習中、毎日悩んでばかりいたことを、今でも思い出します。教育実習に来る前に、使用教科書を確認し、事前に教材研究を進めていました。しかし、指導教官からは、「深まりがない」「それでは、生徒が興味関心をもたない」「だらだらと板書するのではなく、簡潔に」と次々と指摘を受けました。最後には、「この授業の最終的なねらいはどのようなものになるのか」と、決定的なダメ出しを受けました。こんなに悩んだ2週間はなかったと感じていますが、それが、現在の自分自身の基礎を築いていると思っています。

実習生には、自分自身が教育実習中によく言われた言葉の1つを伝えました。それは、「1を教えるために、10の勉強をしなさい」という言葉です。何気なく分かっていることは、何となくしか伝えることができません。生徒に対して「分かってくれ」と望むのは、教師としては失格です。分からないからこそ、学校に来ているわけですから。

これからの2週間、教育実習生にとっては自分自身を知る、良いチャンスだと思っています。生徒というフィルターをとおして、自分の「強さ」「良さ」、そして「弱さ」と向き合い、自分らしさをみつけていって欲しいと願っています。

高校説明会、始まる

本日より、三穂田中学校を皮切りに各中学校主催の高校説明会が開始されます。

今年は、高校入試制度が大きく変わる年でもあります。限られた時間ではありましたが、わかりやすく本校が求める生徒像や本校の特色選抜の内容について説明を行ってきました。

今年度は、中学校側でも、高校説明会の時期をどの時期に設定したら良いか悩んだのではないでしょうか。例年よりも、6、7月の説明会が減っているように感じています。選抜方法のより詳細な情報を求めて、後半に設定していた中学校が多いのかもしれません。

高校でもそうですが、受験体制にシフトするために、いろいろな行事を狙って、生徒に気持ちの切り替えを促します。本校でも、2年生の修学旅行は一つ目の切り替えの時期です。2年生の3学期を「3年生の0学期」と位置づけ、修学旅行終了後、最初の受験体制へのシフトを促します。そして、インターハイ県大会の終了が大きなシフトチェンジの時期です。進路行事を多めに入れ、一気に受験体制に突入していきます。中学校でも、今頃は中体連の地区大会が終わり、3年生が部活動を終了する時期でしょう。この時期から、多くの中学生は、自己の将来の夢を実現するために学習に時間をかけるようになります。その中学生の気持ちの切り替えにつながるような、丁寧な、そして意味ある説明会を心がけたいと思っています。

県総合体育大会地区予選大会、始まる

考査最終日である昨日、卓球競技の皮切りに、県総体の地区予選が始まりました。

卓球部の生徒たちは、最終日の試験を残したままの大会出場となりました。そして、本日より、バドミントン部、剣道部の地区予選が、明日からは、須賀川桐陽高校でバレーボール競技、白河市中央体育館を中心にバスケットボール競技も始まります。

二期制の学校は、今週が前期の中間考査となっているところが多いと思います。本校も、昨日、中間考査が終了しました。中間考査は、インターハイ県大会と県総体地区予選の合間を狙って設定していますが、どうしても毎年、どこかの部活動は考査と重なるような日程になってしまいます。最近は、インターハイでも県総体でも日程が分散しているため、二期制でも三期生でも、どこかの部活動は考査と重なってしまいます。生徒にとっては、気の抜けない日が続くことになります。

昨日は、午後、県中地区のソフトテニス部の顧問会議に出席してから、西部第二体育館で行われている卓球競技を応援してきました。本日は、小野町民体育館で行われている剣道競技、郡山市総合体育館で行われているバドミントン競技の応援にしてきました。

この時期は、多くの3年生が引退していく時期でもあります。つまり、1、2年生主体のチーム構成で臨む初めての試合となるわけです。強豪校であれば、3年生に追いつき追い越すような下級生のもと、チーム全体の力が向上し、3年生が引退してもチーム力を維持することも可能かもしれません。しかし、通常の学校では、ここからがチームづくりとなります。最初は、思うような成績も出ないことが多いでしょう。今回応援してきた剣道、卓球、バドミントンも、苦しんだ試合をしていました。

しかし、チームづくりは始まったばかりです。秋の新人戦に向けて、基礎な体力や技術を身につけ、チームとして戦う心構え、戦術を高めていくことを期待します。チームは一気に強くなるわけではありません。新しいもの創造するわけですので、苦しさもありますが、そこには、たくさんの面白さ、喜びもあります。自分を信じ、仲間を信じ、一歩一歩成長していってください。

振り返りについて

本日で前期中間考査が終了しました。

生徒の皆さんに、是非ともやってもらいたいことがあります。それは、振り返りです。点数が取れた、取れなかっただけでなく、どの分野ができなかったのか、その原因は何か、それを継続、または、解決するためにどのような方策があるか等、しっかりと振り返りましょう。

特に1年生の保護者の皆さま、高校での初めての考査が終了しました。家庭でも、今回の考査について、お子様とお話をする機会を持っていただきたいと思っています。

では、「振り返り」とは何かについて、少し考えていきたいと思います。振り返りとは、反省をするだけではないと考えています。一番大事なことは、自分がやろうとしていることに対して、今の自分の位置をしっかりと認識することです。今、どこまでたどり着いているのか、方向は間違っていないのか、このまま真っ直ぐ言って良いのか等、確かめることが振り返りだと思っています。そのときに、うまくいかなかったことを分析することも大事ですが、うまくいったことに対して、まず、自分自身を褒めましょう。そして、うまくいかなかったことの何を改善するば良いのか、うまくいったことで何を継続すれば良いのかを考えて欲しいと思います。最後に、今後、どのようことをプラスしていけば良いのかを考えると、より発展的になると考えます。

できなかったことばかり気になるが、この経験で分かったことも多いはずです。ネガティブに考えるだけでなく、良いことも考え、次への活力にして欲しいと願っています。

成長について

昨日に引き続き、成長について考えていきたいと思います。

成長には、身体的なもの、精神的なもの等があると思っています。教育相談研修会で出てきた「成長」とは、人生の最後の一瞬までと言っていますので、身体的なものではなく、精神的な成長を言っているのだと考えます。

精神的に成長することができたと感じるときはどんなときでしょうか。普通は、困難を乗り越えて挑戦していたことに成功したとき、継続的な努力をしてある条件を乗り越えていったときなどを考えるのではないでしょうか。では、その成長によって、何が大きくなっていったのでしょうか。経験、自信といったものでしょう。

何かを考えるときに、私はものごとの捉え方である「視点」や「枠」を非常に大切にしています。成長を考える一つの例ですが、テストでは、知識を集積し、点数がとれるかどうかが問われます。80点を目指していた者が、それを超えることができれば、大きな達成感や満足感を味わうことができます。しかし、それは、知識や技能をテストという指標で測る高校や大学までの時代にしか通用しないかもしれません。就職してからも、ある一定の知識や技能が必要かもしれませんが、そこにはもうテストという指標がない場合の方が多いのです。そこで必要なことは、ものごとを考える「視点」や「枠」を変えていくことだと思っています。自分自身が求めている経験、自信、理解、喜びとは何だろうと、自分自身が持っている「視点」や「枠」自体を変える必要があるのです。

私が考える真の意味での「喜び」は、自分のために何かをすることではありません。他者のために、自分の知識や技能を活用することです。そして、自分、他者を含めた社会が変われば、自分自身に多くの幸せが返ってくると思っています。

最後に、生徒集会時に、良く、「失敗を恐れず、挑戦してください」と話しています。「失敗」も経験の中の一つです。失敗することは、決して何かを失うことではありません。反対に、うまくいかないという知識や技能をいっぱい蓄積していくことだろうと思っています。とっても豊かな経験値が増えているのです。私は、成功の対義語は失敗ではないと思っています。成功の対義語は、何もしないこと「無行」ではないかと思っています。

午後は研修会

中間考査の間は、生徒は遅くても13時にその日の考査を終えることになります。

しかし先生方は、その日の考査の採点、明日の日の考査の確認、印刷と、普段よりも忙しく動いています。また、普段できない教員向けの研修会も、考査中の午後に開催されることになります。初日10日には教育相談研修会が開催されました。そして、本日11日には小論文対策研修会が開催されます。

教育相談研修会の話の中で、「人生、最後の一瞬まで成長」という言葉がとても気に入りました。「成長」という言葉は、私が好きな言葉の一つです。元々の意味は、「人間や動植物が育って大きくなること」を指している言葉でしょうが、成長を自分なりにきちんと定義している人は少ないのではないかと考えています。

良く生徒とは、くだらないことを話します。

今年3月の卒業生と「千と千尋の神隠し」について議論をしたことがありました。成長についてです。生徒は千尋とハクとの恋愛物語だと解釈したのに対して、私は千尋の思春期における成長物語だと主張したのです。

映画を見ながら、「なぜ名前だろう」という問いが、何度も私を悩ましました。その答えが出たのが、カオナシの登場です。名前は、自分が自身自身であると証明できる重要なもので、アイデンティティそのものと言えるものです。カオナシは、顔がないばかりでなく、声を出すこともできず、最初の方では体自体も透けていました。他人を食べることにより、やっと声やキャラクターを持つことができました。しかし、それは決して自分自身ではありません。自分が自分であるためには、他人のまねをするし、そして万人が好むお金等を常に気にして、それを使って他者とつながろうとしています。非常に悲しい存在です。登場時の千尋自身なのかもしれません。

この物語は、千尋が「自分自身とは何者か」と問いへの答えを探すための旅だと考えています。両親が醜い豚に見えたことも、思春期に入った精神状態を表していると考えます。自分自身に価値を求めることができず、常に不安におびえ、そして、社会に対しても拒否反応をしている状態でしょう。その後、働くことや他人との触れ合いにより、自分自身が他者にとって必要な存在であることを感じて始めていく千尋。最後は、ハクを救うための旅を終え、自分自身が誰にも代えがたい存在であることを自覚し、思春期を脱していきます。

こんなことを思い出しました。

前期中間考査、始まる

本日6月10日より6月13日まで前期中間考査が行われます。

先週は、多くの生徒が学校施錠時間ぎりぎりの19時まで、各教室・特別教室で試験勉強を行っていました。ほとんどのクラスで、仲間同士教え合いながら勉強を進める姿が見受けられました。時には、講義スタイルで、教わっている先生の口調をまねしながら、普段の授業と同じように黒板を使い、友人に教えている姿をみて、思わず聞き入ってしまうこともありました。

集中力がなく、勉強がはかどらない生徒にとって、学校は勉強をする最適の場所です。テレビ、ベッド、冷蔵庫等、誘惑するものが少ないからです。私も、高校時代は、自宅よりは、学校で勉強をしていたことを覚えています。学校で勉強をしているほとんどの時間は、数学を解いていました。友人と競い合いように解き合っていたことを今でも覚えています。解法できなければ、納得するまで友人と話し込みました。私たちの時代は、職員室へ行って、先生方に質問することは、ほとんどありませんでした。友人がいれば、どの教科でも、ほとんどの問題の答えを導き出すことができていましたからです。

学習は、一人ひとりの個人戦だと思いがちだが、私は集団戦だと思っています。特に、各考査でもそうだが、受験などの長期間の戦いにおいては、くじけそうになる自分を励ましてくれる友はとても大きな存在です。私は、常に友を意識しながら、問題を解いていたように感じています。集中力のない私にとって、考査や受験を乗り越えられたのは、私に付き合ってくれた多くの友のおかげだと思っています。

県南地区高等学校音楽祭、開催

本日は、須賀川市文化センターで、令和元年度県南高等学校音楽祭が開催されました。

この音楽祭は、県南地区高等学校の音楽学習の発表の場として、半世紀以上の歴史を持つものです。そして、声楽、器楽、そして日本音楽など、部門の違う者同士が一堂に会して、親睦を深め合い、同時に、お互いの良さを感じ取りながら、それをそれぞれの高校に持ち帰り、今後の活動の向上につなげていく場だと思っています。

県南支部長としてあいさつをした際にも、そのことを重視し、自分たちとの共通点、相違点を感じ取り、それを自校に持ち帰ってよく話をしてくださいとお願いしました。

吹奏楽、器楽、合唱など、また、編成の大小など、いろいろな違いがありましたが、心にしみわたる、良い音楽を聴き、良い表現活動を見たと感じております。

各学校の音楽部関係の生徒の皆さん、大変ありがとうございました。

2つの進路のお話

昨日6、7校時、1学年では進路講演会、3学年では進路説明会が開催されました。

この2つの進路に関する話は、進路という同じ範疇の話ではありましたが、対照的な話でした。1年生の進路講演会は、今後の高校生活をどのように過ごすのかを、文理選択など進路というものさしで話された内容でした。言わば、高校の入り口部分のお話でした。3年生の進路説明会は、高校卒業後の進路に向け、今後の手続きなどについて保護者とともに説明を受けたものでした。提出書類の作成など、非常に実務的な部分を含むもので、ある種の緊張感を持つ内容のものでした。こちらは、高校での出口部分のお話と言えるでしょう。

3年生の生徒の顔を見ながら、そう言えば、2年前、この子たちも、あどけない顔で、文理選択、科目選択について悩んでいたことを思い出しました。時の流れというのは、とても速いものだと感じてしまう瞬間でした。

これから、3年生は自己の進路実現に向けた戦いへと突入していきます。最初の山場は、夏休みだと思っています。「夏を制する者は、受験を制す」です。しっかりと、地道に、そして最大限の学習をしていただきたいと思っています。

そして、1年生の皆さん、自分自身との対話のときがやってきました。『進路の手引き』にも書きましたが、進路を決めるとは、自己と対話し、自己を知ることだと思っています。自分がどのような人生を送りたいのかを真剣に考えてください。

6月の花

授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の梨本涼夏さんの作品が正面玄関を飾っています。

今回の作品は、リアトリスの一種生けです。「正風体一種生」と紹介がありましたので、ネットで調べると、生け花の伝統的な型であることがわかりました。生け花については素人の私ですので、勝手に「佇まい」かなと想像しました。「佇まい」とは、立っている様子のこと、また、そのものからかもし出されている雰囲気を言います。しかし、私には「佇まい」は、ちょっと「様子」や「雰囲気」とは違った印象を持っています。そこにちょうど良くおさまっている感覚が、私の感じる「佇まい」です。勝手に、「正風体」とはそんなものなのかなと思っています。違っていたら、大変失礼いたします。今回の、梨本さんの作品も、そこにしっくりとおさまっている感じがします。感動です。

リアトリスは、夏の花として代表的なものです。日本には大正時代に伝わったようで、花がアザミに、そして葉がユリに似ていることからユリアザミの和名があるようです。花をみながら、季節を感じています。

 

 

初めての考査

前期中間考査まで1週間を切りました。令和になって、初めての考査となります。また、1年生にとっては、高校での初めての考査となります。

前期中間考査は、6月10日(月)から13日(木)まで実施されます。1年生のみなさん、中学校と違い、高校の考査は長期間のたたかいとなります。本校の考査は、どの考査も、4日間の日程で、遅くても4校時までで終了となります。計画的な学習をし、現在自分が持っている実力を十分に発揮していただきたいと感じています。

何事においても「はじまり」は大切なものです。最初の考査でうまくいけば、それが自信となり、その後の勉強もうまく進む可能性があります。1年生にとっては、3年間を左右する大事な考査かもしれませんので、しっかりと勉強をして欲しいと願っています。

また、3年生にとっては、3年間の評定が出る最初の考査です。評定は、今後の進路にとって、とても大事なものとなります。悔いの残さないように、1科目1科目、全力を込めて、最大の勉強をしてください。

最後になりますが、理数科目について、ひとつのアドバイスをおくりたいと思います。数学などで、授業中、先生の説明を聞いているときは「わかる」ものの、自宅に帰って復習をしようと思うと解けなくなることはありませんか。私は、高校時代、その経験をたくさんしました。この場合の「わかる」は、分かった感じがする位のものでしょう。理数科目は問題演習(実際に多くの問題を解くこと)が大切です。一定時間の演習量をこなすことによって、「わかる」が「解ける」とつながり、本当の意味での分かるになっていきます。時間がかかりますので、毎日、時間を決めて演習をすることを勧めます。また、理数科目を、自分一人でやりきるには、ちょっと大変かもしれません。教室を利用することをお勧めします。多くの卒業した先輩方は、考査前は、放課後、教室で勉強をしていました。友達に質問したり、友達も分からない場合は、うまく先生方を活用していたようです。

All's Well That Begins Well.

朝の10分を大切に

昨年も同じことを書いた記憶があります。時間の話です。時間をコントロールすることは、とても大切なことです。特に、朝の時間をコントルールすることはとても大切なことですが、なかなかコントールすることは難しいと思っています。しかし、難しいからと言って、できなくても良い、やらなくて良いという訳ではなく、強い意志を持って、管理することがとても大切なことだと思っています。

今週初めは、県下一斉の登校指導が各学校で行われていることだと思います。本校でも、本日と明日、生徒指導部の先生方だけでなく、PTAの協力も得て登校指導を実施します。毎年、朝早くから、ご協力いただいているPTAの方々にはとても感謝しております。

昨年は、5月に入って、自転車被害事故が6件起きました。ほとんどの事故が、登校中に、側道から出てきた自動車と接触したもので、事故としては軽微なものでした。その接触事故の原因は、もしかしたら、遅刻しないように急いでいて、車の動きが目に入らなかったからかもしれません。事故は命にかかわる問題です。今回は、軽微であったとしても、次もそうだとは限りません。余裕を持った登校をすること、そのために、10分程度の時間をコントロールすることが大切だと思っています。10分の余裕が、十分な余裕につながっていくのです。

今年は、朝の時間をより一層強い意志で管理させるために、いろいろな取り組みをしております。まず、今年度は、朝の時間の意識させるために、登校時間を少し早めました。そして、年度当初の生徒指導部による登校指導、それと並行して、4月から5月にかけて、生徒会役員が朝のあいさつ運動を実施してくれました。5月中旬からは通学危険箇所の交通指導が実施し、そして、今週のPTA・生徒指導部合同登校指導となっております。この取り組みの効果かどうかは判断しかねますが、着実に自転車事故は減っています。

時間は、人間に平等に与えられた数少ないものの一つです。その貴重な時間をどのように使うのかを決定するのは自分自身です。一生懸命やっても、怠惰に過ごしても、同じように時間だけは過ぎていきます。しかし、過ぎた時間は決して返ってくることは決してありません。時間をどのように使うのかを考えることは、自己を磨くことだと考えています。生徒の皆さん、少し時間について考えてみましょう。

ソフトテニス女子、快進撃

本日6月1日、平庭球場で、ソフトテニス競技男女団体戦が始まりました。

男子は、只見高校と対戦し、3-0で勝利、1回戦は突破しました。

2回戦は、男子は、第2シードの学校法人石川高校との対戦、0-3での完敗でした。しかし、多くのものを学ぶ機会となりました。女子は、2回戦からの登場です。相馬高校との試合は、2時間以上に及ぶ大接戦となりましたが、2-1と勝利しました。勢いに乗った女子は、3回戦須賀川桐陽戦も、2-1で勝利し、明日は、白河旭高校とベスト4をかけた試合となります。