あさか開成 校長雑感

ノーベル賞

昨日12月10日(火)、修学旅行が無事終了しました。

昨日の19時少し前に、生徒の帰宅を見届けた引率の先生方が学校に到着しました。団長である教頭先生より、生徒とたくさんの想い出とともに無事帰国した旨の報告がありました。生徒たちはどんな想い出をつくったのでしょうか。早く会いたいところではありますが、次の登校は金曜日です。お土産話が楽しみです。

さて、12月10日(日本時間では11日未明)、ストックホルムのコンサートホールでノーベル賞の授賞式が開かれ、吉野彰さんがスウェーデン国王よりメダルと賞状が授与されました。12月10日は、アルフレッド・ノーベルの命日でもあります。1896年12月10日にアルフレッドは死去しました。その1年ほど前、アルフレッドは「全財産により基金を設立し、人類のために最大の貢献をした人たちに、賞の形で分配されるものとする」という遺言を残しています。

皆さんも知っているとおり、アルフレッド・ノーベルは、ダイナマイトの発明で有名な人でもあります。1866年、今まで不安定だったニトログリセリンを、安定的に使用できるようにしたダイナマイトを発明したのです。アルフレッドは、その研究過程で弟を事故で失っています。発明されたダイナマイトは、岩石の破壊、トンネル工事などに使用され、今までの土木工事を変えるものとなりましたが、兵器としても開発・使用されるようになりました。日本が関係する戦争では、日露戦争での旅順攻撃が最初だと言われています。

さて、郡山市とアルフレッド・ノーベルの関係はどのようなものでしょうか。明治19年(1879年)から始まった安積疏水と深い関係があります。安積疏水の建設には、当時最新鋭の技術が使用されたと言われています。当時は、非常に高価だったダイナマイトの使用もその一つです。安積疏水の最大の難関は奥羽山脈に全長585mのトンネルをとおすための掘削工事でした。硬い岩石を砕くために使用されたのがダイナマイトでした。

今年度後半のテーマは、「平和との共存」です。

現在、貧困、飢餓、地球温暖化など戦争以外で、我々の「平和」を脅かす事態が数多く起きています。これらのことは、科学技術の発展と無関係のものではありません。広島・長崎への原爆投下は日米で違った意味で捉えられています。原子力発電所も、立場の違いで、捉え方も違ってきます。科学技術が真に平和に貢献できるものにしたいのであるならば、我々は、その科学技術を悪用されても、それを覆せる更なる科学技術と知識と知恵をつくり出していくことが必要なのかもしれません。

ノーベル賞授賞式、そして、時を同じくして、COP25が開催されています。令和元年最後のとき、「平和」について考えるときかもしれません。