あさか開成 校長雑感

つぼみ

高校入試の頃には、ほんのわずかな膨らみだったつぼみも、今はもう、しっかりと自分自身を主張するようになってきました。南校舎から見えるソメイヨシノの話です。

新型コロナウイルスで世の中が冷え込む中、ソメイヨシノだけは確実に春の訪れを感じさせてくれています。今年の桜の開花予想は早く、福島市では今月の29日頃ですので、ここ郡山も昨年よりも早い桜の開花が期待できます。

9年前にも震災、原発事故で我慢を強いられた令和2年度の入学生。今回は満開の桜の中での入学式にしてあげたいという強い思いでいっぱいです。

桜が開花するためには、一定期間、寒さにさらされる必要があります。前年の夏に形成され、いったん休眠に入った花芽が、冬季に一定期間低温にさらされることにより休眠から覚めます。このことを「休眠打破」と言います。その後の気温上昇とともに花芽は成長して開花となるわけです。

すべての児童生徒が、本来、1年の反省と次年度への抱負を語り、励ましながら迎えるはずの年度末を、今年度は休校という異常事態となってしまいました。一生に一度の卒業式を迎えることができなかった人も多かったではないでしょうか。県立医大、郡山女子大学などの卒業式も中止となったようです。卒業生のみなさんには、心よりお祝いを申し上げたいと思います。

この我慢を、絶対に「休眠」とは呼びたくありません。しかし、ピンチをピンチのままで終わりたくもありません。ピンチはチャンスです。皆さんの成長の芽は、もう君たちの中に芽生え、大きなつぼみとなっています。そのつぼみを成長させ、花を咲かせるために、今できる準備をしっかりとすることが大切です。

君たちは、未来への希望の芽ですから。

本日は、本来は終業式です。以上、校長のあいさつです。