あさか開成 校長雑感

「違い」を受容する力

一昨日1月22日(水)、郡山市立桃見台地域公民館中村隆志館長の校長室訪問がありました。今回の訪問は、今週の初め20日(月)に行われた桃見台地区の食生活改善推進員による『若者に対する食育講座』に対する御礼と今後の本校と公民館の「連携・協働」についてのお願いでした。

これからの時代、少子化や過疎化、地域コミュニティの希薄化や分断など、地域が抱える課題はより大きくなっていきます。今後、学校は、地域に支えられているだけでなく、地域の一員として地域に積極的に貢献するという考え方を持って行動することは大切なことだと思っています。

本校は、主にボランティア活動をとおして地域とのつながりをつくってきました。年間、延べ人数として600名を超える生徒が何らかのボランティア活動をしております。特に、重視しているのは、本校の所在地である桃見台地区とのつながりです。特にお世話になっているのが、桃見台地域公民館や桃見台保育所です。

本校がボランティア活動を重視するのは、社会の一員という意識を持ち、少しでも社会に貢献する気持ちを育成したいということともに、「違い」を受容する力をつけて欲しいという願いからです。国際交流では、「違い」を感じながらも、その違いを乗り越え、つながりをつくることが大切です。世代間交流も同じことです。高齢者、幼児との交流で感じた「違い」を、しっかりと自分の中に落とし込み、今の自分の、社会の何を変えたら、豊かなつながりを持った社会となるかを考えることが大切なのです。国際交流にしても、世代間交流にしても、単に頭で考えるだけでなく、体験し、違和感を感じ、そして考え、行動する、それが基本ではないでしょうか。

今回、中村館長は、今までの本校と桃見台公民館の活動を活かしながらも、今後は、アクティブラーニングの考え方を取り入れ、「開かれた課題に主体的・対話的に臨み、世代間交流を意図した協働的な取り組み」にパワーアップしていきたいと話してくれました。そのためにも、高校では、「①地域の課題への理解、②高校生の視点からの提言、③主体的なボランティア」について、どのように探究できるのか考えて欲しいということでした。なかなか高いハードルです。従来の「指示された」ボランティアから「提案し、協働できる」ボランティアに変化する必要があるからです。中村館長には、少し時間がかかるかもしれませんが、今までのかたちを活かしながら、少しずつ試行錯誤して、前へ進んでいきましょうとお話をしました。

 

(『若者に対する食育講座』の様子)

1月20日(月)、桃見台地区の食生活改善推進員4人の皆さんに教わりながら、本校の「食文化」選択の3年生が、「塩レモン焼きそば」をつくりました。この中には、今後、一人暮らしをする生徒もおります。食は、体・心の両面の健康をつくる大切なものです。今回学んだことを、新たな生活にしっかりと活かしていきましょう。

食生活改善推進員の皆さん、大変ありがとうございました。