多様な人・自然の共生について考える~「山の学校」第6回・秋
2022年11月23日 15時55分11月12日(土)今年度6回目の「山の学校」が行われ、生徒8名と教員2名が参加してまいりました。
前日の11日(金)には、オンラインで事前学習が行われ、森の中で行う調査の方法や計測の仕方について、国立環境研究所の林誠二先生より、レクチャーいただきました。
当日は、気持ちの良い秋晴れで、紅葉がきれいでした。今回の山の学校は、1年生4名と2年生4名で、半分以上が初めての参加で、少し緊張した面持ちでしたが、明るい笑顔で迎えて下さる「しんせい」のみなさまと美しい里山の景色に癒されているようでした。
到着してすぐ、前日レクチャーを受けた計測方法について再度教えていただきました。
それから、いつものように「開校式」です。
開校式が終わると、今日一緒に勉強する4つのグループに分かれて、山に出発します。今日は、森林の管理状況について調査します。調査する林が、予想していたよりも急斜面であることに驚きましたが、一緒のグループの大人の方々にサポートしていただきながら、調査を進めます。はじめてであったとは思えないほどのチームワークで、調査は難なく進み、時間が余ったので、山の散策をしました。
森林調査のあとは、ランチをいただきました、気持ちの良い青空の下で食べるごはんは格別でした。
ランチの後は、国立環境研究所の林先生の講義です。今回は、「森や里山の豊かさから考える私たちの暮らし」です。午前中に、調査した数値がどのような意味を持つのか、教えていただきました。「生物多様性がもたらす恵み」や「生物多様性を脅かす4つの危機(オーバーユース、アンダーユース、外来種、気候変動)」、これまでの歴史や私たちの暮らしと森林との関わり、そして現在の森林の状況について詳しく教えてくださいました。先生のお話を通して、森林や里山は多様な機能を有していること、森林を活用することが森林と里山保全のために重要であることを学びました。
講義の後に、グループに分かれて、学んだこと、考えたことを話し合いました。高校生にとって難しかった内容でしたが、みんなで話すことで、理解を深めることができたようでした。
一度手を加えた自然(森林)には、人の手(管理)が必要であり、いかに守り、いかに使っていくのか、自分事として考え行動することが大切であることを強く感じました。ゼロカーボン社会実現に向けても、「森林管理」が重要です。
次は、「働くこと」についてグループディスカッションです。高校生、社会人、NPO職員、研究者、教員、それぞれが考えることの意義について語り合います。社会人の発言から働くことの現実を知ったり、高校生の発言から新入社員の時のフレッシュな気持ちを思い出したり、、、違った立場、価値観を持つもの同士のディスカッションだからこそ、新たな刺激を受けることができます。経験や立場、価値観が変われば、「働くこと」の意義も変わってきます。いろいろな人の考えを聞きながら、「働くこと」が持つ様々な意義を感じます。そして、いろいろな生き方をしてきた先輩方のキャリアから、進路は一本道ではないことを感じ、迷い考えることの大切さに気が付きます。「働くこと」のディスカッションを通して、自分の生き方について考えることのできるすばらしい時間です。
最後は、今日の学びの振り返りです。一人一言、今日の感想を述べます。それぞれにとって、学びの多い一日になったようです。初めて出会った大人の方たちと対等に学び、ディスカッションした、一日のメニューを通して、自信がついたような顔つきに見える生徒たちです。発言も立派でした。
本日も、楽しく学び多い一日でした。関係させたすべての方々に御礼申し上げます。