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美しい水環境を未来へつなぐ~水環境保全活動①ヒシ刈り

8月19日(金)1年生4名、2年生6名、3年生4名、教員3名で、猪苗代湖の「ヒシ刈り」と「アクアマリンかわせみ水族館」に行って参りました。あさか開成高校は、6年前から「水プロジェクト」と題し、安積疏水や本校の水源地である猪苗代湖の水環境保全活動を行っています。活動を通して、私たちの生活を支えてくれる猪苗代湖を誇りに思い、郷土愛を育んでいます。さらに、その活動をローカル SDGsの実践につなげています。

さて、今年度第1回目は、猪苗代湖の「ヒシ刈り」のボランティア活動と「アクアマリンかわせみ水族館」の見学をしました。

野口英世記念館の裏手にある「猪苗代水環境センター」に集合した一行は、貸していただいた胴長をはいて、いざ猪苗代湖へ!

みなさんはヒシという植物をご存じでしょうか。ヒシは一年草の浮葉植物で、湖底から茎を伸ばして水面に葉を広げています。ヒシの実は皆さんもご存知の忍者が使う「まきびし」のヒシです。実がついて時間が経つと黒く堅い実が湖岸に打ちあがります。鋭いトゲは堅く、とっても痛いです。今の時期は、実がついているものは少なく、葉がぷかぷかと浮いている状態で、花をつけているものもちらほらとみられました。

近年、猪苗代ではヒシが大量に繁殖しており、ヒシを湖中で枯死させたままにしておくと、根や茎などが腐り、水質悪化の一因となると言われています。また、ヒシが急激に生息地を広げたことにより、昔から生育していたコウホネや希少種のアサザの生息地を奪っています。そのため、毎年猪苗代湖の浅瀬に生育するヒシを刈取る作業を行っています。

胴長を着て、いざ作業場へ向かってみると、ヒシがびっしりと湖一面に広がっていました!!腰まで水につかって、ヒシを絡め取るようにしながら、引き抜いていきます。慣れない手つきで作業を進めますが、思った以上に長いヒシの根っこにびっくり!この根も残ると腐り、水質汚染の一因になります。丁寧かつ、効率的に、ヒシを引き抜き、黄色の採集コンテナに詰め、舟で運び出します。ヒシを刈り取っては運び、刈り取っては運びの大変な作業です。陸でも、刈り取ったヒシを軽トラックに積み込み、畑と作業場所を行ったり来たりと大忙しです。刈り取ったヒシは畑の肥料として利用されます。今回の作業で回収したヒシは、7.7トン。今回行った場所はヒシが繁茂する一部にすぎません。まだまだ岸に沿ってびっしりと生育しています。

そして、2時間後にはヒシはきれいに取り除かれ、湖面が見えるようになりました。しかし、湖面に浮かんでいたのは、木の枝・瓶・プラスチックゴミ…。悲しい現実。

 その後、かわせみ水族館見学に行って、水辺の生き物の学習をしました。環境保全の大切さ、美しい郷土を守る使命感を新たにした生徒達でした。

【生徒の感想】一部

・ヒシを初めて見て、想像していたよりも根がとても長かったです。これを巻きとるのがとても難しかったですが、回数を重ねることに少しできるようになりました。根を残してしまうと、そこからまた繁殖してしまうかもしれないためしっかり根まで取ることが大変でした。
・ヒシは繁殖力、成長速度共に早いため、駆除してもまた茂るの繰り返しで、期間の間隔を空けずに一気に駆除する必要があるので、時間がかかる上に、ヒシは取りやすいが故に、すぐ量が溜まって、重くなるので体力をとても使うことがわかった。高齢者が多く若者が少ないので、湖を守るための今後の維持が課題となっていることも学んだ。
・猪苗代に住んでおられる方にどのくらいの頻度でやっているのか聞いてきたところ、毎週金曜日にやっているんだとおっしゃっていた。ずっと中腰でやるので私も腰がきついと感じていたが、高齢の方達は、私以上に犠牲を払ってやってくださっていることを感じて感謝の気持ちでいっぱいになった。地元の方ではない人も参加していて、猪苗代町民として嬉しくなりました。根っこが強くて、定期的に抜かないとひしの実は無くならないと思いました。
・ヒシの奥には漂流物が沢山あり、ほとんどが瓶やプラスチックのものだった。流れつく間に壊れたものの部品だったり、農業で使う土を入れる大きな袋、栄養ドリンクの瓶などを拾った。サンダルや納豆のタレのゴミなど日常生活で出るゴミもあった。しっかりも捨てないことで海や湖を汚していることを目の前で知って、悲しかった。
どんどんヒシを狩っていくうちにヒシだけでなく、流木や瓶、ペットボトルなど漂着物があり、漂着物に邪魔され後半はなかなかヒシ狩りが進まず、ゴミ回収になってしまいました。ヒシだけでなく漂着物も回収して水質を良くして、福島県の猪苗代湖を自慢したいと思いました。
・これまで猪苗代湖の湖水浴場など綺麗な部分しか見てこなかったため現状の把握がいまいち出来なかった。実際、作業を行なったが、奥に遊覧船や水上バイクが走っている様子を見たがその手前にはヒシが湖面を覆っていて、自分達が作業したところの奥のほうにも茂っていて、ヒシの繁殖力の凄まじさを体感した。一緒に作業していた人の話を聞いたが、奥のほうは水深が深く船が入れるが、手前は水深が浅く入れないため手作業で駆除していくしかないと言っていた。そのため過去3回行ったと言っていたが、手作業のため駆除期間の間隔を空けてしまい2週間でやや成長したとおっしゃっていた。ヒシも生物である以上、成長し続けるため駆除の難しさを感じた。加えて、作業仲間の人たちは高齢者の方が多く、和気藹々とした雰囲気が見られた場面もあったが、作業は肉体的で身を屈めるため足・腰にとても負荷がかかるため、ヒシ駆除の裏にももう一つの問題もあるのだと思った。高齢者が多い上に、ヒシを駆除しなければならない、人間と植物の共存は時々難しい一面もあるが、実現するためにボランティアに参加ことに加えて、何か案を考えたいと思った。

Think globally,Act locally.~SDGs東京スタディツアー

 

 8月3日(水)~8日(月)本校主催の「SDGs東京スタディプログラム」を開催しました。コロナ禍により、海外研修の代替事業として企画された、SDGsに関する世界の実情について、英語を使って、英語で学ぶ、体験型のスタディプログラムです。「フィリピンオンラインスタディツアー」「TOKYO GLOBALGATEWAY」「JICA地球ひろば」での学習を含めた計4日間のプログラムです。1年~3年の希望者が参加しました。

***8月3日(水)4日(木)のフィリピンオンラインツアーについては、「世界の現状を知るSDGsスタディツアー~フィリピンゴミ山から見る貧困と環境問題オンラインスタディ」の記事をご参照ください。***

8月5日(金)早朝、郡山駅に集合したのは、1年生1名、2年生2名、3年生14名の合計17名。新幹線で東京へ向けて出発します。午前中に訪れたのは、「TOKYO GLOBAL GATEWAY」。「生きた英語」を体験的に学ぶことができる施設です。

「オールイングリッシュ」の環境でのプログラムに緊張した面持ちの生徒達でしたが、3つのグループに分かれての「チームビルディング」で、だんだんと緊張がほぐれてきた生徒達。伝言ゲームやジュエスチャーゲームで自然と笑顔になってきます。

 セッション1は、アクティブイマージョン・エリア。英語で、「SDGs 地球の17の目標を考えよう」というプログラムです。SDGs の 17 の課題について様々なシーンの写真から推察し、問題解決に向けたディスカッションを行いました。ここでも常にエージェントが英語で話しかけてくれます。世界の課題が複合的で正解のない問いであることを再認識することができました。英語で伝えること、英語で学ぶこと、オールイングリッシュの大満足なプログラムでした。

 

セッション2は、ミッションカードを使って海外で遭遇しうる多様な場面に挑戦する「ホテルゾーンプログラム」。海外で実際に体験するようなさまざまな場面、状況が用意され、生徒たちはすべて英語でやりとりをします。本格的な施設にテンションが上がる生徒達です。ここでもエージェントがたくさん英語で話しかけてくれます。英語でのやりとりにも徐々に慣れてきた生徒達は、英語で伝えることの楽しさを感じている様子でした。

 すべてのセッションが終わると、ミーティングルームに戻って、振り返りのグループワークを行いました。ここでの振り返りのおかげで、学びをさらに深化させることができました。半日のプログラムでしたが、自分の英語力に自信をつけた生徒も多く、未来のグローバル人材となるべく、さらに英語力を磨いてくれることを期待します。

午後は、「JICA地球ひろば」を訪れました。世界が直面する様々な課題や、開発途上国と私たちとのつながりを体感できる施設です。JICA青年海外協力隊でケニアに派遣経験がある方からのお話を聞いた後、体験ゾーンを自由に見学しました。SDGsの目標到達度がわかる展示を体験して8年後のゴールに向けて、何をすべきか、それぞれ考えるきっかけとなったようです。

 

大満足の「SDGs東京スタディツアー」でした。

土日をはさんで、最終日は、学校で振り返りを行いました。プログラムでの学びを発信する活動につなげます。

「8年後の未来に向けて」をテーマに、今回の学びを新聞やポスターで表現することにしました。できあがったものは、9月24日25日にビックパレットで開催予定の「ふくしまSDGs博」で展示したいと思います。できあがりを楽しみにしています。

生徒感想(一部)

・TGGセッションでは、グループでのSDGsに対するディスカッションをすることができた。SDGsだけでなく、数の表現の仕方や発展途上国と発展国のことなど基礎についても学ぶことができた。SDGsについてこれまで、自分はこの問題に対して解決策や思ったことなどどう考えているか行ってきたが、今回は、SDGsと各国に着目し、世界全体が目指すべき目標の再確認を行うことができた。加えて、日本の現状についても考えた。グループでディスカッションをすることにより意見を出したり、それに対する意見の食い違いの発生が起こるのでそれを利用してグループ内で英語で話していくため、あらゆる表現のしかたを思いつくことができた。SDGsは意外と明白に分かれていて、発展国で目指すべき目標が少なく、発展途上国で目指すべき目標がやや多い傾向にあることを学んだ。正解がない問題もあったので他のグループと意見交換をするなかでグループでは出なかった意見が出てきて、このような解決策もあるのかと講師だけでなく他のグループから学ぶこともあった。

・JICA地球ひろばでは、実際JICA職員になりケニアに行った講師の先生がケニアで何を学び何を得たか具体的に話してくれました。 「Usijali Endelea,tu」 スワヒリ語で「心配しないで、前に進むだけさ」という言葉です。この言葉に講師の方は励まされたと言いました。とても印象深い言葉でした。 そして展示の方では、SDGsに関する沢山の展示がありました。ダッシュボードやアクションカードゲーム、5Pについての説明や衣食住のSDGsなど、とにかく沢山ありました。どれもわかりやすくて興味深く、遊びながらSDGsについて学んでいる感じでした。とても面白かったです。

・今回のツアーでは、英会話とSDGsを中心に学んだ。発展途上国と発展国では目標の達成度の高低は明白だが、依然として発展国のなかでも日本のなかでも達成されていない目標は数多くある。一つ一つのゴールは壁が高いものの地球ひろばで学んだ通り、自治体や企業など小さいまとまりでも解決した事例がある。自分個人としても環境によい生活スタイルをすることができる。自分はあるイベントなどに参加することが多く自発で目標に取り組んだことがない。ある商品でも、あるものとあるものを組み合わせたことで不便さが解決した上に利点が生まれて、一石二鳥なものができた事例がある。このように、地球ひろばでは考えることがあまりできなかったが製品や産業など目標の深いところに着目し、考えたことを提案していきたいと思った。

ふくしまの今を知り、発信する~京都光華高校との交流会

8月3日(水)「ふくしまホープツーリズム」で企画された京都光華高校との交流会に参加するため、生徒9名でいわき市に行ってまいりました。

はじめは、それぞれの学校の生徒による「学校紹介プレゼンテーション」です。あさか開成高校は、学校の取り組みとして、障がい者就労支援事業所NPO法人しんせいさまとの協働事業「山の学校」の取り組みや福島の風評払拭のための「食」に関する取り組み、そして、福島民報社「きぼうのとり」を使った震災学習の取り組みを中心に紹介しました。京都光華高校は、京都の学校らしい「日本の伝統文化」を大切にする授業や礼儀を重んじる学校の特徴について、具体的に紹介してくれました。はじめは、緊張していた生徒達でしたが、プレゼンテーションが終わると少しずつ緊張もほどけ、3つのグループに分かれてのディスカッションでは、学校についての質問や震災当時の様子をお互いに話し合い、時間が足りなくなるほどでした。震災のことをあまり覚えていないという生徒も、話しはじめると、思い出すことがたくさんあったようです。福島の外から見る「ふくしま」という視点は、生徒達の新たな見方と考え方につながったようでした。

グループワークの最後には、「きぼうのとり」が両校のこれからのご縁となってほしいと願い、京都光華高校のみなさんに、持って行った「きぼうのとり」にくちばしと「×京都光華」の文字入れを行っていただきました。書いてもらったエコバッグを学校へ持ち帰り、完成させたものを、次の再会の約束としました。エコバッグは、本校の生徒に仕上げてもらいます。

今回の交流会に参加させていただき、ありがとうございました。京都光華高校のみなさま、フィールドパートナーの山口様、ホープツーリズムの皆様、関係された方々に厚く御礼申し上げます。

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交流会のあと、「いわき震災伝承みらい館」で震災学習を行いました。

たくさんの人が犠牲になった薄磯地区の様子を知り、胸がつまる思いがした生徒も多かったようです。また、減災のために海岸の整備された防災緑地の様子や久しぶりの海開きで、海を楽しむ笑顔の人々の様子を見て、復興に向かって力強く歩みを進める被災地に勇気をもらっているようでした。

薄磯海岸は、とてもきれいな砂浜でした。この美しい海、ふくしまを守っていきたいという思いでいっぱいになった生徒達でした。

あさか開成高校からはじめる SDGsアクション!!

生徒の感想(一部)

・あさか開成からは震災の時雪が凄かった地域があったことや震災後の生活の自由が制限された話が出ました。京都の高校生の皆さんからは福島の食材が美味しかった話や震災後に安全が保証されたのになんでまだ中傷的なことを言うのかと疑問に思っていたなどの話を聞きました。それを聞いて、そう思ってくれてた人もいたんだなと嬉しい気持ちになりました。他の県の人に震災の時福島のことをどう思っていたのかを知る機会があまりなかったので、今回参加して良かったと思いました。
いわき伝承館ではどれぐらいの津波がきたのかを実際にみれて改めて災害の大きさを実感しました。また、震災後の人口の変化や施設も詳しく書かれていて勉強になりました。地層について知る機会が今までなかったので目に見てわかる形で展示してあったのがとても印象的でした。
今回の交流会で語り部で話したい内容が増えたので良かったです。 

・交流の中で、私が体験したことを思い出しながらお話することが出来ました。一時的に車の中に避難したこと、外で遊ぶことができなかったこと、避難してきた学生を猪苗代町で受け入れたことなど話していく中で思い出したこともたくさんありました。震災伝承館で見た津波の事や放射線のことを忘れていた部分があり、また思い出すことができました。交流の中で改めて、震災の事を風化させないためにも、語り継いでいくことが大切だと感じました。また、たくさん学ぶことができてよかったです。

・福島県産の食材を美味しいと言ってもらえて嬉しかったです。良い雰囲気で楽しく交流できました。私たちも11年たち少しずつ記憶が薄れてきていたので再度思い出したり、友達の話を聞き初めて知ることがあったりとても良い機会になりました。
 伝承館では津波や地震、復興についてたくさん学ぶことができました。卒業式の日の黒板が展示してあり、涙が出そうになりました。災害はいつどこで起こるのかわからないのでしっかり逃げられるように対策したいと思います。
東日本大震災を経験していない子供達にも繋いでいかないといけない大きな出来事なので伝えて行きたいです。

世界の現状を知るSDGsスタディツアー~フィリピンゴミ山から見る貧困と環境問題オンラインスタディ

8月3日(水)4日(木)3年生18名、2年生2名、1年生1名が参加して、フィリピンオンラインスタディツアーを実施しました。With The World 様のご協力をいただき、フィリピンイロイロ市のゴミ問題と貧困問題について、映像ツアーと現地の若者との英語による対話交流を通じて学び、世界の問題を自分事として考えるきっかけとするスタディプログラムです。8月3日(水)~8日(月)の東京SDGsツアーを含めた4日間のスタディプログラムの一部として行われました。8月3日(水)~8日(月)の東京SDGsツアーを含めた4日間のスタディプログラムの一部として行われました。

1日目は、事前学習です。まずは、フィリピンイロイロ市の紹介動画を見ながら、フィリピンの町の様子や人の様子、交通や観光名所など、気づいたことをメモしていきます。思っていたよりも発展していてきれいな町並みに、「行ってみたい!」という声も聞こえてきます。フィリピン社会問題ゴミ山の話を聞くつもりだったので、「きれいになったってことかな?」と少しいぶかしげな様子の生徒もいます。明日の交流に向けて、気になったことを英語で表現します。交流で使える英語のフレーズも覚えます。

2日目は、いよいよ「フィリピンオンラインスタディツアー」です。5,6名のグループに分かれて、タブレットをつなぎます。昨日の大雨で電車が運休になり、自宅からの参加者もいたため、少し手間取るところもありましたが、スタッフサポートのおかげで、スムーズに進めることができました。バイリンガルスタッフとのアイスブレーキングから始まり、いよいよフィリピンメンバーとの交流です。英語で自己紹介して、「食」をテーマにした文化交流をします。「まんじゅう」「桃」「じゃがりこ」など日本のおいしい食べ物を紹介します。フィリピンの食べもの「HaloHaloハロハロ」「サテ(串焼き)」も紹介してもらい、おいしいものの話で、会話も弾み、自然と笑顔が増えていきます。

 次はいよいよ「イロイロ市」のカラフナン地域にあるゴミ山について、映像とそこに住む高校生から学びます。フィリピンのゴミ処理の不衛生な実態とゴミを拾って生計を立てる(ウェストピッカー)の存在と生活の実態を知るにつれ、昨日見たきれいなイロイロ市の裏側にある影の部分に気づきはじめます。また、そのような状況を改善しようと活動するNGOLOOBの存在を知り、自分たちにもできることがあるのではないかとを考えはじめる生徒達でした。

 グループごとに分かれて行うディスカッションでは、映像に登場した高校生がいるグループもあり、話が盛り上がります。英語での表現が難しい場面では、バイリンガルスタッフがサポートしてくれるので、生徒達は聞きたいことをしっかり聞くことができました。「どうしてゴミ山に住んでいるのか?」「政府の対応は?」などの質問に、「生活のためにあえてゴミ山に住んでいる」「イロイロ市の富裕層はゴミ山の存在を知らない。高い壁を作って隠している」「ゴミ山に住む人には、頭痛や下痢などの健康被害がある」などの話を聞き、ゴミ山問題が抱える貧困・政治・衛生問題について考えさせられました。

 その後のスラム街を歩くバーチャルツアーでは、生活用水を井戸からポンプでくみ上げる様子や町中にある「サリサリストア」など、リアルな生活の様子を垣間見ることができました。グループごとのディスカッションでは、さまざまな質問や意見が飛び交います。自分が知らなかったことや考えたことを英語で伝える生徒達。英語の表現が難しい場面では、サポートスタッフが手伝ってくれます。最初は、遠慮しがちな生徒達も、終盤になると知りたいことをどんどん聞いていきます。カメラを自宅の外に移して、ライブ中継をしながら、飼っている家畜や自宅周辺の様子を紹介してくれる現地高校生もいて、生徒達はまるでゴミ山に行ったような感覚になりました。フェアトレード商品として紹介されたフルーツジュースのアルミパックを素材にした「アップサイクルバッグ」の説明では、「私たちも持っています!」とすぐにアピール。貧困問題解決のためのフェアトレード商品の購入が大切ということを改めて実感しました。

 最後に本日の学びをフィリピンメンバーを含めて全員と共有して、オンラインプログラムが終了です。フィリピンイロイロ市の光と影の部分を知り、多くの気づきと学びを得ることができました。そして、ゴミ山に住む若者たちの、怒りや悲しみよりも、毎日を明るく強く、そして前向きに生きている姿が印象的でした。このような力強い生き方から、私たち日本人が学ぶことも多い気がします。そして、今回学んだ生徒達が、世界の現状を解決するために、自分たちができることは何か考え、これから行動に移してくれることを期待します。

 すばらしい学びの場を作ってくださった、With The Worldの皆様をはじめ、NGOLOOBの皆様、関係の方々すべてに厚く御礼申し上げます。

 オンライン終了後は、校内でのグループでの学びを全体で共有するための振り返りディスカッションタイムです。グループをミックスして、グループを作り、それぞれの学びを発表します。それぞれのグループでどのような話がでたか、初めて知ったことは何か、何を学んだか。グループごとに共通することもあれば、自分のグループでは出なかった内容もあり、新たな学びを得ることができました。

明日は、東京SDGsスタディツアーです。今日の学びを生かしましょう。

 

☆生徒の感想(一部)

・今回のオンラインツアーは本当に参加してよかったと思います。SDGsや貧困、ゴミ問題について話すだけでなく、多言語で伝えることの大事さも知ることが出来ました。私たちは国際科学科としてほかの学校ができないような学びに取り組んでいますが、これほどに貴重な体験ができるのはほんとに極わずかです。これを自分の進路に繋げて、もっと他の人とは違った視点、国際的な視点で物事を見れるような人材へと1歩ずつ進んでいきたいです。

・今回のオンラインツアーでは事前学習と比べてイメージがガラリと変わった。フィリピンの中のイロイロ市に焦点を当てたが、最初はビジネスパークなどがあり発展していて良い街だと思ったが、その裏ではさまざまな問題がありイロイロ市が二極化していると思った。その現状を自分たちが知って、交流のなかで現地の方々に質問を投げかけたが何にでも答えていただいて現地の方々のおかげでいろいろな知識を入れることができた。家庭科の授業でもジュースパックで作られたバッグを見たことがあり、前々からフィリピンについて一部のことを知っていたが今回は本格的にフィリピンについて知ることができた。さまざまな問題がある上にイロイロ市の一部の市民の生活が営まれており、その裏ではその問題を知らない人もいる。日本ではあり得ないことだけど、イロイロ市ではあり得ることになっていて、問題の大きさも増し続けるばかりで、SDGsに直結する問題だが解決されないのは、政府や行政が現実に目を背き具体的な政策を具現化しないことが少し要因となっていて、イロイロ市は2018年から2022年のASEAN Clean Tourist City Standard Awardに選出されているがそれもゴミが一つの場所に過剰に集められていて他が綺麗になっているだけで市民の中でも目の前の景色が綺麗か汚いかで分かれる。この問題がスラム・いじめなどのあらゆる要因にもなっているので、その元凶となっているものを素早く解決すべきと思った上にゴミの減量の努力も必要と思った。自分は、オンラインツアーのなかでゴミ山の現状についてとても印象に残った。知らされないことを自分たちに知らせてくれて良い交流となった。
・目に見える情報に囚われず、現地の人々と交流することで、現状を知ることができ、とても貴重な体験をすることが出来た!また、ゴミ山というとても大きな課題を解決するために、若者が主体となって、声を上げている姿にとても感動した。しかし、ゴミ山の問題を解決できたとしても、ゴミ山の有価物を売って生計を立てている人々の今後の生計の立て方など、まだまだ課題が残っているのだとかなり悲しくなり、私達、日本人も1つの海で繋がっているため、他人事には出来ないと改めて感じた。

【延期のお知らせ】8月8日9日ウォーターエデュケーション

8月8日(月)9日(火)に予定していた「裏磐梯ウォーターエデュケーション日帰り体験ツアー」は、過日の大雨の影響により、延期となりました。

8月8日(月)→8月20日(土) 8月9日(火)→8月21日(日) に変更となります。

日時変更により、参加できなくなった生徒は、GoogleClassroomまたは、電話にて、国際部へ連絡をお願いいたします。

承諾書につきましては、プログラムの内容に変更がないため、改めての提出は不要です。

ご不明の点がございましたら、国際部まで連絡をお願いいたします。

世界の人との交流を楽しむ~カナダマニトバ学生とのオンライン交流

7月29日(金)本校で行われた、ヨークベニマル文化財団主催の「カナダマニトバ学生とのオンライン交流」に、希望者5グループ21名が参加しました。

グループごとに自分たちで、テーマを決めて、英語でプレゼンテーションを行ったあと、意見交流を行います。内容は、「日本の風物詩」「日本のアニメ・ゲーム」「日本の文化」「SDGs」「福島県について」など、グループごとに異なります。初めてのオンライン交流に緊張した様子の生徒達も、交流が進むにつれて、笑顔になります。もっと話したい!でも英語が出てこない!この経験が、これからの英語学習のモチベーションになっているようでした。

交流を企画してくださったヨークベニマル文化財団様、カナダマニトバの関係者様に深く御礼申し上げます。

 

 生徒の感想(一部)

・自分の英語力のなさを痛感しました。実際話しを聞いてると何を言っているか理解出来ない所もあり、もっと英語力を磨いてコミュニケーションを取れるようになりたいと思いました。発表は、とても緊張しましたが、練習の時よりも上手く話せたので良かったです。カナダについても沢山知ることが出来たので、もっと理解を深めていきたいと思いました!

・マニトバ州のことや、学校についてよく学べました。また、最初は単語の発音が分からず上手く喋れませんでしたが本番にスラスラ言えるようになってプレゼンが成功できたので良かったです!福島の風評被害の払拭ためにもなったのかなと思います。動画を本当は見せたかったのですが、なかなか再生されずに難しかったのでパワーポイントの使い方や、プレゼンのしかたなど沢山学んで将来プレゼン等で紹介する時に役立てたいです!マニトバ州の皆さんだけではなく他の外国の人と繋がってみたいと思いました!

・自分の地域の魅力を相手に伝えようとすることで、自分が知らなかった魅力的な部分を知ることができ、より福島が好きになりました。また、福島のことだけでなく、他の人たちが、日本の特徴や文化の魅力を伝えているのを見て、そのまとめ方や、表現の方法なども、勉強になりました。カナダのことも、その国の人から教えてもらえて、インターネットから知るよりも、より興味を持って知ることができました。ただ、英語が上手く聞き取れなかったり、話していることがよくわからなかったりしたので、もっと単語を日常的に調べたり、英語を聞いたりするようにしようと思います。

SDGsスタディツアー・海の豊かさを守ろう~アクアマリンバックヤードツアー&海辺の清掃活動

7月28日(木)いわき市のアクアマリンふくしま見学と海辺の清掃活動に行って参りました。春の国際理解講演会で、アクアマリンふくしまの岩田様の、海の生物を脅かす「海洋プラスチック」のお話を受けて、1年~3年の希望者39名が参加しました。

アクアマリンふくしまでは、まず「東日本大震災について」のご講義をいただきました。巨大津波が、アクアマリンふくしまの入り口まで押し寄せた海水やたくさんの生命を守るための行動、それでもなお失われてしまった多くの生命、そしてなによりも、海の生き物の命を守るために力を尽くしたスタッフの方々の熱意に胸を打たれました。

その後6名ほどのグループに分かれて、水族館のバックヤードを案内していただきました。海の生き物たちを守るために水質や水温を調整するたくさんの装置に驚きながら、先ほど聞いた震災被害を思い出します。この電源がすべて失われたとき・・・。目の前の美しい海の生き物たちの命が失われることを思うと切ない気持ちになります。また、生まれたばかりの命や豆粒ほどの海の生き物を慈しみ大切に育てる様子を目にし、スタッフの方々の愛情を感じました。また、春の講演の中で聞いた「ウミガメ」にも会うことができました。この生き物たちを苦しめるプラスチックゴミをなくさなければならないという思いを強くしました。

プラスチック海獣あらわる!!

午後は、場所を松下海岸に移して、海辺の清掃活動を行いました。美しい海岸を目にし、あまりゴミはなのではないかと思ったのもつかの間、ブロックの隙間からたくさんのプラスチックゴミが!!隙間にはさまってなかなかとれないゴミに苦戦しながらも、ゴミを誤って食べる海の生き物を思うと何が何でも取りたいという気持ちに!空き缶やペットボトル、釣りで使った網などたくさんのゴミを拾いながら、私たちの便利な生活で生まれるゴミの現実にがっかりしてしまいます。目の前に広がる美しい海を前に、どうにかして、この海のごみを減らす努力をしなければならないという思いを新たに、郡山に帰ります。

この事業は、福島県学術教育振興財団の助成によって実施された「SDGs学習ツアー」です。ここで学んだことを探究活動に生かしていきます。

あさか開成高校からはじめる SDGsアクション!!

 

生徒の感想(一部)

・アクアマリンが今の段階まで復興するために1年や2年かかると思っていたが4ヶ月くらいで復興していてその裏でアクアマリンの職員や飼育員のほかに関東の方の動物園や水族館の人の助けがあったり学生の助けがあることで助けられなかった命もあったけど少しでも命を守ることができたことにとても感動したし絆の大切さを感じました。

・実際の津波の映像だったり、職員の方たちがとった行動など沢山の事聞き学ぶことが出来ました。
映像でしか見たことがないので実際に見たらもっと怖いと思うのですが、映像でも鳥肌が立つくらいとても怖かったです。災害はいつ起こるか分からないので、起きた時に自分にできる行動を理解しみんなの命を守りたいです。

・津波の恐ろしさを知った。自分は内陸で育ったため、津波の恐ろしさを知らず、どこか他人事のように考えていた。ニュースなどで見ても、「海辺の方の人は自分たちの地域より被害が大きくて大変そうだなぁ。」と軽く流していた。しかし今回津波によって沢山の人が亡くなり、未だに行方不明者もおり、建物の崩壊なども酷かったことを知れた。今後絶対に起こって欲しくないが、もし11年前のような震災が起こり、復興作業が困難な時、自分は動けて体力のある若者の1人として復興作業のボランティアなどに進んで参加したいと思った。また、もっと震災のことを知り、自分に出来ることを探したいと思った。

・アクアマリンを運営する中で大切な水温を調節したりモニターを見ながら餌を与えたりという一つ一つの動きが運営する上で凄く大事なんだと気付かされました。

・魚の生息域や海の温度に合わせて水槽を管理していたのが印象的でした。魚は繊細でとても大変な作業だと思いました。またウェットスーツがオーダーメイドで体型管理もしなくてはいけないのは、初めて知った事だったので意外でした。

・砂浜の方だけでなく駐車場の方や階段の方に貝殻やタバコのゴミなどが落ちていて拾ってもなくならなくそんなに広い砂浜ではないけど沢山のゴミがあってとても驚きました。そして環境問題の深刻さを身にしみて感じました。

・タバコが多く、また、なんでこんなものが、と思うものも多かったです。海で、出したゴミだけでなく、たまに、道端に落ちているゴミなども、風に乗ってあそこに集まっていくんだろうと思いました。道端でゴミを見つけたらなるべく拾うようにしたいです。

・最初見た時海岸が少し小さい所だったのであんまりゴミがないんだろうなと思っていました。ですが、丁寧に見ていくと段差の隙間に沢山のゴミがありました。飲んだ缶のゴミやペットボトル、肉の入れるプラスチックトレー、網、タバコの吸殻、小さくなったプラスチックの破片など至る所にたくさんのゴミがありました。自分の目で環境問題の現在の状況を見ることができました。たくさんの人にこの活動に参加して欲しいと思います。やはり、自分の目で見て感じることが1番学べると思うので今の現状を知って欲しいです。今日学んだことを活かし、ゴミの処理についてもっと意識して生活していきたいです。

 

世界の人々とともに未来をつくるために~ブリティッシュヒルズ語学研修

7月26日(火)天栄村にある『ブリティッシュヒルズ』で、異文化体験・語学研修を行って参りました。1年~3年の希望者39名が参加しました。中世のイギリス建築や街並みに囲まれた環境に生徒達のテンションもあがります。今回は、お昼をはさんで、午前と午後の2レッスン。英語だけでなく英国文化を疑似体験することができました。

 

はじめは、緊張している様子の生徒たちでしたが、レッスンを通して、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿が見られました。元々、英語が好きな生徒たちだけでなく、苦手意識のあった生徒たちにとっても、すばらしい体験になりました。

新型コロナウイルスの影響で、海外研修が中止となったため、昨年に引き続き2年目の実施となりました。海外の経験ができない中で、福島県内で英国の文化・言語を体験できる貴重な機会と考えています。今回の研修も、感染症対策を万全に講じてただき、無事研修を終えられたことに深く感謝いたします。

生徒の感想(一部)

・本当に外国に行ったかのように思えた。全員が英語で会話をしていてとても緊張したが、とても有意義な時間を過ごせた。授業では90分長すぎると思っていたが短く感じるほど楽しい授業だった。英語で質問されて全て英語で答えるというのは難しいところもあったが単語を並べていくだけで伝えることができたのでこれからは文で伝えられるようにしたい。今回、とても貴重な体験ができて良かったと思う。これからもあさか開成の生徒として英語や外国に関わっていきたい。

・英語しか話さなかったし聞き取れない単語も多々あったが、イギリスに留学した感覚が味わえた。貴重な経験が出来たので良かった。

・1時間目はゲームみたいな感じで楽しくできました。2時間目はボランティアについて授業でした。グループに別れてskitをやりました。初めて話す人と同じグループになったけど、3年生がリードしてくれてとても助かりました。

・使う言葉が英語に変わるだけで非日常を味わえた気がしました。思っていたよりもブリティッシュのスタッフの方が話す英語を聞き取ることが出来たので、楽しかったです。講義では、先生とのコミュニケーションを取りながら問題解決をしたりヒントを聞いたりして英語をいつも以上に活用することが出来ました。

・日本語が全く無い環境で積極的な活動ができるかとても不安でしたが、先生はみんなフレンドリーで優しく2講座ともゲーム感覚で楽しむことが出来ました。また、グループ分けで1年生の子とも仲良くなれたのでとても良い経験でした。また、ブリティッシュヒルズに行ける時があれば、是非参加したいです。そして今回よりも積極的に先生に話しかけたり質問をしたりしたいと思いました。

つながるひろがるSDGs~国連 高田実様との交流会

7月26日(火)国際連合連経済社会局で活躍しておられる、郡山市出身ニューヨーク在住の高田実さまをお招きし、交流会が実現しました。本校生徒32名が出席し、高田様との貴重な時間を過ごすことができました。高田様より、国連で働くようになった経緯や国連でのお仕事など具体的にお話いただきました。また、本校のSDGsの取り組みについて、ご助言いただきました。生徒たちは、SDGsゴール7の作成に尽力した高田様のお話に目を輝かせていました。

お忙しい中、本校生徒のためにお話いただき、ありがとうございました。また、交流会実現にご尽力いただきましたみんなのふくしまネットワーク様はじめ関係された方々に心より感謝申し上げます。

 なお、本日の交流会の様子が、7月27日にFCTで放送されます。11時30分からの「NNNストレイトニュース」の中で、11時40分頃から取り上げられる予定です。ご都合のつく方はご覧ください。

【生徒の感想の一部】

・今回講演会を聴き、国連という加盟国をまとめ代表する機関で働いている方のお話を直接聴けて、本人から話していただけたので国連を身近に感じながら今の現状課題に関して、その話とリンクさせながら身につけることができた。今回の話は世界規模だけれども自分の規模でもあり、エネルギーは使わないことはできない、だが使うけど別の使い方があると意識を多少変えるだけでも一人一人の多少の意識の違いが重なってその効果は大きくなると思った。今回は、他の機会では聴くことのできないことを知れて、よい貴重な体験となった。

・「差別なくみんな一緒に仕事をする」という言葉がスゴく印象に残りました!今現在争いが起こり怪我をしたり、尊い命を落とす人がいます。また、人種差別が起こっていることも事実です。だから今私たちが出来ることをして、将来そのようなことが少しでもなくなり、色んな人が住みやすい、生きやすい環境が実現できるといいなって思います!

・国連の活動内容や、SDGs7のエネルギーをみんなにそしてクリーンにという内容を中心に、国連の方々が国際的にどのような活動をしているかやSDGs達成のための課題解決策などについて学べました。また、繋がることで広がるというキーワードの大切さについても学べました。

・国境を超えてお仕事をなさっている姿がカッコイイと思いました。様々な国の方と共に仕事をし、考えを深め合うことが出来るのはまさに国連でしか出来ない事だと感じます。学校で行っている取り組みが福島県全体に広がり、そして世界に繋がっていけばいいなと思いました。自分ももっとボランティア活動に参加し、地域の方と考えや価値観を共有し、ボランティア活動の輪を広げていきたいです。

 

ふくしまの今を知り未来について考える~震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業

7月22日(金)本校会議室にて、飯舘村の前村長菅野典雄様をお招きして、「3.11震災当事者の軌跡から学ぶ~いま私たちにできること」をテーマにご講演をいただきました。夏休みにもかかわらず、50名を超える申し込みがあり、原子力災害により全村避難を余儀なくされた当時の思いについて、メモをとりながら熱心に耳を傾けていました。およそ70分のご講演でしたが、写真や広告のキャッチコピーを活用したおもしろくてためになるお話で、時間の流れを忘れるほどでした。「第3の転換期」であったという震災・原発事故後の社会。先の読めない時代を生きるために「おカネの世界」から「いのちの世界」「こころの世界」を大切にしなければならないという菅野様のお話に、大きく頷きながら聞く生徒の姿が印象的でした。「までい(真手・全手)」(丁寧に・心をこめて)をスローガンに村の舵取りをし、震災当時住んでいた5700人の村民の生活を守るために、他の自治体や国とも協力して、「おたがいさま」と、相手を責めることなく、前向きに取り組んできた姿から、人としての生き方も学ばせていただきました。「原発事故から何を学ぶか?」「世界スケールで考えると、原発事故はSDGsにも通じる。」生徒一人一人が震災について、そして、世界のあるべき姿について考えを深めるきっかけとなりました。そして、柔軟な発想で取り組んで来られた飯舘村のさまざまな施策から、多方面から物事を捉えることの重要性も感じたようです。

 お礼の言葉では、代表の生徒が、「『べっぴん(別品・心優しい気配りができる)』な人になれるように、『本を読み』知識を増やし、柔軟な発想でものごとを捉え、未来に向かって何ができるか考え、行動していきたい。」と、未来への思いを述べていました。

 お忙しい中、お越しいただき、素敵なお話をしてくださった菅野典雄様に深く感謝申し上げます。

 今を知り、思いを伝える

 あさか開成高校からはじめる SDGsアクション! FORからWIITHへ

生徒の感想(一部)

・今日の講演会を聞いて自他の命を大切にしていこうと改めて思いました。私の住んでいる地域では、幸い被害が少なく、震災当時怖いなと思った記憶があまりないのですが、多くの方々がお亡くなりになってしまいその悲しみは計り知れないものだったのだとこの講演を聞いて思い知らされました。
また、様々な広告が印象的でした。フレーズや写真にしっかり意味があって社会問題や「優しい心を持つこと」の大切さだったり、、とても勉強になりました!

・私は今回の講演会を聞いて、心の優しさが本当に重要であることがわかりました。自分に不幸が起きた時に批判することは出来ますが、それは自分を正当化しているだけで何もできません。しかし、心の優しさがあれば、自分の意見をしっかり口にするだけでなく相手の立場を尊重できるので、1番物事を解決する上での近道だと思います。だから私はこの公演を通して心の優しさを磨いて、素敵な人材になりたいです。

・震災当時はまだ小学生にもなっていなかったので当時のことは少ししか覚えていないけど、今回、講演会を聞いて、飯舘村だけでなく、福島県の震災の対応について学ぶことが出来ました。飯舘村は村民全員が避難しなければならない所を、どうすれば村に人を残すことが出来るか考えて、少しでも村に村民を残していたのに驚きました。柔軟な考え方を持って、今の時代の流れを掴みながら生活していきたいです。

・東日本大震災を通して飯舘村であったこと、思ったことを直接聞けてとても貴重な時間を過ごしました。新聞の切り抜きの言葉も今まで気にして見た事もありませんでしたが、今回の講演会で私ももっと広い視野を持って周りの言葉とかフレーズを見てみようと思えました。私は飯舘村の3月11日をあたりまえをありがたいと思う日という所が今日で一番印象に残りました。大地震の後に起こった津波は予想外のもので、亡くなった方も大勢います。私たちが今、当たり前に過ごしている日々は一瞬にして変わってしまうこともあるのです。私も今ある当たり前はありがたいことなのだと思ってこれから当たり前の日々に感謝しながら生きていきたいと思います。

・今日の講演会では、胸を打たれるような、痛むような、あたたまるような、そんなお話ばかりでした。自分の行動を今一度見直したいと今までよりも強く思った。私は興味のある本しか読まないところがあるので自分が読まないジャンルの本を読もうと思った。本を読んで知識をたくわえた方がいい。国語力だけではなくて知識や表現力、想像力をつけたいと思った。

・「までい」の意味を今回初めて知り、これからの私たちの生活にも丁寧、思いやりというのは必要不可欠だと感じました。心に残っているのは「生きているということは借りを作ること、生きていくということは借りを返すこと」といい言葉です。私も今は家族や友人に色々な借りがある分大人になった時にしっかり返して行きたいと思いました。

・今回の講演は主に震災についてだと思っていたけど、新聞などの広告のキャッチコピーをたくさん紹介していただいて心があたたまったり、胸がチクチクするような時間でした。私が特に心に残ったキャッチコピーは''人は一生育つ''です。人間は生きている間学ぶことだらけだと思ったし、何歳になってもたくさん経験をして脳を柔軟にするというお話に心が動かされました。また、べっぴんな国をつくろうという話ではべっぴんと言ったら美人!と考えるけれど、顔とは関係なく気配りができたり相手の気持ちを理解するといった心の綺麗な人のことだということが分かりました。私もそんなべっぴんさんになれるよう、これから頑張っていきたいです。そして、菅野典雄さんが言っていた''迷った時は楽をするのではなく大変な方を選ぶ。経験は宝物になる!''という言葉に勇気をもらいました。私は新たに挑戦するということが怖くどちらかと言えばこれまで楽な選択をすることが多かったので、経験は宝物になる!という言葉を忘れずたくさんのことを経験して様々なことを学んでいきたいと思いました。