多様な人・自然の共生について考える~「山の学校」第5回秋
まずh
9月23日(土)生徒6名、教員2名が参加し、山の学校に参加しました。
★山の学校・秋のメニュー★
・「アイスブレイク」と「災害」をテーマにしたワークショップ(ポリ袋調理と郷土料理「まんがこ」づくり)
・「震災を語り継ぐ語り部活動~3.11次の世代へ 伝え・繋ぎ・紡いでゆく」3年相樂碧姫さんの発表
・ ランチ 「ごはん(ポリ袋調理)」「まんがこ汁」「山の農園の前菜セット(鶏の唐揚げ・塩こうじ豆腐・パプリカサラダなど」
・フィールドワーク「さとやまの生物生態」(国立環境研究所・境先生)
・講話「福島原発事故による放射能汚染の実態と推移について」(同・林先生)
開講式のあと、それぞれのグループに分かれて、アイスブレイクとワークショップを行いました。
本日はじめての先生役に挑戦する生徒もおり、どきどきした面持ちでしたが、アイスブレイクや参加された方々の協力もあり、笑顔があふれるワークショップとなりました。防災時の食事として、ポリ袋調理を紹介しました。何度か参加された方もおりましたが、今回のごはんが一番おいしいと絶賛でした。米は同じものを使っているので、手際や水加減、給水時間、加熱時間、そして参加者の和やかなムードが、ごはんをおいしくさせたのでしょうか?
また、郷土料理「まんがこ」もつくり、汁物としていただきました。とてもおいしくいただきました。
そして、今回は、これまでの語り部活動の集大成として、「3.11~次の世代へ 伝え・繋ぎ・紡いでゆく」というテーマで、これまでの語り部活動とその思いを、3年の相樂碧姫さんが発表しました。聞いてくださった方々から、活動についてお褒めと励ましのお言葉をいただきました。
楽しみにしていたランチタイム。
とてもおいしくいただきました。
午後は、フィールドワークと講義です。山の中の川に住む水生昆虫を調べました。
澱んでいる場所と急な流れ場所の、それぞれの水生昆虫を採集し、比べます。
住んでいる生き物で、どんな環境かがわかります。環境を図る指標生物のお話も伺いました。
みんなで採集した水生昆虫は、こちら。
左が、よどんでいる場所。右が流れが急な場所。
よどんでいる場所は、落ち葉や砂、泥がある場所で、大きな昆虫は、オニヤンマの幼虫(ヤゴ)。3年間幼虫として過ごすので、大きさの違いは年齢の違いです。他には、サナエトンボやふたすじモンカゲロウ、トビケラやサワガニ1匹もいました。
流れが急な場所は、比較的大きい石があり、砂がありません。ちいさなサワガニがたくさんいました。
ヘビトンボやミルンヤンマ、シマトビケラもいました。シマトビケラは、口から糸を出して石の隙間に蜘蛛の巣のようなものを作るので、水力発電のダムなどでは、害虫なのだそうです。ハリガネムシもいました。(写真のロープ?ひも?のような昆虫です。)ハリガネムシの生態は興味深く、カマドーマやバッタ、カマキリなどに寄生し、神経操作して、入水自殺させるそうです。
今回採集できなかったのですが、この川に生息する水生昆虫は、70~100種類ほどになるそうです。
それぞれの環境に応じて、住んでいる生物が異なることがわかり、いろいろな環境が組み合わさった「里山」には、多様な生き物が存在すること。環境の多様性が、生物の多様性に影響していることがわかりました。
なお、今回採集した昆虫の中の指標生物は、サワガニとヘビトンボでした。山の農園の川は、とても環境が良いことを示すそうです。
おいしいおやつを食べて、林先生の「福島原発事故による放射能汚染の実態と推移について」講話です。
実際に、山の農園で放射能の数値をはかったものを含めて、解説していただきました。
目に見えない放射能にどのように対応してきたのか、そして、これからどのようにすべきなのか、処理水の海洋放出問題についても考えさせられます。福島県民として、しっかりと学び、説明できるようにしたいですね。
今回も大変学びの多いプログラムでした。
関係されたすべての方々に御礼申し上げます。
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