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ふくしまの震災の記憶と教訓を次の世代へ語り継ぐ③〜長崎、福岡、広島研修 第3日目広島交流、崇徳高校、広島経済大学

12月22日(金)

  日本文化部・オイガ部20名と「3.11あさか開成語り部隊」3名が参加する、長崎福岡広島研修3日目です。
 本校では、福島県の語り部活動実践校として、2011年の福島の震災を学び、記憶と教訓を語り継ぐための活動を続けています。
 この活動の一環として、本日より3泊4日で長崎・福岡・広島を巡り、その土地の方々との交流の中で、福島の震災の記憶と教訓を語り継ぐことや福島の復興、福島の未来について、一人ひとり自分の考えを深めることを目的とした研修を行っています。

 本日は、広島市のおりづるタワーにあるエソール研修室で、ひろしま紙芝居村、南相馬ボラバス応援隊、紅葉会、アスチカ、崇徳高校の皆様と交流させていただきました。紅葉会以外の方々とは、昨年度にもお会いし交流させていただいています。久しぶりの再会に嬉しさも倍増でした。

 到着してすぐ、私たちを迎えてくれたのは、広島名物「ひろしまお好み焼き」。福島からくる私たちのために、準備してくださいました。数多くのお好み焼きを準備するのは、とても大変だったと思います。私たちを迎えてくれるその気持ちに、胸が熱くなります。

とてもおいしくいただきました。戦時中、野菜や卵、肉をバランスよく食べられるように作られたというお話も聞き、災害と食文化について学びました。

  参加者の自己紹介のあと、エソール研修室のテラスから、原爆ドームや平和記念公園が見渡すことができ、参加された方々から、建物の紹介をしていただきました。すばらしい眺めに心が晴れましたが、この美しい場所に原爆が落とされたことを思うと胸が締め付けられるようでした。

 まず、初めは、楽しみにしていたひろしま紙芝居村の紙芝居上演です。「見えない雲の上で」を上演していただきました。震災当時、浪江町で起きたこと、それを語り継ぐ思いに触れ、最後の「あなたのふるさとが美しい空を取り戻すまで、語り続けます。」の言葉に、涙をこぼす生徒たちが多くいました。大きくうなづく生徒もいました。

 続いて、紅葉会の語り部の笠岡様のから、原爆についてのお話を伺いました。張りのある声で、原爆当時のことをくわしく教えてくださいました。悲惨な状況だけでなく、平和のためにできることについても話してくださいました。「平和のために私たちにできることは何ですか?」に対し、「話し合うこと。ゆがんだままではだめよ。」の言葉に、対話することの重要性を学びました。

本校からは、「ヒデさんのパトロール」の紙芝居を披露しました。ひろしま紙芝居村の方の前で行うということで、いつも以上に緊張していた生徒でしたが、セリフに感情を込めて演じることができました。

このあと、広島平和公園散策と広島平和資料館もお付き合いいただき、たくさんお話させていただきました。

さらに、課外授業を終えた崇徳高校新聞部の生徒も駆けつけてくれて、案内してくれました。

地元の高校生から広島原爆について聞くことができました。このあと、崇徳高校へ移動し、交流は続きます。

これまでの新聞部の歩みや広島サミットの裏側について、新聞部顧問の花岡先生の軽妙な話に、みな引き込まれました。貴重な資料も見せていただきました。活動を楽しむことや行動することの重要性について学ぶことができました。花岡先生、短い時間にもかかわらず、貴重なお話と資料をご準備いただき、本当にありがとうございました。

急いで、ホテルに帰ると、広島経済大学の「災害を知り未来へつなごうプロジェクト」の先輩方が来てくださいました。9月に学校に来てくださったときに「広島でまた会いましょう」の約束を忘れず、守ってくれたことに感動する生徒たち。ここでも「ご縁」の大切さを実感しました。急いで夕食を食べて、平和通りのイルミネーションを案内してもらいながら交流させていただきました。福島を思ってくれる大学生がいることに胸を熱くしました。

広島でも、たくさんの方に出会うことができました。

今回、私たちのために、さまざまな準備をしてくださいまして、本当にありがとうございました。感謝の気持ちをもって、学びを深めていきたいと思います。

(本日の感想より)

・私は富岡町の紙芝居を今まで何回かやってきたので、広島の方々がする紙芝居がとても楽しみでした。実際に聞いてみると最初の一声から鳥肌がたち、ギターや歌によって臨場感が伝わってきたり、震災の記憶はほとんどないけど思いが込み上げてきました。登場人物は何人もいたけど、それぞれの立場になってどんな気持ちなのかを考えて紙芝居を読んでいるんだなと伝わってきました。特に津波の所の表現は雰囲気が一変して聞き入ってしまいました。会話の所は状況が伝わりやすく、実際にその場にいるような感覚でした。体が弱っていても必死で伝えたかった佐々木さんの思いを広島の方々が伝えていっているという事はすごいことだなと思いました。震災の記憶がなくても、佐々木さんのような伝えたい思いをを私たちが語り継いでいくことは大事な事なんだなと改めて思いました。これから紙芝居での語り部をする時は今日のような相手と感動を共有できるような紙芝居を披露したいです。(1年語り部)

・紙芝居を見させていただいたのは2回目でした。伝えたくても伝えることが出来ていない震災経験者の方はたくさんいらっしゃると思います。そんな中で紙芝居という方法は伝えたいことを分かりやすく伝えられる手段だと考えています。今回「見えない雲の下で」を見て、声のトーンや音楽で、見る方と一緒に当時の状況に入ることが出来るということを学びました。またセリフの言い回しによって、人の気持ちや関係性を表現出来るということも学びました。当たり前の日常が一瞬のうちになくなってしまった原発事故というものは決して二度と起こして良いものではなく、私たちの手で防ぐことが出来ると思います。語り部を通して震災のことや原発事故のことを伝えるのはもちろん、減災、防災などについても私たちの世代が伝えていくことに意義があるのだと思いました。またお会いして紙芝居についてもっとお話したいと思いました。(3年語り部)

・崇徳高校との交流会では、まずやってみる事の大切さを学べました。同じ高校生という立場でありながら大きなことに挑戦し、国内だけではなく国を超えて多くの著名人に取材を取り付けるのは簡単では無いと思います。ですが、どうせ無理だろうと最初からやらないのではなく、まずチャレンジするという姿勢に心を打たれました。これは新聞に限らず何事にも言えるので、私もこれからはまずチャレンジしてみたいと思います。(3年)

・広島経済大学の方々と二回目の交流で、とても楽しかったです。復興したひろしまの街並みをガイドしてもらいながら、一緒に歩きまわりました。この交流をここで終わるのではなく、進学した後も続けて、一緒に活動していきたいと考えました。

 

※日本文化部・オイガ部の活動は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けています。

※「3.11あさか開成語り部隊」の活動は、福島県「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」における交流活動として行っています。