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ふくしまの震災の記憶と教訓を次の世代へ語り継ぐ④〜長崎、福岡、広島研修 第4日目盈進高校との交流

12月23日(土)

 日本文化部・オイガ部20名と「3.11あさか開成語り部隊」3名が参加する長崎福岡広島研修いよいよ最終日です。
 本校では、福島県の語り部活動実践校として、2011年の福島の震災を学び、記憶と教訓を語り継ぐための活動を続けています。
 この活動の一環として、本日より3泊4日で長崎・福岡・広島を巡り、その土地の方々との交流の中で、福島の震災の記憶と教訓を語り継ぐことや福島の復興、福島の未来について、一人ひとり自分の考えを深めることを目的とした研修を行っています。

 最終日は、広島県福山市に移動し、盈進中学校高校ヒューマンライツ部との交流です。今年3月11日のオンライン交流をきっかけに、今年度オンライン交流させていただき、12月は対面で交流しましょうと約束していたので、生徒たちは楽しみにしていました。

 

それぞれの活動紹介から交流ははじまりました。感想や質問が活発に交わされました。

 

本校からは、紙芝居の披露と「きぼうのとり」ワークショップを行いました。

初めて会ったとは思えないほど、すぐに仲良くなり、楽しく交流していました。

続いて、ヒューマンライツ部がガイド活動をしている「ホロコースト資料館」に移動して、語り継ぐことについて学びます。

 

ヒューマンライツ部に案内してもらい、ホロコーストについて学びました。地域の資料館を地域の高校生が上手に案内する様子を見て、大いに刺激を受けた生徒たちでした。

(本日の感想)

・盈進高校との交流では、盈進高校が行っている活動に驚きました。学校紹介で、みなさんで手話を交えて歌を歌われていたり、演劇のような形で紹介をされていました。聞いている人に伝えるためのツールには、このようなものもあるのだと関心しました。また、盈進高校では、郊外のさまざまな活動などもされていて、ハンセン病の患者の方にお話を聞き、生きる意味とは何かを学んだり、広島・中高生による署名キャンペーンなどを行い、核廃絶を呼びかけたりしていることを知りました。それだけではなく、東日本大震災にも目を向け、福島のことについても考えてくださっていて、嬉しくなりました。今の自分たちには何ができるかを考え、自分の住む地域だけでなく、他の地域についても学び、世界全体で平和のために活動されていることがすごいと感じました。(3年)

・最初の演劇から心を奪われました。被爆者や被災者に寄り添いながらみんなに思いを伝える姿はとてもかっこよくて、参考にしたいと思いました。私たちにも伝えるということは出来ると思うので、盈進高校さんを参考にしながら思いが必ず届くような語り部活動をこれからやっていきたいです。(2年)

・ホロコースト記念館を盈進高校のみなさんにわかりやすく説明していただきました。日本で起こったことではなくても、600万人の方が犠牲になりその中の150万人の子どもが虐殺されたという事実を忘れてはいけないと感じました。小さな男の子がユダヤ人と知られただけで銃をむけられている写真が印象に残っています。年齢関係なく人種で差別され、人間の扱いもされていなかったことに驚きが隠せませんでした。みんな平等な人間なのに、その時代の人は働ける人か働けない人かを選別され、嘘をつかれてガス室に連れて行かれたり、ひどい環境で強制労働されられたりしていたと聞いてとても胸が痛くなりました。オットーフランクさんがおっしゃっていた「平和を作り出すために、何かをする人になって下ださい」という言葉は私達がこういった歴史を学ぶだけではなく、そこから行動に移さなければ平和な世の中にはならないという事だと感じました。平和を作るために何ができるのかをちゃんと考えなければいけないと思いました。(1年)

・盈進高校のみなさんが、学んだことを自分の言葉でガイドしてくださり、展示物からより深い学びを得ることができた。そういうふうにもう一歩深い学びをしてもらえるような伝え方をしていきたいと感じた。(2年)

 

※日本文化部・オイガ部の活動は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けています。

※「3.11あさか開成語り部隊」の活動は、福島県「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」における交流活動として行っています。

 

ふくしまの震災の記憶と教訓を次の世代へ語り継ぐ③〜長崎、福岡、広島研修 第3日目広島交流、崇徳高校、広島経済大学

12月22日(金)

  日本文化部・オイガ部20名と「3.11あさか開成語り部隊」3名が参加する、長崎福岡広島研修3日目です。
 本校では、福島県の語り部活動実践校として、2011年の福島の震災を学び、記憶と教訓を語り継ぐための活動を続けています。
 この活動の一環として、本日より3泊4日で長崎・福岡・広島を巡り、その土地の方々との交流の中で、福島の震災の記憶と教訓を語り継ぐことや福島の復興、福島の未来について、一人ひとり自分の考えを深めることを目的とした研修を行っています。

 本日は、広島市のおりづるタワーにあるエソール研修室で、ひろしま紙芝居村、南相馬ボラバス応援隊、紅葉会、アスチカ、崇徳高校の皆様と交流させていただきました。紅葉会以外の方々とは、昨年度にもお会いし交流させていただいています。久しぶりの再会に嬉しさも倍増でした。

 到着してすぐ、私たちを迎えてくれたのは、広島名物「ひろしまお好み焼き」。福島からくる私たちのために、準備してくださいました。数多くのお好み焼きを準備するのは、とても大変だったと思います。私たちを迎えてくれるその気持ちに、胸が熱くなります。

とてもおいしくいただきました。戦時中、野菜や卵、肉をバランスよく食べられるように作られたというお話も聞き、災害と食文化について学びました。

  参加者の自己紹介のあと、エソール研修室のテラスから、原爆ドームや平和記念公園が見渡すことができ、参加された方々から、建物の紹介をしていただきました。すばらしい眺めに心が晴れましたが、この美しい場所に原爆が落とされたことを思うと胸が締め付けられるようでした。

 まず、初めは、楽しみにしていたひろしま紙芝居村の紙芝居上演です。「見えない雲の上で」を上演していただきました。震災当時、浪江町で起きたこと、それを語り継ぐ思いに触れ、最後の「あなたのふるさとが美しい空を取り戻すまで、語り続けます。」の言葉に、涙をこぼす生徒たちが多くいました。大きくうなづく生徒もいました。

 続いて、紅葉会の語り部の笠岡様のから、原爆についてのお話を伺いました。張りのある声で、原爆当時のことをくわしく教えてくださいました。悲惨な状況だけでなく、平和のためにできることについても話してくださいました。「平和のために私たちにできることは何ですか?」に対し、「話し合うこと。ゆがんだままではだめよ。」の言葉に、対話することの重要性を学びました。

本校からは、「ヒデさんのパトロール」の紙芝居を披露しました。ひろしま紙芝居村の方の前で行うということで、いつも以上に緊張していた生徒でしたが、セリフに感情を込めて演じることができました。

このあと、広島平和公園散策と広島平和資料館もお付き合いいただき、たくさんお話させていただきました。

さらに、課外授業を終えた崇徳高校新聞部の生徒も駆けつけてくれて、案内してくれました。

地元の高校生から広島原爆について聞くことができました。このあと、崇徳高校へ移動し、交流は続きます。

これまでの新聞部の歩みや広島サミットの裏側について、新聞部顧問の花岡先生の軽妙な話に、みな引き込まれました。貴重な資料も見せていただきました。活動を楽しむことや行動することの重要性について学ぶことができました。花岡先生、短い時間にもかかわらず、貴重なお話と資料をご準備いただき、本当にありがとうございました。

急いで、ホテルに帰ると、広島経済大学の「災害を知り未来へつなごうプロジェクト」の先輩方が来てくださいました。9月に学校に来てくださったときに「広島でまた会いましょう」の約束を忘れず、守ってくれたことに感動する生徒たち。ここでも「ご縁」の大切さを実感しました。急いで夕食を食べて、平和通りのイルミネーションを案内してもらいながら交流させていただきました。福島を思ってくれる大学生がいることに胸を熱くしました。

広島でも、たくさんの方に出会うことができました。

今回、私たちのために、さまざまな準備をしてくださいまして、本当にありがとうございました。感謝の気持ちをもって、学びを深めていきたいと思います。

(本日の感想より)

・私は富岡町の紙芝居を今まで何回かやってきたので、広島の方々がする紙芝居がとても楽しみでした。実際に聞いてみると最初の一声から鳥肌がたち、ギターや歌によって臨場感が伝わってきたり、震災の記憶はほとんどないけど思いが込み上げてきました。登場人物は何人もいたけど、それぞれの立場になってどんな気持ちなのかを考えて紙芝居を読んでいるんだなと伝わってきました。特に津波の所の表現は雰囲気が一変して聞き入ってしまいました。会話の所は状況が伝わりやすく、実際にその場にいるような感覚でした。体が弱っていても必死で伝えたかった佐々木さんの思いを広島の方々が伝えていっているという事はすごいことだなと思いました。震災の記憶がなくても、佐々木さんのような伝えたい思いをを私たちが語り継いでいくことは大事な事なんだなと改めて思いました。これから紙芝居での語り部をする時は今日のような相手と感動を共有できるような紙芝居を披露したいです。(1年語り部)

・紙芝居を見させていただいたのは2回目でした。伝えたくても伝えることが出来ていない震災経験者の方はたくさんいらっしゃると思います。そんな中で紙芝居という方法は伝えたいことを分かりやすく伝えられる手段だと考えています。今回「見えない雲の下で」を見て、声のトーンや音楽で、見る方と一緒に当時の状況に入ることが出来るということを学びました。またセリフの言い回しによって、人の気持ちや関係性を表現出来るということも学びました。当たり前の日常が一瞬のうちになくなってしまった原発事故というものは決して二度と起こして良いものではなく、私たちの手で防ぐことが出来ると思います。語り部を通して震災のことや原発事故のことを伝えるのはもちろん、減災、防災などについても私たちの世代が伝えていくことに意義があるのだと思いました。またお会いして紙芝居についてもっとお話したいと思いました。(3年語り部)

・崇徳高校との交流会では、まずやってみる事の大切さを学べました。同じ高校生という立場でありながら大きなことに挑戦し、国内だけではなく国を超えて多くの著名人に取材を取り付けるのは簡単では無いと思います。ですが、どうせ無理だろうと最初からやらないのではなく、まずチャレンジするという姿勢に心を打たれました。これは新聞に限らず何事にも言えるので、私もこれからはまずチャレンジしてみたいと思います。(3年)

・広島経済大学の方々と二回目の交流で、とても楽しかったです。復興したひろしまの街並みをガイドしてもらいながら、一緒に歩きまわりました。この交流をここで終わるのではなく、進学した後も続けて、一緒に活動していきたいと考えました。

 

※日本文化部・オイガ部の活動は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けています。

※「3.11あさか開成語り部隊」の活動は、福島県「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」における交流活動として行っています。

 

ふくしまの震災の記憶と教訓を次の世代へ語り継ぐ②〜長崎、福岡、広島研修 第2日目長崎語り部・被災者支援ふくおか市民ネットワークとの交流

12月21日(木)研修2日目

  日本文化部・オイガ部20名と「3.11あさか開成語り部隊」3名が参加する、長崎福岡広島研修2日目です。
 本校では、福島県の語り部活動実践校として、2011年の福島の震災を学び、記憶と教訓を語り継ぐための活動を続けています。
 この活動の一環として、本日より3泊4日で長崎・福岡・広島を巡り、その土地の方々との交流の中で、福島の震災の記憶と教訓を語り継ぐことや福島の復興、福島の未来について、一人ひとり自分の考えを深めることを目的とした研修を行っています。

 2日目の午前中は、長崎原爆資料館、平和祈念公園を巡りながら、グループごとに語り部のの方と交流し、平和とは何か、語り継ぐことの意義について考えを深めました。

午後は、福岡へ移動し、被災者支援ふくおか市民ネットワークの方々と交流させていただきました。

東日本大震災により、避難をした人を受け入れる方、実際に子供を連れて避難した方、福岡へ移住を決めた方、東日本大震災を語り伝える活動をする方から、お話を伺いました。避難した方は、本校の卒業生だったこともわかり、卒業として生徒たちの活動に励ましの言葉をいただきました。遠く離れた福岡の地にも、福島を思い続け生活をする人がいることを知り、様々な立場から震災について考える必要があることを感じました。

福島をよく知る方たちとの交流に心が温かくなりました。

福島からの高校生を温かく迎え、福岡のお土産までご準備いただきありがとうございました。

今回、伺ったお話をそれぞれで受け止め、これからの学びに生かしていきたいと思います。

本日、お世話になったすべての方々に感謝申し上げます。

(本日の感想より)

・ガイドの野田さんのお話を聞いてまず思ったことは平和についてしっかり考えるということです。わたしたちは平和平和と言っているけどその平和って何?peaceって何?と野田さんがおっしゃった時私はあまり考えがまとまりませんでした。そして核兵器廃絶と言っているのに発電所はどうなのか?ということをおっしゃった時は、私も同じものなのにどうしてだろうと思いました。これらの通り野田さんからは知識もそうですがそれ以上のことを教えて頂いたなとおもいます。人間は事を忘れてしまうので二度とこのようなことが起きないように語り継ぎみんなの心にとどめることが大切なんだと思いました。(1年)

・ゆきこさんのガイドが語り口調でとても心に染みるものがあった。又、語り継ぐにあたって知識を持っているだけじゃなく当事者の気持ちやスポットライトが当たっていない部分の把握などもっと寄り添いながら知っていかないといけないなと感じた。(3年)

・語り継ぐとは、過去にあった悲惨な現実を教訓に、平和な日常があることが当たり前だと思わず、平和な未来のために、1日1日を大切に生きることだと思います。(3年)

・長崎原爆について、日本側からの視点だけでなく海外からの視点で考えてみる、など常に他方面からの思考・視点を大切にすることを教えていただきました。(3年)

・今回被災者支援ふくおか市民ネットワークさんと交流をし、避難するにしても、福島に残るにしてもそれぞれが別の境遇にあり、考えを持ち、いろんなことを経験しているということに気づきました。また福島からたくさんの方が福岡に避難し、関係があるということを初めて知ることが出来ました。当時より繋がることが簡単になってきた時代だからこそ、多くの人と関わりを持ち連絡を取り合うことも大切だと改めて思いました。私は齋藤さんの同じ被害をうまないために語り継ぐという言葉が印象に残っています。私たちが大人になり語る人がいなくなれば、原子力のリスクを知らないままになったり、震災のありのままを知らない世代が増えていったりしてしまいます。被害を最小限にするためにも今回の東日本大震災を教訓とし、伝え続ける必要があると思いました。これからも紙芝居やいろいろな手段の中で、震災を語り継いでいきたいと思います。(3年)

・私は避難当事者からのメッセージを語ってくださった、橋本さんの「自分の意思で動くことが大切」という言葉が心に残りました。橋本さんはもともと郡山の方で、震災後約1年後に福岡に避難されたそうです。震災が起こり、何も分からない状態でこれからの未来が想像できないような状況だったと思いますが、そこで避難をすることを決心し、福岡に避難されました。避難をして正解かどうかは、誰にも分かりません。ただ、そういった状況で未来について考え、自分の意思で最善をつくすことが大切なのだと学ぶことができました。(3年)

・避難した被災者の方々から当時の苦悩についてお聞きした時、私たちの親もそういった苦悩があったと考えると本当に感謝しないと行けないなと改めて感じる交流になりました。元あったコミュニティーが一瞬にして無くなってしまうことはとても恐ろしいことであるし、人生においても大きな出来事だと思います。私は、橋本さんの自分の意思で動いて欲しいというお言葉に感銘を受けて、やらないで後悔するよりやって後悔した方がいい経験になるのでこの教えを活かし、何事にも失敗を恐れずに挑戦し続ける人材になりたいです。(3年)

物事を多方面から考えることの大切さ、何をどう語り継ぐのか、考えを深めた生徒たちでした。

 

※日本文化部・オイガ部の活動は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けています。

※「3.11あさか開成語り部隊」の活動は、福島県「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」における交流活動として行っています。

 

ふくしまの震災の記憶と教訓を次の世代へ語り継ぐ①〜 長崎、福岡、広島研修 第1日目長崎活水高校との交流

12月20日(水)
 日本文化部・オイガ部20名と「3.11あさか開成語り部隊」3名が長崎福岡広島研修に出発しました。
 本校では、福島県の語り部活動実践校として、2011年の福島の震災を学び、記憶と教訓を語り継ぐための活動を続けています。
 この活動の一環として、本日より3泊4日で長崎・福岡・広島を巡り、その土地の方々との交流の中で、福島の震災の記憶と教訓を語り継ぐことや福島の復興、福島の未来について、一人ひとり自分の考えを深めることを目的とした研修を行います。
 朝早く、郡山駅を出発し、飛行機で長崎を目指します。

 本日は、長崎市にある、歴史と伝統ある活水高校平和学習部6名と交流させていただきました。

「ふりそでプロジェクト」や「高校生1万人署名活動」、マーシャル諸島の方との交流など、平和な社会をつくるための社会貢献活動を目的に国内外に向けた活動やさまざまな人との交流をしている活水高校の活動に、生徒たちは多くの刺激を受けていました。

 本校の「3.11あさか開成語り部隊」からは、震災クイズと震災プレゼンテーション、そして紙芝居「ヒデさんのパトロール」の上演を行いました。

 オイガ部からは、絵本「きぼうのとり」の読み聞かせワークショップを行い、感想の共有やメッセージカードの作成を通して、楽しく交流しました。

 交流の最後に、芝生広場の一番奥にある3本の溝が刻まれたモニュメントを案内していただきました。それぞれの溝には「NAGASAKI」「HIROSIMA」「FUKUSHIMA」と刻まれ、長崎の「グランドゼロ(爆心地)」を指しており、毎年、平和祈念集会の日には、ここに水が流されるそうです。福島と長崎のつながりを感じ、生徒同士の絆も強くなったような気がします。

 

平和な社会のために、国内や海外の活動を行っている活水高校の生徒たちとの交流は、本校生徒のこれからの活動に生かされていくはずです。ふくしまの未来のために、自分たちにできることは何か、考えを深めたようです。

ホテルの夕食の時、12月4日に「長崎原爆語り部講話」でお話してくださった野田さんが、なんと五島市から来てくれました。明日は、ガイドもしてくださるということで、今回の私たちの研修に際し、激励のメッセージをくださいました。「ご縁」の大切さを実感した生徒たちでした。ありがとうございました。

(生徒の感想より)

 ・原爆の風化を防ぐために高校生が実際に活動されており、身近な先輩のような感覚でした。きぼうのとりの共有では、「命は1つきりで最終的には自分の命は自分で守らないといけないということを改めて思った」という言葉をいただきました。自然災害は人間の力ではどうにもならないから、命だけは自分でなんとかするしかないという言葉が印象に残っています。自分の行動で自分の命を救い、相手もの命を救えるように行動していきたいと思いました。福島で震災が起きたことは分かっていたけど、詳しいことは理解していなかった、と仰っていて今回の福島震災クイズや紙芝居で伝えることが出来ていたら良いと思いました。そして復興を応援してくださったので、これからの私たちの行動を全国のみなさんを巻き込んでより良いものにしたいと改めて思いました。(3年)

・活水高校では原発を伝える活動を行っていて、修学旅行生への伝承の活動も行っていると言っていた。活動の内容の濃さに驚いたし、私たちが東日本大震災を伝えるのと同じようにほかの地域、学校でも活動を行っていることが嬉しかった。きぼうのとりの読み聞かせで互いに感想を伝える中で、伝えること、風化させないことの大切さを改めて実感した。(2年)

・福島に関するクイズを出した時に、福島の野菜は誰もが安心安全に食べられていて、震災後も福島県産の野菜を食べる人の人数が増加傾向にあるという質問で、増加傾向にあると思っている人が沢山いて、福島の現状はあまり伝わっていない部分もあるのだなと痛感した。(語り部2年)

・活水高校の方達と考えを共有して福島のイメージなどを聞きましたが、やはり震災や寒いなどのイメージがあるそうでやっぱり完全な復興までには遠いかなと感じました。いづれ福島のイメージが復興した所だと思われるようにしていきたい。又、それによって風化させるのではなくしっかり語り継いでいきたいと思う。(3年)

 ※日本文化部・オイガ部の活動は、福島県の「チャレンジ!子どもがふみだす体験活動応援事業」の助成を受けています。

※「3.11あさか開成語り部隊」の活動は、福島県「震災と復興を未来へつむぐ高校生語り部事業」における交流活動として行っています。

 

 

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その7 大阪明星高校との交流

12月23日(金)いよいよ4日目最終日、最後のプログラムは、大阪明星高校との交流です。大阪城の真田丸跡が学校の敷地内にある、私立の男子高校ということで、楽しみにしていました。お互いの学校の紹介のあと、「思い出そう 福島のこと」と題して、グループごとに、明星高校が福島を訪れたときの写真を見ながら、福島について話をしました。そのあと、「ふくしまクイズ」と「絵本きぼうのとり」の読み聞かせ交流です。また違った見方や考えを知り、学びが深まります。そして、「きぼうのとりメッセージカード」に福島への応援メッセージを書いてもらいました。

その後、福島県大阪事務所の藤田様から、福島の復興について、廃炉や農林水産物を取り巻く状況について、お話を伺いました。そして、最後に、福島と大阪の食の交流として、福島のおいしいブランド米「福笑い」と大阪湾でとれたイカナゴのくぎ煮を一緒にいただきました。おいしい交流にみんな笑顔。あらためて、「福島の食」「大阪の食」のおいしさを感じる交流となりました。

大阪明星高校の先生、そして交流してくださった生徒の皆様、福島県大阪事務所の皆様に御礼申し上げます。

 

 

【生徒の感想】

・1番心に残っているのは、「きぼうのとり」を読み終わったあとの感想で、明星高校の方が「自分はまだ大きな地震を経験したことがないので恐怖を感じた、対策をしておいた方が良いなと思った」とおっしゃっていたことです。私たちが伝えたいことがしっかり伝わっていると思いました。また、福島の風評被害についても検査をしっかりしている食材だけが世に出ていることを福島県大阪事務所のかたが伝えてくれていたので、少しでも福島のイメージが良い方向に変わっていたら良いと思いました。また、メッセージカードにも応援してくださるコメントを書いて下さったので復興に関わっていく世代として頑張りたいと思いました。(2年相樂)

・男子校とあって少し緊張しましたが、とてもフレンドリーでグループワークがしやすかったです。明星高校さんの福島の復興を知ろうとしている姿勢や真剣さに心を打たれました。絵本の感想を聞いたとき「心が繋がっているというところに共感を感じた。またじっくり読みたい」などの感想が聞けて嬉しかったです。(3年橋本)

・きぼうのとりの読み聞かせをしました。1人の生徒さんの感想は、「実際に福島に行って学んだことがまとめられていて理解が深まった。」もう1人の生徒さんは、「自助の役割が入っていると思う。ひらがなが多いから小さい子供もわかりやすいと思う。」などと言ってくれました。1人1人感じるものが違っていてこちらも新しい学びがありました。最後に、福島のお米「福笑い」&大阪湾で獲れる「いかなごのくぎ煮」をご馳走していただきました。おにぎりも作っていただきました。今回の交流で、福島と大阪の絆を感じました。(1年大塚)

・「思い出そう福島」のとき、福島のことをよく理解してくれており、夏の福島への研修もとても行きたい人が多かったという話を聞いて、こうやって福島をネットの情報だけではなく、しっかりと見た情報を理解してくれる人が増えればいいなと思った。また「きぼうのとり読み聞かせ」を通して大阪の人々は、「福島に早く復興して欲しい」とか「自分に何ができるのか」ということを考えてくれており、絵本を色々な人に広めることで東日本大震災についてもっと理解してもらえるのかなと考えた。最後に食べ物を使って交流することで、お互いの県の食物のいい所を知れて、その上、人々の絆を繋げることが出来ると感じた。(1年吉田)

・大阪事務所さんのお話の中で、「素晴らしい人の連鎖が続いて欲しい」と言う言葉が心に残りました。その言葉は、重みがあり、どんなかたちでもポジティブに受け入れられる言葉でとてもいいなと感じました。(2年鈴木)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その6 京都・池坊生け花で福島を発信

12月23日(金)最終日の午前は、池坊で生け花研修を行いました。この研修の目的は、生け花を通した交流と福島の復興・魅力を「花」で発信することです。私たちが選んだ花は、南相馬市小高区に移住し、花を栽培・販売する「hinataba(ヒナタバ)」さんの「ラナンキュラス」です。一輪だけでもときめくかわいらしさに、福島の魅力があふれています。「ふくしまの花を愛でる」素敵な逸品をお届けすることができました。華道家元池坊では、聖徳太子が創建した「六角堂」や「資料館」を見学させていただき、池坊や生花の歴史や起源について理解を深めることもできました。研修では、「生花(しょうか)」を体験させていただきました。いつもの「自由花」とは違った生け方に、とまどいや緊張の面持ちの生徒達でしたが、教えていただく中で華道の奥深さを感じました。さらに、福島の「ラナンキュラス」とともに福島の復興の思いを伝えさせていただき、飾っていただきました。

【生徒感想】

・普段部活で行っている自由花ではなく決まりに沿って花を生ける生花について、先生直々に生け方を教えていただき、とても貴重な経験ができました。生ける順番や場所にも細かな指定があり、自由花では経験できないものだったので、とても興味深く、もっと華道についての学びを深めたいと思いました。なかなか訪れることのできない池坊御家元に行き、丁寧な指導が受けられて本当に楽しかったですし、より一層普段のお花の稽古に力を入れていきたいと思いました。(1年阿部)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その5 京都光華高校との交流

3日目 12月22日(木)午後のプログラムは、京都光華高校との交流活動です。8月に一度、ホープツーリズムで来県した時に交流させていただいた御礼も込めて、学校を訪問させていただきました。

京都市の中心部にある美しい校舎に生徒達のテンションも上がります。さらに、明るい笑顔で迎えていただき、生徒達の表情も自然とほころびます。今回の参加者にははじめて交流する生徒も多かったため、両校の学校紹介からはじめ、グループワークでは「ito」というカードゲームで仲を深めます。ゲームで場があたたまったところで、グループに分かれて、学校案内をしていただきました。美しい校舎と充実した設備に目を丸くする生徒達。そのあと、全員戻ってきたところで、本校代表生徒による「ふくしまクイズ」をしました。ふくしまの魅力、そして、風評被害の問題まで出題しました。みな楽しく、真剣に取り組んでくれて、発表した生徒も嬉しかったようです。続いて、京都光華高校からは、伝統文化和歌「披講」の披露。始まったとたん、空気感が変わり、張りのある声と響きに感動しました。

最後は、「きぼうのとり」読み聞かせワークショップ。各グループごとに「きぼうのとり」の絵本を朗読し、みんなで意見を交流させました。そのあと、メッセージカードに「ふくしま」と「きぼうのとり」を自由にデコレーションしてもらい、「ふくしまへのメッセージ」を書いてもらいました。

「きぼうのとり」がふくしまと京都をつないでくれました。夏にお預かりした「きぼうのとりエコバッグ」を完成させて、お届けすることもできました。さらに、本校オリジナルの「ふくしまSDGsクッキー」「しんせい山のカレー」でふくしまの復興と魅力もお届けできたと思います。

 京都光華高校のみなさま、本当にありがとうございました。

【生徒の感想】

・放射線検査を知らない人がたくさんいて驚きました。福島の人たちは全員知ってると言ってもいいぐらいですが、福島から離れたところは知らない人がたくさんいるんだなと感じました。ですが、みんな福島の食べ物を偏見で買わなかったり食べなかったりしていないので嬉しかったです。学校案内やカードゲームで仲良くなれました。絵本の読み聞かせも真剣に聞いてくれて感想も「福島のことをもっと知れた気がした。」と言ってくれて、読んでよかったと思いました。(2年佐藤)

・京都光華高校との交流をして、高校の違いや、京都光華高校の良さを知ることで、改めてあさか開成の良さも再認識することが出来た。「和歌の披講」を生で聞くことができ、新鮮で感動的な体験となった。「絵本きぼうのとり」を使って東日本大震災について交流することで、お互い震災について、理解を深めることができた。その際、京都の高校の人は福島の食物を危険だと思っておらず、風評被害が起こっていなかったことを知った。(1年吉田)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その4 語り継ぐ「1.17希望の架け橋」との交流と阪神淡路大震災

2日目 12月21日(水)の最後のプログラムは、「1.17希望の架け橋」様との交流です。「1.17希望の架け橋」様は、阪神淡路大震災を知らない若い世代(10代から20代)が語り部活動などを行っているグループです。

 中通りに位置する本校に通学する生徒の多くは、東日本大震災の津波の被害を受けていません。また、震災から11年以上経過し、当時小学入学前だった生徒にとって、震災はどこか他人事で遠くの出来事に感じることも多いようです。そのような中で語り部活動を行う際、「直接体験していないし、記憶もないのに語ってよいものか」という葛藤を感じる生徒も少なからずおります。そこで、「1.17希望の架け橋」様が、「震災を知らない」「若い世代」が「語り部活動」を行っていることを知り、この交流が「震災を伝えるとはどういうことか」考えるきっかけとなってほしいと願い企画しました。

代表の藤原様はじめ4名の若いゲストに、生徒達は興味津々でしたが、活動内容や活動を始めるきっかけ、その思いを聞いていくうちに、尊敬のまなざしに変わっていきました。ゲストの中には、高校3年生もおり、自分たちと変わらない世代が、信念をもって語り伝える活動をしている姿に大きな刺激を受けたようでした。

交流の後、1月17日に神戸市で行われる「1.17のつどい」で設置される紙灯籠を書かせていただきました。「つなげよう」や「Help each other」など思いを込めたメッセージで絆を深めることができました。1.17は、福島から思いを送りたいと思います。交流させていただき、本当にありがとうございました。

さらに翌日は、阪神淡路大震災について、フィールドワークや見学をすることで、理解を深めました。「災害」はいつやってくるのかわからないものであり、過去の災害を教訓として「語り継ぐ」ことの必要性や「減災」「防災」の取組の必要性を強く感じました。

【生徒の感想】

・歳が近いかたが伝承をしようと活動されている姿が私たちにとって先輩のような存在でとてもすごいと思いました。「小学生や中学生は震災を経験していない同士だからこそ、話を聞いてくれる」という言葉が印象に残っています。「聞いた話を大事なところをピックアップし、インパクトを持たせながらお話をされている」と言っていて、私も意識しながら機会がある時は話したいと思いました。また、風評被害についても「神戸の人は支援したいという気持ちのほうが強いと思う。」とおっしゃっていて凄く嬉しいことだと思いました。(2年相樂)

・1.17希望の架け橋に中学生から参加している方もいるということを聞き私もそのような行動力が必要なのだと思った。また、さまざまな県のからも集まり団体に参加している方もいることが分かった。若者が自ら発信して次世代に伝える大切さを改めて知ることができた。(2年丹治)

・若いのに「風化させない」と強い気持ちで組織を作り活動していて行動力がすごいと思いました。これからは避難持ち出し袋に小銭を入れようと思いました。より震災について知ってもらうために「インパクト」を持たせることを工夫していることが分かりました。(2年室井)

・同年代の語り人と交流したのは初めてだったので、とても新鮮で面白かったです。みんな楽しそうに真剣に取り組んでいたので、本当に伝えたいという意思が伝わってきました。参考にすると共に、私たちも負けてられないな、と思いました。(2年渡邊)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その3倉敷市SDGsの取組

2日目、12月21日(水)の午後は、SDGsと地域活性化に貢献している岡山県倉敷市児島の老舗ジーンズメーカー「ベティスミス」様に訪問させていただきました。

岡山県倉敷市は2020年7月に「SDGs未来都市」に選定され、SDGs推進を行う「倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー」と共にその達成に向け取り組んでいます。パートナー登録団体は、298団体(2023年01月05日現在)です。「ベティスミス」様もそのパートナー団体の一つです。段ボールや紙の再利用をはじめ、裁断後の生地も破断して 活用することで、生産時のゴミを減らす「エコベティプロジェクト」や「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」により、年間約5万人が訪れる児島の観光スポットで地域に貢献するだけでなく、ジーンズづくり体験を通した地場産業の学びを提供する取組をされています。また、ハウスメーカーや紳士服、シート生地などアパレル業界の枠を超え、様々なコラボレーションを実現し、パートナーシップを実現し、SDGsや地域活性化を目指しています。

生徒達は、大島様の案内により、施設を見学させていただき、SDGsやまちづくりについて理解を深めました。

また、ジーンスの端布を使ったオリジナルのキーホルダー(ストラップ)づくりを体験させていただきました。施設内には、ジーンズの歴史や環境に配慮した製品作りを学ぶことができる建物やお買い物ができるショップに加えて、フォトスポットもたくさんあり、時間が足りないほどでした。

【生徒の感想】

・ベティスミスには工場だけでなく、ミュージアムやお店などいろいろあって楽しむことができました。ミュージアムではジーンズの歴史について知り、たくさんのジーンズを見ることができました。また、体験工場で手作りのキーホルダーを作ることが出来ました。オリジナルのものを作ることで大切にしたいなという気持ちがあり、服もオーダーしたものだと大切に思うようになるのではと考えました。また、余った生地を小物に再利用していて、とても環境に配慮されていて、そのような活用法もあるのだと学ぶことができました。とくに印象に残っている言葉は、まちづくりから考えるという言葉です。今までは服にしか着目していませんでしたが、余った生地を利用して他のお店と連携し、新しい商品を生み出したり、車の断熱材に使用したりすることで地域全体のSDGSを進めることができ、第1産業が潤うということを知ることができました。今の時代はファストファッションが主流となってしまっていて、大量生産、大量廃棄が普通になっています。ですが、オーダー品や、環境に配慮した服を買うことでこの地球全体の利益になっていくのだと考えました。(2年井本)

・ジーンズが元々は作業着だったことがびっくりしました。ベティスミスで働いてる人の平均年齢がすごく若かったのもびっくりしました。建物もとてもオシャレでした!物だけを追いかけないで人が暮らしやすい物を選ぶ必要があるということが分かり、この話が心に残っています。安いからといって買わないで、長く使えるものを買うようにしたいと思いました。ストラップもボタンを選ぶ時にハートの形だったり星だったりたくさんの種類があって可愛かったです!ベティスミスがSDGsの4.8.11.12.13番のゴールを目指していることは分かっていましたが、売店に行ってみたら10番の人や国の不平等をなくそうというものにも取り組んでいるのが分かり、とてもすごいと思いました。障がいを持っている人がひとつひとつバッチに絵を描いていて、その商品の売上が自立支援と生活品質の向上に繋がるというのは凄くいいことだと思います。私も可愛いものが買えて良かったです!ものを買う時にこのような誰かのためになる商品があったらそっちを優先して買うようにしたいなと思いました!(2年早川)

・ベティスミスさんの工場に直接行って、初めての体験が多くとても楽しく学ぶことが出来ました。また、ダストが断熱材になって廃棄物を1個も出さないというのが今の世代でとても大切なことをしているなと思いました。人が暮らしていきやすいために、地域全体で、みんなが潤うまちづくりから考えている、このようなことを地域だけでなく、もっと広く実践出来たら、二酸化炭素の問題が減るのではないかと考えます。すごく充実した時間でした。もう一度行って、ベティスミスさんのことをもっと深く知りたいと思いました。(2年鈴木)