あさか開成 校長雑感

2020年2月の記事一覧

コアラ募金

1月の終わり、2年生男子生徒2名が校長室を訪れ、オーストラリアの森林火災の被害を受けたコアラなどの野生動物の保護とその生息地の回復のために募金活動をやりたいので許可が欲しいとの申し出がありました。

理由を聞いてみると、昨年度、オーストラリア研修に行った際に、現地のホストファミリー、バディとなった生徒にとても親切にされ、その人たちの多くが苦しんでいることを知り、何か自分たちにできることはないかと考えていたということでした。

私からは、自分たちの思いが周りにきちんと伝わるよう、具体的な計画を立て、国際部の先生方にも協力を仰ぎ、そして仲間を募りながら、活動をして欲しいと助言をしました。

2人は、試行錯誤をしながら計画を練り、仲間を募り、国際部の先生方とも相談を繰り返していました。そして、昨日2月25日(火)、オーストラリア研修に行った生徒たちを仲間に加えて、募金活動が始まることができました。昼休み、放送でコアラへの自分たちの思いを伝えたり、プラカードを準備してのスタートでした。

募金活動とは、お金を集めることだけが目的ではありません。自分たちの思いをつなげることが大切なのです。

現在、この思いが多くの生徒たちの心を動かしているようです。

和夢レット

先週の金曜日2月19日、福島市のコラッセふくしまで、「ふくしまの未来を創るFukurum基金」事業の成果発表会が開催され、郡山市の平田屋さんに協力を仰ぎながら福島県の特産品を使った和菓子の開発を進めてきた本校の日本文化部の生徒が、1年間の成果を発表してきました。

今年度、日本文化部の生徒が開発した商品名は、『和夢レット(2020バージョン)』です。『和夢レット』は、生地に郡山産「あさか舞」の米粉と酪王牛乳を使用して、東京オリンピック・パラリンピックを意識して五色の餡によるオムレット風和菓子です。

特に、餡には思い入れがあったようです。今年度、本校では「NO プラスティック」ムーブメントを展開しており、日本文化部の生徒たちも猪苗代湖の清掃に行き、環境保全のメッセージも商品開発に入れたいと強く思ったようです。そして、その時に見た猪苗代湖の清らかな水をイメージしたものが、今回の青餡だそうです。その他、黒餡には本宮産の小豆、赤餡には県の果物を代表する桃、黄餡には郡山産の南瓜、緑餡には郡山産の枝豆と、地元の食材にこだわり、試行錯誤しながら、五輪を意識した餡づくりに挑んだようです。また、手提げ袋にもこだわり、新聞紙を使用した手提げ袋を作成したようです。

最後に、日本文化部のおもてなしの「和のこころ」を、「おいしい夢」で包んでみましたと、この商品の名前の由来も話してくれました。

1年間、ご苦労様でした。

(商品概要)

あさか開成・Fukurum資料.pdf

(成果発表会の様子)

学校評議員会

先日2月19日(水)、学校評議員会が開催されました。

まず、今年1年間の各部・各学年の反省、学校経営の成果と課題について、評議員の方々に聞いていただきました。評議員の方々は、事前に配布していた評価アンケート集計結果、生徒、保護者の自由記述にもしっかりと目をとおしていただいており、貴重なご意見をいただきました。主なご意見としては、次のようなものがありました。

  • 特色のある学校なので、より一層学校PRをして欲しい。
  • 部活動が強くなってきているのは良いが、働き方改革との整合性を取って欲しい。
  • 進路に関して、具体的なことを挙げて、低学年からの指導をして欲しい。
  • 生徒、保護者の声を、次年度の学校運営に活かせるようにして欲しい。

生徒、保護者の声であがった課題について、各部・各学年でも修正を検討し、今からでもできることはすぐに実施しております。その一つが、低学年からの進路指導です。現在、1学年と進路指導部が協力して、「第1学年進路相談週間」を、二者面談、三者面談のかたちで実施しているところです。専門家である教員ですら、現在の入試制度の複雑さにはまいっているところがあります。全体では、なかなか聞きにくいことも、個別に相談する機会があれば質問しやすくなります。先日、進路指導部で、進路の先生と生徒の二者面談の相談の様子を見かけました。大学、学部の様子、入試の形態だけでなく、本校の先輩がやっていた勉強法まで話が及んでいました。

すべての声を実現できるわけではないですが、できるものから実施していきたいと考えております。

保護者のみなさま、地域の皆さまには、より一層のご指導、ご協力をお願いします。

登校日

卒業式まで、あと十日あまりとなってきました。

3年生のみなさん、新天地での生活の準備、運転免許取得など、次のステージに向けての準備は進んでいるでしょうか。

明日は3年生の登校日となっています。登校は通常どおりです。表彰式、卒業式の準備もありますので、休まず登校をしてください。

さて、本日2月19日より、啓蟄までのあいだは、雨水と呼ばれる時期です。

昨日は、今季初の本格的な積雪と思われるくらいに雪が降りましたが、今年は本当に暖かく、車の屋根やボンネットにうっすらと積もった程度で終わってしまいました。

雨水の時期は、降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃と言われています。従来、この時期、この東北の地では「春」という季節をなかなか実感として感じることはできません。しかし、今年は、この雨水の時期をあらわす「土脉潤起(つちのしょううるおいおこる」「霞始靆(かすみはじめてたなびく)」「草木萌動(そうもくめばえいずる)」が、ここでも実感できるくらいの暖冬となっています。

あらゆる生物が躍動する春が、間近となってきました。3年生のみなさんは、新たな生活に向けて、心躍るような期待感と、まだ経験がないものに対する不安、恐れが入り交じった状態ではないでしょうか。でも、3年前を思い出してください。同じように、期待と不安で胸いっぱいだった入学式から、はや3年、その不安を乗り越えてきました。「案ずるより産むが易し」です。

You never know what you can do till you try.

 

(昨日の雪の様子、校長室より)

前期試験、倍率決定

昨日2月17日の正午に、出願先変更が締め切られ、前期試験の最終志願者数が決定しました。

本校は、募集定員200名に対して、232名の志願者がおり、全体での倍率は1.16倍となりました。入試制度が変更されたので、昨年と単純に比較することはできないが、昨年のⅡ期の最終志願者数は236名なので4名の減となります。

どの地区でも同様ですが、都市部普通科の高校の人気が高くなっている反面、加速度的な生徒減少の影響で、専門学科の高校を中心に、都市部高校でも定員割れが起き始めている状況です。進学傾向が強く、高校までは専門的な教育ではなく、一般的な教育を求める傾向が強くなっているかもしれません。

このような状況で、各高校では、より一層の特色化が求められることになるではないかと考えています。

「不易流行」という言葉があります。

この言葉は、俳聖、松尾芭蕉が『奥の細道』の道中で、宇宙を静観した経験を礎として、旅の中で見いだした蕉風俳諧の根本理念です。この理念は、「千歳不易」の不易と「一時流行」の流行が一句の中に統一されて存在することを理想としたことから誕生したものです。

「不易」は「伝統」という言葉で表すことができるかもしれません。そして、「流行」は「革新」、「イノベーション」という言葉が当てはまるかもしれません。

どのように「革新」を生み出していくか、知恵・アイデアで勝負するしかないと考えています。

研究授業

昨日2月17日、本校で、高教研音楽部会県南支部の研究大会が開催されました。

2校時目には、本校矢野教諭による研究授業、そして、3校時目には、研究協議が行われました。年度末の多忙の中、音楽部会県南支部長の須賀川高等学校の森下校長、県教育センターの音楽担当武山指導主事も来校し、研究授業と研究協議に加わっていただきました。

非常に工夫された授業であったと感服しました。題材は、日本歌曲の「この道」です。私も知っている曲で一安心をしたが、授業の内容が非常に深いものでした。本時のねらいは、「歌詞が表す情景や心情と音楽の関わりを理解して表現を工夫する」というもので、スモールステップであらわすと、①歌詞を解釈する、②解釈と音楽の関係を考える、③それを表現する、ということになると考えます。①では、歌詞に出てくるモノの色、その色があらわすイメージ、そして、視線の動き、そして、歌詞で描かれている心情などを、個人、グループで考察をしていきました。②では、情景や心情と強弱などの曲想との関わり、一番から四番の「ああ、そうだよ」を、心情を考えながら、間や速度を工夫し、どのように表現するかを、グループ毎に考え、③の、まとまったグループから、実際の表現に移ろうとした瞬間に終了となってしまいました。生徒たちが考えた「この道」が聴けなかったは残念でしたが、非常に面白い授業でした。

研究協議では、先生方のいろいろな取り組み、アイデアが出されました。例を挙げると、「この道」の色は「白」だが、「もし、黄色だったら、どんな歌い方になるだろう」と問い掛けてみるのもどうかというものでした。

今回の授業は、アクティブラーニングに基づく授業づくりでした。音楽は専門外でありますが、非常に参考になり、楽しい授業でした。

最後に、1年3組のみなさん、ありがとうございました。

前期選抜

前期選抜の出願が昨日の正午に締め切られ、各高校の出願先変更前の出願者数が決まりました。本日より17日(月)まで、1回に限り出願先の変更が認められており、最終的な前期選抜の出願者数の確定は17日となります。

本校への出願者数は、現在のところ230名です。新たな入試ですので、昨年と比較することができないのですが、学力試験を課されるということで、昨年Ⅱ期との比較をすると、出願者数で9名の減となりました。

各中学校での説明会でもお話ししましたが、新たな入試制度のもと、受験生である現在の中学3年生は見通しが効かない中で、努力を強いられており、多くの不安があることだろうと思っています。まだ最終的な確定ではないですが、ここで、一つでも数字がでたということは、その不安を少しでも和らげる効果があるではないかと思っています。

1ヶ月を切りましたが、「まだ1ヶ月前」と考えるか、「もう1ヶ月前」と考えるかでは、大きな違いが生じます。時間は、人間に平等に与えられていますが、意識の有り様で、その長さが変わってきます。今こそ、じっくりと取り組むべき時ではないでしょうか。

頑張れ、受験生。

自分探し

学年末考査も終わり、一息ついている頃ではないでしょうか。

生徒のみなさんの中には、これからは部活動に命をかけるぞ、取り損ねた資格取得の準備をするぞ、海外研修の準備をするぞ、お腹いっぱいケーキを食べるぞなど、さまざまな思い、決意が頭の中を駆け巡っていると思います。

今年の3月から新しい高校入試が導入され、入試のための生徒休業日、そして、春休みと、生徒のみなさんの休みが増えました。それは、自分のために使える時間が増えたことになります。

そこで、私からの宿題です。「自分とは何者?」という問いに対する答えを考えてみましょう。自分一人で考えても良いです。多くの人が集まって考えても良いです。

本日、NPO法人子育て支援コミュニティプチママンの副理事長の鈴木陽子さんが学校を訪れました。2月24日(月)に郡山中央公民館で「働くってなに?仕事ってなに?」という題でワークショップを開催するそうです。高校生の参加を待っているようです。詳しくは、ボランティアの係の先生にお聴きください。

いろいろな人と話をして、意見を聞くことは大切なことです。自分と違う考えを簡単に否定せず、必ず「なぜ」という問いを付けましょう。そのようなコミュニケーションの中から、見えなかった自分が見え始めるかもしれません。

頑張れ、自分探し。

 

 

 

ラジオ

「ココラジ」での、学校PRの放送が、先週に引き続き、2回目となりました。

先週もそうですが、まず、アナウンサーの方が大変上手な方だなと感心しました。よく生徒たちの良いところを引き出しているなと思っています。私たちも見習うところが多いと感じました。また、生徒たちも、しっかりと受け答えをしており、今時の子どもは凄いと感じました。本当に、アナウンサーのアドリブ的な質問に対しても的確な返答をしています。うまく学校の紹介をしているというのが、私の大きな感想です。

今週は、本校の大きな特徴である単位制の科目選択、特に第二外国語の選択について、生徒たちの進路を交えながら、うまく説明していただきました。また、単位制の特有の教室移動についても、生徒会長の遠藤くんから、朝のHRを終えると教室移動が始まり、講座毎の授業となること、同じクラスでも、授業でまったく出合わないクラスメートがいることなどが話されました。良かったです。

放送は、周波数は79.1MHzの「ココラジ」ですが、スマホをお持ちの方は無料アプリで聞けます。放送予定ですが、学校評議員の増子様の持っている番組『雅の小部屋』(月曜日の10時)です。あと、2月17日と24日の2回残っています。あと2回が、本当に楽しみになってきました。

増子さん、大変ありがとうございます。

 

東北大会

本校女子バレー部が、令和元年度第9回東北高等学校新人バレーボール選手権大会に出場してきました。結果は、予選リーグで青森県第一代表の青森西高等学校、岩手第一代表の一関第一高等学校に負け、予選リーグでの敗退となりました。

やはり、東北大会、どのチームも「うまいな」と感じました。実力差が大きく、戦うことができない相手だとは思いませんでしたが、本校の強みをうまく押さえ込まれたなという感じです。

生徒たちは、多くの課題を持ち帰ってきたのではないかと思います。しかし、マイナスばかり考えていても前に進めません。自分たちの強みは何だったのか、成果はどのような点か、そして、課題は何か、と考えて欲しいと思います。

どの部もそうですが、この時期はノーレコードの時期となります。大会が連続し、大きな修正ができにくい時期とは違い、この時期は、基礎から作り始めることができます。ただ、自分たちの現在の位置が分かりづらく、単調な練習をすることが辛い時期でもあります。このような時期に、自分を信じて、前に進めるチームが強くなると信じています。

このことは、勉強に関しても同じことが言えます。本日で、学年末考査が終了します。できた、できなかったという現象面でなく、必ず、「なぜ」という問いを自分自身にしてください。3月は、入試期間中、生徒休業日が続きます。その「なぜ」を解決するために、一歩踏み出せる時間があります。強みを伸ばし、弱みを正し、1年間の総括と次年度への準備を始めてください。

最後になりますが、いつも大声援をおくってくださる保護者のみなさま、遠くの会場まで来てくれた生徒のみなさん、大変ありがとうございました。今後とも、本校女子バレーボール部をよろしくお願いします。