あさか開成 校長雑感

2019年7月の記事一覧

炎激舞、快演

昨日7月28日(日)、白河のアウシュヴィッツ平和博物館の第17回平和の夏まつりで本校演劇部(炎激舞)が『SHIROCK』を上演しました。

私は、13時30分の部で鑑賞させていただきました。50席程あった座席はすべて埋まり、会場外で立ち見が出る程の盛況ぶりでした。

アウシュヴィッツ平和博物館は、ボーランドの国立博物館の協力を得てアウシュヴィッツ関係の資料を展示しているところです。本校の演劇部は、1年前に当博物館を訪れ、スタッフと交流を深め、この『SHIROCK』をつくりあげていったそうです。私自身、3回目の鑑賞でしたが、今回も大きな感動をいただきます。最後は涙、涙、涙でした。

NHKも取材にきており、その様子は、本日の「おはよう日本」の7時45分からの福島枠で放送されました。

毎回、「差別とは何か」「正義とは何か」について、考えさせられます。持論ですが、「差別はしてはいけないこと」ではなく、「差別はしてしまうもの」だと考えています。私たちは、普段の暮らしを進めるうえで、回避し得ない、むしろ必然的に遭遇してしまうものが、差別だと思っています。その上で、自分の中にある他者と向き合おうとしない「自分」を、どのように捉えていくかが問題だと思っています。単に自己否定をしても問題の解決にはつながりません。自分自身の生活の中の何かを少し変え、そこから、「自分」自身を少し変えることを繰り返すことにより、問題と向き合う力が付くと考えます。

演劇部は、8月17日(土)、郡山市中央公民館でおこなわれる県主催の「人権のつどい2019」においても、13時30分より『SHIROCK』を上演します。だた、こちらは事前申し込みが必要ですので、県のHP男女共生課の「人権のつどい2019」をご覧ください。

演劇部(炎激舞)のみなさん、ありがとうございました。

くまのパディントン

都市の中にありながらも、まったく他を寄せ付けない強い意志を持ち、静寂をまとう独特の空間である美術館、博物館や図書館などの建物を含めた敷地の雰囲気が、私はとても大好きです。

昨日、郡山市美術館で行われた郡山市美術館協議会に参加してきました。平成30年度の事業報告では、昨年度の企画展であったターナー展、今泉亀撤のコレクション展、ブリューゲル展が大盛況で、大規模改修で稼働できない期間が3ヶ月ほどあり、実質的な美術館稼働期間9ヶ月と短かった中、全体の展覧会観覧者数が10万人を超えたという報告がありました。美術館に来館する絶対的な人数が増えることがとても良いことだと思っています。

少し話はずれますが、以前、勤務していた学校の近くの本屋が突然なくなったことがありました。特別な専門書があったわけではないですが、街の本屋として非常に親しまれており、高校生向けの新書などを数多く取り扱ってもらっていました。その本屋がなくなったのです。雑誌ならば、コンビニで買えるでしょう。しかし、新書はコンビニでは買えません。この本屋がなくなっただけで、高校生にとっては、新書を手にする機会が一気に少なくなったのです。文化というものは、このような感じで徐々に衰退していくのではないかと考えさせられました。

現在、郡山市美術館では「くまのパディントン展」が開催されています。恥ずかしながら、私は、パディントンを映画の中の「変なぬいぐるみ」としか認識していませんでした。この展覧会を見なければ、その印象はずっと変わらなかったでしょう。この展覧会で、パディントンが、世界中で有名な児童文学であったこと、その名前はパディントン駅から命名されたこと、そして誕生にはマイケル・ボンド氏の悲しい過去があったことを知ることができました。

文化は、市民が享受し、市民が育てるものだと思っています。まずは、興味関心を持つことが、その地域の文化を維持発展させるきっかけになると思っています。今度は、生徒と美術論議をしたいと思います。

一日体験入学、無事終了

中学生一日体験入学が終了しました。500名を越える中学生の皆さま、200名近くの中学生の保護者の皆さま、暑い中、本校の一日体験入学に参加していただき、大変ありがとうございました。

全体会では、生徒、そして昨年の留学生で、昨日より本校に遊びに来ているフランス人のトムくんが、本校の国際関係の行事について丁寧に紹介をしてくれました。我々教員が話すよりも、何倍も説得力があったのではないかと感じております。また、中学生の皆さんは、生徒が話せる言語の多さにびっくりしたのではないでしょうか。すべての生徒が多言語を話せるわけではないですが、海外研修の多さや留学生の存在が、多言語を話せる環境を作り出しているのは確かであります。想像してください。外国人の留学生が普通に隣で授業を受けている風景を。あなたは、その留学生のために何をしようとしますか。他者に対するやさしさが溢れる学校、そんな高校が、あさか開成高校です。

最後になりましたが、改めて、本校一日体験入学の参加に対して感謝申し上げます。

AUS研修、元気に帰国

本日、11時40分、予定時間より20分速く、オーストラリア研修生23名が元気に学校に戻ってきました。

今回の研修した23名の生徒は、ホストカレッジにおいても、ホストファミリーとの間においても、積極的にコミュニケーションをし、行動したと聞いております。出発前に掲げていた目標である、勇気を持ってコミュニケーションを図るということは、ほぼ達成できたのではないかと考えています。

来週より振り返り研修が始まります。しっかりと今回の研修を振り返り、その経験を自分のものとし、そして今後は周りの人に発信できるようになるまで、内容を深めてください。

まず、ごくろうさまでした。しっかりと体をやすめてください。

昨年度の外国人留学生、次々と再来日

本日、昨年10月29日から11月2日までの1週間、本校で学んだフランス人のトレグレッサ・トムくんが、本校を訪れました。

トムくんは、昨年度、愛知県の高校で1年間の学んでいた留学生です。同じく愛知県の高校で学んでいたチョティヤコラクル・プリパットくん、通称プーさんとともに、「異地区間交流」という制度で、1週間、本校で学ぶ機会を持ちました。1週間という短い期間ではありましたが、2人は積極的に本校生徒と交流を行い、本校にとても馴染み、帰るときには「あさか開成高校に転校したい」とも言ってくれました。生徒との最後の別れは、涙、涙でした。

現在、トムくんは高校2年生です。アルバイトをして、長期休業などの夏休みに友人と海外旅行を楽しむことは、ヨーロッパの高校生では普通のことですが、日本に来る費用はとても高額です。今回の費用の捻出ために、トムくんは、フランスで、日本語を教える先生のアルバイトをしたそうです。今回の日本訪問は、昨年度、お世話になった愛知県の学校、そして、本校を訪問するために、一人で来たそうです。日本が大好きなトムくんは、高校卒業後は、日本の大学に来たいそうです。がんばれ、トムくん。

先週は、私は会うことができなかったのですが、昨年度1ヶ月の短期の留学生コルドバール・ジャンくんも、本校を訪れてくれました。

留学生のみなさんに、感謝です。

そして、留学生に良い想い出を作ってくれた、生徒たちに感謝です。