あさか開成 校長雑感

2019年12月の記事一覧

書くこと

本日まで、2年生は、修学旅行の代休となっていました。明日からは、1週間ぶりに、全校生徒がそろうことになります。ワクワクです。

さて、本日12月12日(木)、1年生は6校時に表現力養成講座が開催されました。

自分の考えていることを的確に表現するためには、「知識」と「時間」が必要です。

「知識」とは本を読み、基本的な考え方、語彙、論理構成力などを身に付けるということです。しかし、若い頃は読書が体験に追いつかないため、表現が舌足らずのものになってしまうのは仕方のないことだと思っています。「しっかりと本を読め、特に必要なのは新書本だ」と言いたいところですが、それが簡単でないことは自分がよく分かっています。ノーベル賞をもらった吉野さんは特別です。では、どうすれば良いのでしょう。まずは、教科書の評論文でいいので、しっかりと読み込みましょう。高校3年生になり、必要を感じれば、自然と新書本や専門書にも手を出すようになるので心配しないでください。今は、少し難しいなと思っても、読み込む努力をし、できれば、単に教養を身に付けようとするだけでなく、作者と対話をしてください。そのことを繰り返していくと、感性が磨かれ、自分の考え方に多くの気付きや視点がうまれるようになってきます。

「時間」とは、意識して、書くことを繰り返し行うことです。意識してが大事です。意識してとは真剣にということです。書くことに慣れてくると、意識しなくても、ある一定の文字数が書けるようになってきます。しかし、先ほども述べましたが、決定的に基本的な知識、語彙力などが不足しているこの時期に書いた文章は、まとまりがないものです。私は、書くことの基本的な機能は、自分の体験や考えを整理することだと考えています。自己の体験や考えの意味を明らかにしていく思考過程が、「書く」という行為の中には含まれています。また、書かれた言葉は、紙の上で定着し、時間を越えることができます。つまり、それを何度も見返すことによって、不安定なものにその都度改善を加え、より確実なものへとしていくことができるのです。「書く」という行為は自己との対話であり、対話によって思考を深めることができるのです。だから、書くことに真剣に向き合う必要があるのです。

1年生のみなさん、自己の体験をしっかりと書いたり、話したりしましょう。

ノーベル賞

昨日12月10日(火)、修学旅行が無事終了しました。

昨日の19時少し前に、生徒の帰宅を見届けた引率の先生方が学校に到着しました。団長である教頭先生より、生徒とたくさんの想い出とともに無事帰国した旨の報告がありました。生徒たちはどんな想い出をつくったのでしょうか。早く会いたいところではありますが、次の登校は金曜日です。お土産話が楽しみです。

さて、12月10日(日本時間では11日未明)、ストックホルムのコンサートホールでノーベル賞の授賞式が開かれ、吉野彰さんがスウェーデン国王よりメダルと賞状が授与されました。12月10日は、アルフレッド・ノーベルの命日でもあります。1896年12月10日にアルフレッドは死去しました。その1年ほど前、アルフレッドは「全財産により基金を設立し、人類のために最大の貢献をした人たちに、賞の形で分配されるものとする」という遺言を残しています。

皆さんも知っているとおり、アルフレッド・ノーベルは、ダイナマイトの発明で有名な人でもあります。1866年、今まで不安定だったニトログリセリンを、安定的に使用できるようにしたダイナマイトを発明したのです。アルフレッドは、その研究過程で弟を事故で失っています。発明されたダイナマイトは、岩石の破壊、トンネル工事などに使用され、今までの土木工事を変えるものとなりましたが、兵器としても開発・使用されるようになりました。日本が関係する戦争では、日露戦争での旅順攻撃が最初だと言われています。

さて、郡山市とアルフレッド・ノーベルの関係はどのようなものでしょうか。明治19年(1879年)から始まった安積疏水と深い関係があります。安積疏水の建設には、当時最新鋭の技術が使用されたと言われています。当時は、非常に高価だったダイナマイトの使用もその一つです。安積疏水の最大の難関は奥羽山脈に全長585mのトンネルをとおすための掘削工事でした。硬い岩石を砕くために使用されたのがダイナマイトでした。

今年度後半のテーマは、「平和との共存」です。

現在、貧困、飢餓、地球温暖化など戦争以外で、我々の「平和」を脅かす事態が数多く起きています。これらのことは、科学技術の発展と無関係のものではありません。広島・長崎への原爆投下は日米で違った意味で捉えられています。原子力発電所も、立場の違いで、捉え方も違ってきます。科学技術が真に平和に貢献できるものにしたいのであるならば、我々は、その科学技術を悪用されても、それを覆せる更なる科学技術と知識と知恵をつくり出していくことが必要なのかもしれません。

ノーベル賞授賞式、そして、時を同じくして、COP25が開催されています。令和元年最後のとき、「平和」について考えるときかもしれません。

12月の花 第2弾

授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の根本琴未さんの作品が正面玄関を飾っています。

今回は、カーネーション、クジャクソウ、ストック、ドラセナを使い、「クリスマス」をイメージした作品だそうです。

前にも書きましたが、クリスマスカラーと言えば、「白」「赤」「緑」の三色です。「白」は雪を、「赤」はサンタクロースを、「緑」はもみの木をあらわしていると言われています。この三色を使いながらも、紫のストックをまぜ、かわいらしさとともに、艶やかな感じのある作品となっています。特に、赤のカーネーションと白のクジャクソウのバランスが良く取られ、かわいらしく、まとまっています。また、ドラセナがうまく機能していると思います。全体を引き締めています。

さて、世の中は、クリスマス一色となっています。年々、クリスマスツリーの登場時期が早くなっていると感じているのは私だけでしょうか。日本には、24節季、72候という季節をあらわす考え方がありますので、それをもっと取り上げてもいいかなと個人的には思っています。

以前も書きましたが、クリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝う行事ですが、実際はイエスの生誕はいつであったのかは定かではありません。そのため、カトリックやプロテスタントの教会は12月25日に設定していますが、ギリシア教会は1月7日、アルメニア教会は1月19日と定めています。では、なぜ12月25日になったかと言えば、当時、古代ローマで多くの人々が信仰していたミトラ教と深い関係があります。ミトラ教は太陽信仰の宗教です。そのため、1年で最も日の短い冬至の翌日を、「太陽の復活の日」として祝っていました。このお祭りを継承したためと言われています。

欧米では、クリスマスはツリーのもとで家族とゆったりと過ごす祭日です。みなさんも、1年の終わり、クリスマスの日、家族とこの1年について話をしていただきたいと願っています。

今年1年、生徒に感謝です。

 

里いもスティック

修学旅行も、残すところあと2日になってしまいました。明日は移動日ですので、実質的には本日のみです。本日は、新幹線で移動して、台湾南部の高雄市内散策です。高雄は、台北とは違った南国の雰囲気がある場所です。英国領事館や美麗島駅など、見所いっぱいです。2年生のみなさん、良い想い出づくりをしてください。

さて、昨日12月8日(日)は、道の駅ひらたでクリスマスイベントが開催されました。金曜日にも紹介しましたが、道弁コンテストのファストフード部門で最優秀賞になった3年栗林優羽さんの『ひらたの里いもスティック』の試食販売も、同時に行われました。考案者である栗林さんが販売に立ち会い、そして、栗林さんの友人の寺山璃緒捺さんも応援に来てくれました。

10時からの開催と聞いていましたので、少し早めに道の駅ひらたに入りました。売店に自然薯やエゴマなどが並んでいるのをみて、平田村が医食同源の考え方から「健康長寿の村」を目指していることが理解できました。

10時前に、試食販売所に移動すると、すでに多くの人だかりができていました。私も、揚げたての里いもスティックをいただきました。「なるほど」と思いました。意外と、里芋とエゴマやチーズがマッチするのです。里芋を食べる機会のない若者には、ぴったりの商品かもしれません。今後、お客様の声を聞きながら商品化を進め、来年1月に販売を始めるようです。

販売終了予定は14時だったのですが、売れ行き好評で、13時過ぎには完売になりました。

最後に、道の駅の駅長の高野哲也さんから、たくさんの感謝の言葉をいただいたことを報告させていただきます。

生徒に感謝です。

(『ひらたの里いもスティック』販売の様子)

(高野駅長より、お食事券をいただきました)

 

道弁

先月11月17日(日)、道の駅ひらたで、『道の駅ひらた「道弁」コンテスト』が開催されました。

このコンテストは、道の駅ひらたが、地元でとれる食材を使用したオリジナル弁当「道弁(道の駅の弁当ということで道弁だそうです)」を募集したものです。平田村は、自然薯やエゴマなど保健機能を有する野菜栽培で有名な村であり、医食同源の考え方から「健康長寿の村」を目指しているそうです。

このコンテストの「ファストフード部門」で、本校の3年栗林優羽さんの『ひらたの里いもスティック』が、最優秀賞に決定しました。

栗林さんは、この作品で工夫した点を、健康に、美容に、ダイエットに良いとされる里芋をデザート感覚で食べられるようにしたところですと話してくれました。また、デザインも、2020東京オリンピックのトーチをヒントに考案したようで、本校が「2020東京オリンピック・パラリンピック教育推進校」であることを理解して作品づくりに努めたようです。

その他にも、牛乳・乳製品利用料理コンクール東北大会で審査員長特別賞に輝いた3年生の中川翔月さんの『ひらたのトリッキーおこわ』が優秀賞となりました。この作品は、ゴボウ、舞茸、鶏肉のまぜおこわに、梅干しパワーを加え、笹の葉で包んだものです。日本の伝統品であり、殺菌効果もある笹の葉の活用を、もっともっと広めたいですと話してくれました。そして、福島県きのこ料理コンクールで最優秀賞である知事賞に輝いた3年生の滝沢結衣さんの『ひらた米美豚(マイビトン)』が佳作となりました。この作品は、ゴボウ、鶏肉、舞茸、しょうがの入った味ご飯を豚肉で巻き上げ、食べやすくしたものです。本人は、ゴージャス感、そしてインパクトを出すために「ビトン」と命名しましたと話してくれました。

「国際」とは双方向のものだと考えています。相手(外国)のこと学び、知ることだけでなく、自分たちの足もとである地元の食材、伝統品を掘り起こし、それを相手に伝え、広めることも、大切な行動のひとつだと思っています。

なお、栗林さんの「ひらたの里いもスティック」は、12月8日(日)、10時より14時まで、道の駅ひらたで開催されるクリスマスイベントで試食販売がされるようです。また、来年の1月2日の初売りからテストマーケティンブも始まるようです。

お時間のある方は、是非とも、道の駅ひらたに足を運んでください。

 

(栗林さんの『ひらたの里いもスティック』)

(栗林さん、最優秀賞受賞)

(中川さんの『ひらたのトリッキーおこわ』)

(滝沢結衣さんの『ひらた米美豚(マイビトン)』)

(道の駅ひらたのクリスマスイベントのお知らせ 

 10:00~14:00 『ひらた里いもスティック』試食販売)