あさか開成 校長雑感

校長より

3年生昇降口に選挙ポスター登場

第25回参議院議員通常選挙が本日公示され、21日(日)の投開票に向けた選挙戦が始まりました。3年生の生徒用昇降口、職員室前には、県の選挙管理委員会の投票を呼びかけるポスターが掲示されました。

現3年生では、7月22日までに18歳を迎える生徒が50名程度はいるだろうと考えます。是非とも、国政選挙であるこの参議院選挙に自分の意見を反映して欲しいと思っています。

現3年生は、昨年の12月に、主権者教育の一環として、社会科の授業及び昼休み・放課後を利用して、県から配付された「私たちが拓く日本の未来」をもとに選挙の仕組み等を教わり、その後、各候補者の政見に関する資料や選挙公報を参考に、それぞれの政策の違いなどを考えながら模擬選挙(未来の県知事選)を行いました。

主権者教育は、単に選挙の仕組みを知るためのものではありません。主権者教育とは、様々な利害が複雑に絡み合う現代の社会の中で、直面する課題について考え、それを多方面から考察し、できるだけ多くの合意を形成すべく多くの議論を重ね、今とこれからの社会をつくるため行動できる態度を養う教育だと考えています。

どのような社会を形成したいのかを真剣に考え、選挙に参加し、自分の意見を反映させて欲しいと願っています。

タコを食す

昨日、突然、食卓にタコが出てきました。半夏生(はんげしょう)だからということでした。

夏至(6月22日)から数えて11日目の7月2日頃から7月7日の七夕までの時期を半夏生(はんげしょう)と呼んでいます。半夏生の由来は、「烏柄勺」(からすびしゃく)という薬草、別名「半夏」が咲く頃だからだそうです。

半夏生は、農作物にとっては大事な節目で、かつては田植えは半夏生までに済ませるものとされ、それを過ぎてしまうと、秋の収穫量が極端に減ると言われてきました。無事に田植えが終わると、水田や神棚に餅やお神酒を供え、田の神に感謝する「さなぶり」という行事が行われました。また、関西地方ではタコの足のように大地にしっかり根付くようタコを食べ、近畿地方では収穫した小麦で「半夏生餅」を作って田の神に供えるなど、各地に半夏生ならではの風習があるようです。

また、半夏生の5日間は、働くことを禁じ、酒肉、その日に採って野菜も食べないという物忌も多かったようです。田植えで疲れた体を休めるための、昔の人の知恵だったと考えられます。

今の季節、曇天の空のもと、心も曇りがちです。疲れを感じている人、しっかりとした休養をとり、明日への活力を取り戻してください。

公開文化祭「凜優祭」

今年は、3年に1度の公開文化祭「凜優祭」の年です。

例年、10月に行っていた公開文化祭ですが、今年は8月の開催と早まりました。今年の公開文化祭の開催日は8月25日(日)です。ご来場をお待ちしております。

今年は、例年以上にスポーツ大会が盛り上がりました。スポーツ大会をみて、こんなにワクワク、ドキドキしたのも久しぶりです。生徒の中には、「燃え尽き症候群」に陥り、夏休みに向けて、目標を見失っている生徒もいるかもしれません。しかし、授業中、居眠りをしている暇はありません。夏休みは、凜優祭の準備です。クラス全体で、しっかりとした企画の構想、そして準備をして、お客様をお迎えしようじゃありませんか。

今年の「凜優祭」のテーマは、『Shining Youth』です。「輝く青春」と訳しているようです。生徒たちを見ていると、何をやってもキラキラと輝いていて、とても素敵だなと、いつも思っています。若さからくる輝きは、なにものにもかえることはできません。本当に、青春を謳歌しているのだなと思います。

しかし、若さだけが青春だとは思っていません。

ここに、青春を謳った素晴らしい詩がありますので、紹介したいと思います。サミュエル・ウルマンの詩(岡田義夫の訳)です。

「青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ」と冒頭から始まります。特に、「事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味」という部分が、とても大好きです。

青春を輝かせるためには、自分が何者であるかをしっかりと考えなければならないかもしれません。自分らしく生きることこそ、輝くことにつながるからです。自分らしさを探し求め、ものごとに関して好奇心を持ち、果敢にチャレンジを繰り返します。何度も失敗し、立ち止まり、自分を見失ってしまいそうになりながらも、自分自身を信じ、立ち上がり、前へ進みます。そんな自分自身をいつも好きでいれば、「輝く青春」はいつもその人もものかもしれません。

7月の花

活発な梅雨前線の影響で、九州南部で大きな被害が出ています。被害に遭われた方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

さて、授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の田中汐穏さんの作品が正面玄関を飾っています。

オレンジ色が鮮やかでポンポンのような紅花と凛とした青紫の星形の桔梗の組み合わせがとても面白い作品となっています。やはり、紅花のオレンジ色はドキッとするほど輝いており、大きな存在感をあらわしています。何気なく空間を埋めているギボシの葉も、安定感のある存在として、絵の中にしっかりと収まっています。

紅花は、地中海沿岸またはエジプトが原産といわれているキク科の植物です。地中海沿岸、エジプトからシルクロードをへて中国に伝わり、そして、推古天皇の時代の頃に我が国にもたらされたと言われているようです。紅(べに)を「くれない」と言うのも、中国(呉(くれ))から渡ってきた染料(藍)という意味の「呉藍(くれあい)」からきているようです。

7月も生徒に感謝です。

ハレの日

2日間続いた、「ハレの日」であるスポーツ大会が終了しました。

今年も3年生が総合優勝を果たしました。後輩の壁となることは、先輩にとってはとても大事なことです。総合優勝クラスは3年3組でした。3年3組の生徒諸君、総合優勝おめでとうございます。佐藤貴広先生を中心とした団結力はさすがでした。この団結力のもと、今度は、文化祭、進路活動に邁進して欲しいと願っています。

さて、少し「ハレの日」についてお話をしましょう。「今日は曇っていましたよ」というツッコミはいりません。天気の話をするのではありません。「ハレ」とは、お祝いや行事などの特別な日、非日常を指す言葉です。「ハレ」と反対の、日常を表す言葉には「ケ」があります。学校でいうと、普段授業をしているときが「ケ」で、スポーツ大会などの行事の時が「ハレ」ということになります。生徒諸君の中には、スポーツ大会がずっと続けば良いと思っている人もいるのかもしれませんが、特別な日が続くことは、大変気力や体力を消耗することになります。普段の生活が一番良いのです。しかし、病気などになると普段どおりの生活ですら送ることができなくなります。そのことを「ケガレ」と呼びます。「ケガレ」とは「ケ」が枯れ果ててしまう意味で、「ハレ」を行うことで「ケガレ」を清めるのだそうです。つまり、気分が落ち込みそうなとき、疲れがたまりそうなときに、気分や健康を回復させるためにあるのが「ハレ」なのです。

スポーツ大会後の講評で2つの話をしました。1つは、クラスの交流は深まったか、そして2つめは、3年生にとって夏休みは勝負のときだが、その覚悟はできたかという話です。本校は、単位制のため、所属クラスがあっても、そのクラスで過ごす時間が決して多い訳ではありません。このスポーツ大会の時期は、中間考査も終わり、クラスのメンバーとの絆を深めるときなのです。そして、夏休み前にいったん休憩をして、夏休みに向けて積極的に動き出すための準備期間でもあります。特に、3年生にとっては、大切な夏休みに向けて、一休みをしながら、進路に向けての覚悟を決めるときでもあります。

私の好きなグループにJUDY AND MARYがいます。『そばかす』では、「想い出はきれいだけど それだけじゃ おなかがすくわ」という歌詞があります。高校時代の想い出を沢山作っていくことも大切ですが、それだけでは前に進むことができません。自分自身の進路に向け、覚悟を決めることも大切です。

頑張れ、3年生。

このスポーツ大会では、君たちの素晴らしいプレーを見させていただきました。ありがとう。