あさか開成 校長雑感

校長より

朝河貫一博士の没後70年

今年は、二本松市出身の歴史学者朝河貫一博士の没後70年です。その事業の一環である朝河貫一博士顕彰協会による高校生海外研修事業に、本校の2年渡邊拓真君が参加することが正式に決定し、先週の土曜日6月23日に事前打ち合わせが行われました。渡辺君は、昨年度、朝河貫一論文で優秀賞となり、その論文が認められたものです。

今後、渡邊君は、7月26日より8月1日までアメリカを訪問し、朝河貫一博士が研究をしていたイェール大学を訪れ、現地の学生と交流し、東日本大震災・原発事故から復興・再生をしている福島県の現状について発信をする予定です。

朝河貫一博士は、優秀な歴史学者でもあり、国際学者でもありました。安積高校卒業後、22才でアメリカに渡り、ダートマス大学、イェール大学で学び、その後アメリカで暮らすことになります。世界的視野での日本への警鐘は数多く、1941年の日米開戦の直前には、フランクリン・ルーズベルト米国大統領から昭和天皇への親書を送ることで戦争を回避しようと考えたようです。そして、自らその草案を書くなど、異国の地にあって祖国日本のことを思い続けた真の「サムライ」でもありました。

現在、渡邊君は、現地での英語のプレゼンの作成の真っ最中です。学校としても、良い研修になるように支援していきたいと考えてます。渡辺君には、現地での交流をとおして、多くのことを学んできて欲しいと願っています。

スポーツ大会始まる

本日より、校内スポーツ大会が開催されています。

梅雨の時期であることから、毎年、雨の心配をしておりましたが、今年は気温の心配をしております。

単位制高校であるあさか開成高等学校において、スポーツ大会は特別な意味があります。普段、クラス毎に授業をすることが少なく、自己の選択によって授業ごとに教室を移動する生徒たちにとっては、この校内スポーツ大会は、クラス、そして学年の団結力を高めることができる数少ない機会となっております。繰り広げられる応援合戦のもと、クラスだけでなく、学年の結束力が高まっていくを、毎年感じております。“Fair Play”、そして“All for one , one for all”の精神のもと、全力で戦い、思い出に残るものになることを願っています。

なお、日程は、明日までの2日間となっております。水分補給が必要なことから、お子様に水筒、凍らせたペットボトル等を持たせていただければ幸いです。

郡山市男女共同参画川柳コンクールで表彰

昨日6月24日(日)、郡山市男女共同参画川柳コンクールの表彰式に行って参りました。

このコンクールは、性別により個人の生き方を制限されることなく、その個性や能力が十分に発揮できるまちづくりを進める郡山市が主催し、今回で15回目を迎えたものです。今年度、本校では「マイノリティとの共存」を学校共通テーマに掲げ、特に、男女の差別、障がい者への差別等、人権に関わる問題に対して研究、行動をしており、このコンクールへの参加はその一環です。

その結果、本校の2年根本琴未さんが高校生の部最優秀賞、2年佐藤幸歩さんが同特別賞、2年池田綾乃さんが同入賞をしました。そして、生徒の活躍により、本校が学校賞にも選ばれました。入賞した作品は、以下のとおりです。

最優秀賞 根本琴未さん 「らしさとか結局お互いに同じ人間(ひと)」

特別賞  佐藤幸歩さん 「人助け女人禁止関係なし」

入賞   池田綾乃さん 「性別の「こうあるべき」は言わないで」

人権問題で一番大切なことは、バリア(障壁)をなくすことです。特に、こころのバリア(障壁)を取り払うことが大切です。この受賞を機に、より一層、人権問題に関する意識を高めたいと思っています。

研究授業週間について

大阪で発生した地震で、登校中の児童が倒れてきたブロック塀の下敷きになり亡くなるという痛ましい事故が起きてしまいました。登下校中の安全確保について、ご家庭においても再度確認をお願いします。

さて、今週1週間、本校では研究授業週間ということで、互見授業を実施しています。

互見授業とは、教員が通常の授業を公開し、相互に参観して刺激を受け合うとともに、その後の意見交換を行うことをとおして、授業の実践力を磨き、今後の教科指導の向上を目指すものです。同教科ばかりでなく、異教科を観ることにより、それぞれの教科指導の良さを自己の授業にも取り入れることができるというメリットもあります。

私も、この1週間は、転入された先生方の授業を中心に授業を観させていただきました。

改めて授業を観ると、授業づくりの楽しさ、難しさが見えてきます。私も、授業の導入には、苦しんだことを覚えています。どのように本時の内容に近づくために、生徒に驚きや疑問点を与えるいくか。生徒の身近に感じる話題を挙げながら、興味関心を高めようと努力しました。そして、授業の展開部分ですが、教師自身が熱を持って行っている授業は、外から見ると良い授業のように見えてしまいますが、生徒の学習状況はどうなっているかをしっかりと考えなければいけません。生徒が常に主体的に授業に参加し、教師とともに考えを巡らせているかが問題です。私の経験では、すらすらと流れるような授業はあまり生徒に影響を与えず、少し戸惑った位の方が、生徒は「なぜ先生は迷っているのだろうか」と思いを巡らし、授業内容をよく理解しようとしていたことを覚えています。生徒に「歴史の楽しさが分かってきました」と言われた時が、一番やりがいを感じました。

今の先生方は、導入、教材にも気を遣いながら、授業づくりをしているようです。しかし、授業とは、教材を使用しながら、生徒の資質・能力を伸ばしていくもので、教科書の内容のみを教えるものではありません。どのような力を伸ばしたいのかがはっきりと分かる授業を目指し、高みを目指して欲しいと思います。

本日、3学年保護者会開催

本日、3年生の保護者会が、13:30より、本校第1体育館で開催されます。

進路指導部より、進学・就職に対する今後の予定、手続き等について、3学年より、三者面談、夏期課外、夏休みの全般の過ごし方についても説明がされるはずである。

夏休みの35日をいかに計画的に過ごせるかは、進路達成を目指す高校生にとって格段に大切であろうと感じています。若い時の失敗は、往々にして経験のなさ、知恵の浅はかさに起因しています。初めての進学、就職に立ち向かう高校生にとっては致し方ないことなのかもしれませんが、是非とも今まで本校で進路実績を残してきた先生方や人生の大先輩である保護者のアドバイスをしっかりと聞いて欲しいと願っています。経験のなさや知恵の浅薄さを補うためには、経験を積んだ者の話を真剣に聞くことが大切だと思っています。そして、その言葉を脳裏にたたき込み、実践していくことが大切です。そして、その1つ1つの小さな努力の積み重ねが、将来において揺るぎない経験、知恵となることも事実です。

本日、学年だよりも発行されます。裏面は夏休みの過ごし方特集になっています。是非とも、家庭でもお子様とともにお読みいただき、話題にしてください。