あさか開成 校長雑感

校長より

オーストラリアからの訪問客

昨日、オーストラリアのブリスベンより本校に訪問客がありました。リンデン、ケリーご夫妻です。

夫妻は、今年の夏のオーストラリア研修で本校の引率教諭がホストファミリーとしてお世話になった方々で、帰国後も引率教諭が何度か夫妻と連絡を取り合っていたそうです。今回、旅行好きな夫妻が6回目の日本旅行を計画した際に、是非とも今回出会った日本の高校生と再会したいということで、今回の訪問の運びとなりました。夫妻には、LHRで1年生全員、そして一部の3年生に対して「25ドルから始まった人生」という題で講演もしていただきました。すべて英語での講演となりましたが、生徒たちは必死に耳を傾け、メモをとりながら、講演に聴き入っていました。講演の最後、リンデンさんからは、「自分のお金や時間をつまらないものに使わないで欲しい。自分の興味のあるものをじっくりと考え、私が妻と(チームを作って)頑張ってきたように、お互いに協力し切磋琢磨できる仲間(チーム)をつくり、自分の夢を叶えて欲しい。目の前にあるのは、何も書かれていない本です。この本に、自分の人生を書き込んでください。」と生徒にエールを送ってくれました。ケリーさんからは、「恐れず行動して欲しい。壊れたもの(失敗したもの)は、修復すればいい。」と挑戦する大切さが語られました。

講演後も、リンデン、ケリー夫妻は、生徒の掃除風景をみ、1年5組の生徒との触れあいを行い、そして部活動まで見学していきました。5組には、まだオーストラリアに行ったことがない生徒のためにということで、カンガルーの毛をプレゼントしていただきました。夫妻は生徒たちに「毛皮を触ってみて想像してみて」とやさしく生徒たちに語りかけていました。アイディア一つ一つに、お二人の素敵な思いが込められていて、とても感動でした。

 リンデン、ケリー夫妻は、帰り際に、「本日は最高の一日だった」と感謝の言葉を口にしました。実は、リンデンさんは、技術者として専門的な仕事をしているので、大勢の前でプレゼンしたことはなく、まして自分の人生を語ることが誰かのためになるなど思ってもいなかったようで、最初はためらっていたということでした(原稿づくりは、実は8月ごろから始まっていたようですが)。誰かのために、誰かが笑ってくれるならと引き受けてくださったということを、夫妻が帰った後に、引率した教員から聞きました。

そして、リンデン、ケリー夫妻が、「本日は最高の一日だった」と心の底から思ったのには理由があったのです。夫妻は、学校に到着した際に、正面玄関に自分たちの名前が入った美しいウェルカムボードを見つけ、非常に喜んでいました。そのボードのキャンバスは、夫妻を歓迎する言葉と、日本の地図そして舞妓さんのシルエットが描かれたものでした。実は、1年5組で美術部の藤沼みちるさんが、夫妻が学校に訪問するということで、心を込めて作ってくれたものでした。当日の朝まで製作をしていたそうです。夫妻は、それをお土産として、とても大事そうに持ち帰りました。夫妻にとっては、それが特別なものに感じたのではないでしょうか。リンデン、ケリー夫妻も、藤沼さんも、それぞれが誰かのために、だれかを幸福にするためと、行動してくれています。

本校の正面玄関のガラスケースには、ケリーさんが生徒に持たせてくれたコアラのぬいぐるみが飾ってあります。そこには、本校の生徒、引率教諭、そしてこの研修に関わったスタッフ全員が、この研修でお世話になった人たちへの感謝の気持ちを忘れないように、それぞれの思いが書き込まれています。

リンデン、ケリー夫妻に感謝です。良き旅を。

そして、生徒に感謝です。

12月の花

12月、クリスマスのシーズンとなってきました。授業「日本の伝統文化」の3年生の折笠悠路くんの作品が正面玄関を飾っています。

この作品は、クリスマスをイメージして白、赤、緑の配色がとても素敵な作品となっております。白はデンファレ、赤はカーネーション、そして緑には松を使用して、透明な花器に投げ入れをしました。シンメトリー的な配置や白色の枝で二つの花器を繋いだあたりは、折笠くんのオリジナルの工夫を感じさせます。とてもかわいらしい、オシャレな作品となっています。

さて、クリスマスは、イエス・キリストの生誕を祝う行事ですが、実際はイエスの生誕はいつであったのかは定かではありません。そのため、カトリックやプロテスタントの教会は12月25日に設定していますが、ギリシア教会は1月7日、アルメニア教会は1月19日と定めています。では、カトリックやプロテスタントの教会が12月25日に設定したのかといえば、古代ローマのミトラ教の冬至祭を取り入れていったからだともいわれています。また、クリスマスにはイヴがあり前日からお祝いをしますが、なんてヨーロッパ人はお祭り好きなんだろうと思いませんでしたか。それは、ローマ帝国の暦が日没を一日の始まりとしており、前日よりお祭りが始まったことに由来しているといわれています。

キリスト教会内では、クリスマスはツリーのもとで家族とゆったりと過ごす祭日です。みなさんも、1年の終わり、クリスマスの日、家族とこの1年について話をしてはいかがでしょうか。

今年1年、生徒に感謝です。

12月に入りました

12月に入りました。授業日もあと2週間、冬休みも迫ってきました。

皆さんにとって、今年はどんな1年だったでしょうか。

機会を見つけて、振り返りをすることは大切なことです。今年を締めくくる意味でも、この1年を振り返ってみましょう。「できたこと」「できなかったこと」「やりたかったこと」などをじっくりと考えてください。そして、その考えたことを紙に書き出してください。先日の栄養講話でいらっしゃった公立藤田総合病院の管理栄養士、公認スポール栄養士である山崎有理子先生も、紙に書き出すことの大切さを講話の中でお話をしておりました。「紙に書き出す」という行為の中には、単に「記録する」という要素だけでなく、「整理する」という要素があります。「整理する」ことにより、成果と課題が見えてきます。がむしゃらに前に進むことも大切ですが、機会を見つけて振り返りを行うことも必要です。そこから、次の目標が見えてくることがあります。

来年は5月より新しい年号が始まります。平成という1つの時代が終わります。

しっかりと振り返りをして、年を越す準備をしましょう。

 

1年生、表現力養成講座開催

昨日11月29日、1年生は、6・7校時に表現力養成講座を開催しました。今年度、2回目の開催となります。

よく、「話すように書けばいい」という人がいます。しかし、本来、話すことと書くことは、まったく違う行為です。書くことの基本的な機能は自分の体験や考えを整理することだと考えています。何となく考えていたものも、いざ文章にするとまとまらないという経験は多々あるでしょう。書くという行為の中には、自己の体験や考えの意味を明らかにしていく思考過程が含まれています。また、書かれた言葉は、紙の上で定着し、時間を越えることができます。それを見返すことによって、不安定なものにその都度改善を加え、より確実なものへとしていくことができるのです。つまり、紙の上をとおして、自己との対話を繰り返すことにより、思考を深めることができるのです。しかし、話すということを軽んじているわけではありません。話すという行為は、自己だけではなく、直接的な他者との交流があります。自分の考えに他者の考え・ものの見方が介され、自分の考えに新たな光を与えてくれます。自己の考えに幅を持たせるためには、他者との交流は欠かせません。

しかし、書くことも話すことも、自分の考えを深めるためには大切な要素です。本校は、体験活動が多い学校です。その活動に意味を持たせるためには、書くことや話すことは不可欠です。

1年生のみなさん、自己の体験をしっかりと書いたり、話したりしましょう。

11月の花、第3弾

11月の花、第3弾は、授業「日本の伝統文化」のアメリカからの留学生のヒメナさんの作品です。

今回の作品を見たときに、その高さ、広がりに驚きを持ちました。誰の作品なのかを確認すると、ヒメナさんと分かり、2度目のびっくりです。花が主役というよりも、まわりの緑が主役といった作品でしょうか。大胆、豪快といった作品です。

アレカヤシは、葉をカットして面白さを出したり、その茎の曲線を活かしてゆったりとした空間を作ったりと、使い手の創造力が試される花材でもあります。化石柳も、葉こそないものの、アレカヤシと同様の特性を持っています。その2つを、小さくまとめず、大胆、豪快に使っている面白い作品です。

また、ピンクのスプレーストックがとてもかわいらしいです。ちょっと季節外れのひまわりが、遠慮して、小さく咲いているところも面白さがあります。

考査前から正面玄関を飾っていましたが、紹介が少し遅くなってしまいました。生徒に感謝です。