あさか開成 校長雑感

2019年10月の記事一覧

栗原巳侑、作品展

卒業生の栗原巳侑(みう)くんが、昨年の「第13回西会津国際芸術村公募展2018」青少年の部で大賞を受賞しました。栗原くんは、昨年の全国高等学校総合文化祭で、福島県美術部代表として作品を出品した生徒でもありました。

西会津国際芸術村は、廃校となった山あいの木造校舎の特性を生かし、芸術を通した文化交流活動を行っており、芸術家を目指す青少年や美術愛好家から絵画を公募し、作品発表の場を提供しています。青少年の部大賞受賞者には、翌年の東京巡回展での個展開催権を授与されます。つまり、今年、東京巡回展での個展が開催されるのです。

先日、栗原くんが直接来校して、個展「栗原巳侑作品展」の開催を知らせてくれました。個展の開催は次のようになります。

 時期:2019円11月2日(土)~11月9日(土)

 時間:13:00~18:00(火曜日休館 最終日17:00まで)

 場所:「spaceS」(東急大井町線 九品仏駅または尾山台駅下車)

    158-0082 世田谷区等々力5-14-18

    電話 03-3701-1471

 オープニングコンサート:11月2日(土)14:00~

お近くに行く用事がありましたら、是非とも栗原くんの作品をご覧ください。

平和③

朝、衝撃的な映像が目に飛び込んできました。世界遺産である首里城の正殿付近から出火しているという報道でした。正殿、北殿、南殿、書院など6棟の建物が全焼したようです。

首里城は、第二次世界大戦の沖縄戦で焼失し、その後、1989年に正殿の復元作業が始まり、今年1月に一連の復元作業が一区切りをしたところでした。朱の瓦が美しい中国の王宮風の建築に、日本の城郭にみられる唐破風屋根を付けた首里城は、両国の文化を取り入れた琉球文化の象徴でした。戦後の沖縄の復興と首里城の復元を重ね合わせる沖縄の人は多く、経済的な損失だけでなく、沖縄の心の支えを失ったと嘆く人もいるほどです。

沖縄の方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

 また、もう一つ、私にとって衝撃的なニュースが先日29日にありました。

それは、緒方貞子さんが今月の22日に他界したというニュースでした。緒方さんは、76年に日本初の女性国連公使となり、国連人権委員会日本政府代表などを歴任しました。91年には、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のトップに就任し、特にイラクでクルド人支援に取り組み、家を追われてトルコとの国境周辺にとどまる大勢の人々の支援に尽力しました。これは、UNHCRの支援対象が、それまでの国を逃れた難民から、国家によって生命と安全を保障されない国内避難民への転機となったものでもありました。

今回、「平和とは何か」について、私の考えを書かせていただいています。

緒方さんは、私たちにある視点を与えてくれました。

緒方さんは、国家中心の安全保障に代わる概念として、紛争や貧困など、あらゆる脅威から人々の生存や尊厳を守る「人間の安全保障」の重要性を提起した人もあります。冷戦の時代、国家間のイデオロギー的な対立がある中、国家内の対立・反目は後回しにされてきました。しかし、冷戦後、領土的一体性や国家主権に対する脅威がなくても、人々は民族的、宗教的、社会的集団間の歴史的な対立や反目に起因する国内的暴力に苦しみ、そして安全保障が脅かされているのです。このように、今日、対立する個人・集団またはコミュニティ間の平和的関係を維持・発展させることが求められているのです。

緒方さんのご冥福をお祈りします。

エゴマナーダ

27日(日)、郡山女子大学において、「2019年度 葛尾村特産『えごま料理コンテスト』」が行われました。その『えごま料理コンテスト』で、本校3年生の鈴木慧さんが最優秀賞に輝きました。

郡山女子大学では、一昨年より葛尾村で「えごま」の栽培に取り組んでおり、栄養価の高い優れた食品である「えごま」をたくさんの人に知っていただくために、このコンテストを開催しているそうです。

鈴木さんが考案した料理は、「おら!エゴマナーダ(福島風エンパナーダ)」です。本校には、現在、パラグアイからの留学生ルイスくんが来ています。ルイスくんと一緒に、パラグアイの家庭料理エンパナーダをヒントに考えたものが、今回の作品だそうです。鈴木さんは、ルイスくんと本校生徒が仲良く学校生活を送っているように、パラグアイと福島がコラボした料理ができないかを考え、たどり着いたということでした。

基本は、具材にえごまの葉を加え、彩り・風味・栄養価をパワーアップし、エゴマ豚の肉も使用して味を倍増させ、エンパナーダ風に仕上げます。そして、お好みで、じゅうねん味噌(えごま味噌)をつけて食べれば、10年長生きできる健康食品だそうです。

明日31日(木)の福島民友新聞に記事が掲載予定となっています。ご覧ください。

平和とは②

27日、過激派組織「イスラム国」(IS)の最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者が、米軍の急襲で死亡したとトランプ米大統領が発表しました。トランプ米大統領は「世界はずっと安全な場所になった」とも言い切っていました。

以前、生徒たちと、国際社会研究の授業の中で、「平和とは何か」、「戦争とは何か」について議論したことがあります。その主題も「イスラム国」だったと記憶しています。

少し意地悪だったのかもしれませんが、生徒たちに「戦争とは何か、平和とは何か、自分が考えていることを相手に伝える作業から始めよう」と言ったのを覚えています。少し意地悪と言ったのは、高校生時代までは、まだ自分が使用する言葉について、しっかりと定義しながら話をしたり、書いたりすることはほとんどないと思っているからです。誰でも知っている言葉が、うまく定義できないことは多々あります。だから、最初、生徒たちは、「戦争とは戦うこと」というくらいで、「平和とは戦争のない状態」と考えているようでした。

平和が「戦争のない状態」とすると、平和とは「戦争がない」だけで、冷戦状態のような常に戦争につながる要素があり、緊張を抱えている状態でも平和ということになってしまします。それが本当の平和といえるのでしょうか。また、「戦争がない」だけで平和と定義するならば、貧困、飢餓、伝染病などが蔓延している社会も平和な状態となっていまいます。それは、絶対に平和ではありません。また、戦争もそうです。「戦う」ことが戦争ならば、普通の巣スポーツも戦争になってしまいます。誰が、どのような状態で、戦っているのかを明白にしていく作業が必要なのです。

結局考え込んでしまう場面が多くなり,議論が進展しづらくなってしまいました。しかし、積極的に会話をすることが、アクティブ・ラーニングだとは思っていません。今までの「常識」を破るには、時間が必要なのです。

そのような長い議論の中から、「イスラム国」の持っている特殊性に気付き、テロとの戦いというものが新しいタイプの戦争であることがしだいに分かってきたのです。

週末の生徒の活躍

10月26日(土)、イオン郡山フェスタ店で、東京2020オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために「オリンピック・パラリンピック体験!ふくしまフェスティバルin郡山」が開催されました。

店内では、体験ブースや県内のホストタウン市町村の交流国紹介ブースがあり、そのほかにも、オリ・パラグッズがもらえるスタンプラリー、合唱、和太鼓演奏、チアリーディングなどの特設ステージでのイベントもありました。私の出身町村である猪苗代町がガーナのホストタウンになっていることを知り、なるほどと納得しました。野口英世と言えば、やはりガーナです。

その日のフェスティバルの最後に、本校よさこい部「開成舞彩」による「東京五輪音頭」の踊りがありました。校内では、昨年より、外国人留学生をもてなすために、何度か一緒に踊っているのを見かけたことがありました。今回、地域の人たちにも「東京五輪音頭」を知っていただくことができ、オリンピック・パラリンピックを盛り上げるために少しは貢献できたかなと思っています。

また、同日に郡山駅前で行われたガス展では、本校フラ・タヒチアンダンス同好会「ALOHA」が踊りを披露しました。

災害が続き、地域に大きな影を落としています。地域の皆さまが笑顔になるために、自分たちの笑顔を届けています。

(おまけ)