あさか開成 校長雑感

2019年10月の記事一覧

霜降

立冬の前の霜降のこの時期、秋の締めくくりとなってきました。郡山は、まだ霜が降りるほどではないですが、朝晩の冷え込みは日に日に厳しさが増しているように感じています。

本校の本校舎裏の駐車場には、イチョウの木があります。現在、そのイチョウが色づき始めています。また、そのイチョウの木から大量の「銀杏(ぎんなん)」が落ち始めました。目と鼻で秋の深まりを感じています。

イチョウの美しい黄葉がひらひらと舞い落ち、地面を黄金のじゅうたんに変える光景は、日本の秋の風物詩でもあります。しかし、イチョウは、日本原産の樹木ではありません。原産は中国で、室町頃に伝来したのではないかと言われています。

イチョウは、「銀杏」と書いたり、「公孫樹」と書いたりもします。「銀杏」の由来は、実の形があんずに似ており、そして殻が白銀だからだと言われています。また、「公孫樹」の由来は、父の代に種を撒いても、孫の代にしか実を食べることができないからだと言われています。また、ダーウィンは、イチョウを「生きた化石」と呼んでいました。地球上で植物が繁茂したのは1億年前以上のジュラ紀です。そのころの植物で残っているものはイチョウだけだそうです。すごいですね。

昨日より、ゴミを拾いながら、ゆっくりと校舎をまわることを再開しました。

10月の花 第4弾

授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の梨本涼夏さんの作品が正面玄関を飾っています。

真っ赤なアンスリウムとピンクのガーベラの組み合わせが、とても印象的な作品です。アンスリウムとガーベラを引き出しているのが緑色の葉っぱハランです。左側を丸めたのも、大きなアクセントになっています。そして、この作品を個性的にしているのが、やはり、脱色柳でしょう。人工的な「香り」のするアンスリウムに、渦巻く白の枝の非自然性がとてもマッチしています。

ちなみに、アンスリウムの赤く着色している部分は、実は花ではないようです。赤い部分は、仏炎苞(ぶつえんほう)と言って、花びらが変形したものだそうです。本当の花は、棒状の部分にあるそうで、小さくて見えないそうです。

そして、ハランですが、よく弁当などで料理と料理の間に入れる薄いプラスティックの仕切りのバランの語源でもあります。もともとは、ハランの葉を用いて仕切りとしていたようです。

今月も生徒に感謝です。

台風19号④

本日は朝から快晴です。少し肌寒ですが、非常に気持ちの良い朝です。

本日も朝の第1報は、通学手段の確保についてです。

昨日、JR東日本より、10月23日以降の現在運休しているJR各路線の運転計画が発表されました。詳細は、以下のとおりです。

10月23日以降の在来線運転計画 .pdf

21日には、県教育委員会より県立高校生の通学用スクールバスの運動についても発表されていますので、そちらもご覧ください。

 

 

 

ONE TEAM

ラグビーワールドカップでの日本チームの快進撃により、スローガン「ONE TEAM(ワンチーム)」はとても有名な言葉になりました。

しかし、そのスローガンは日本だけのものではありません。昨日、日本と対戦し、勝利した南アフリカ代表チーム、愛称スプリングボクスは、1995年の自国開催のワールドカップで、「ワンチーム、ワンカントリー」をスローガンに闘い、そして、世界一となりました。南アフリカにおいて、ラグビーというスポーツは、白人のスポーツであり、アパルトヘイトの象徴でもありました。アパルトヘイトとは、南アフリカで1948年から91年まで続いた白人と有色人種とを区別する人種隔離政策のことです。

94年、黒人初の大統領に就任したネルソン・マンデラは、反アパルトヘイトを訴えて闘い、政治犯として27年間の長きにわたり獄中生活を余儀なくされた人でもあります。しかし、大統領就任後、白人に報復をしませんでした。それどころか、95年の自国開催のラグビーワールドカップをむかえるにあたり、スプリングボクスを全力で応援したのです。人種問題で争うことを終え、お互いがお互いを認め合う国を本気でつくろうとしていたのです。

当時のスプリングボクスには、黒人選手はチェスターたった一人しかいませんでした。マンデラ大統領は、決勝戦の試合前に更衣室を訪れ、選手たちに「さあ祖国のために戦おう」と呼びかけたそうです。そして、チェルシーに「栄光は君にかかっている」と激励したそうです。ニュージーランドのオールブラックスとの決勝戦は死闘となりました。試合は史上初の延長戦となり、スプリングボクスは15-12の接戦を制し、初出場初優勝の快挙を成し遂げました。当時のスプリングボクスのキャプテンのピナールは、「4000万人の国民が後押ししてくれた」と、全国民での勝利を強調しました。スプリングボクスのジャージーを着て決勝に現れたマンデラ大統領がピナールに優勝カップを手渡したシーンは「ワンチーム、ワンカントリー」を体現した瞬間でもありました。

この勝利によってすべての問題が解決するほど、人種問題は簡単な問題ではありません。現在のアメリカ合衆国ですら、人種問題を巡り、国が二分されていることをみればわかるでしょう。しかし、「ワンチーム、ワンカントリー」を唱えて挑んだ闘いは、スポーツが持つ大きな可能性を感じるものでもありました。

台風19号③

本日21日(月)も、非常に肌寒い朝となりました。最低気温は、10度を下回ったようです。

交通状況の回復について、情報をお伝えします。

①東北本線について

JR仙台支社より、バスの代行運転の連絡があります。詳しくは、以下のとおりです。

【プレス】-東北本線代行バスのお知らせ-2.pdf

②磐越東線について

田村市教育委員会より、学生向けに田村市・郡山駅間の往復バスを運行の連絡があります。

学生向け田村市・郡山駅間の往復バスの運転

③水郡線について

浅川町より、代替バスの運行の連絡があります。

水郡線の運行停止及び代替バスの運行について

1年生国際理解講座

昨日、1年生の総合的な探究の時間で、国際理解講座が開催されました。

今回は、「共存とは~国際協力に取り組む人々のお話」という演題で、国際協力にかかわっている方をお呼びして、お話を聴くものでした。より近くで、現地の人々との関わりや国際協力の具体的な活動の話を聞いてもらうために、クラス毎の講演となっています。

各クラスの講師と講演の内容は次のとおりです。

1組 宍戸仙助氏(NPOスーエスアールスクエア) ラオスでの活動

2組 伊東瑞歩氏(郡山市国際政策課) ブータンでの活動

3組 長谷川辰雄氏(JICA) パラグアイでの活動

4組 篠原優氏(JICA) ガーナでの活動

5組 菅野千里氏(JICA) フィリピンでの活動

私は1組の宍戸氏の講演をお聞きしました。

宍戸氏は、東南アジアの山岳少数民族の子どもたちのために活動をしている方です。この山岳少数民族はとても貧しく、学用品を買えない子ども、学校へ行けない子どもたちが沢山います.学校自体がないところも沢山あります。そんな子どもたちへ、学用品を贈ったり、学校を建設するための活動をしているそうです。

その貧しい子どもたちが、逆に日本の子どもたちのために支援をしてくれた話には涙ができました。そうです。あの東日本大震災です。東日本大震災を知った山岳少数民族の子どもたちは、いままで助けてもらったお礼にと、お小遣いの全額、お金のない子どもは親を説得して米や鶏を持ち寄ってくれたそうです。集まったお金は49万ドン。日本円ではいくらだと思いますか。たった1900円だそうです。しかし、宍戸氏はいいました。「額ではない。このお金には、優しさに満ちあふれた思いがつまっている」、そして続けて、「このお金を両替することはできない。この思いを伝え続けることが、私の使命だと思っています」と。

宍戸氏は、もう一つ、1年生に思いを伝えました。

オーストラリア人のニック・ブイチチさんの動画をとおして、挑戦することの意味について考えさせてくれました。YouTubeでも見られますので、是非とも見てください。

台風19号②

15日(火)段階では、郡山駅を発着するJRの各路線、郡山市内を通る福島交通のバス等、すべての公共交通機関がストップしていましたが、16日には磐越西線(会津若松-郡山間)、17日(木)には市内を走る福島交通の路線バスの一部、そして18日(金)には東北本線の一部(安積永盛-本宮間)が、運転を再開しました。磐越東線、水郡線は、もう少し時間がかかるようです。

詳しくは、以下の情報を確認ください。

 JRの運行状況 https://traininfo.jreast.co.jp/train_info/tohoku.aspx

 福島交通の運行状況 https://www.fukushima-koutu.co.jp/

 

交通機関だけ考えると、少しずつではありますが、多くの生徒が学校に戻れる環境がつくられてはきました。しかし、すべての生徒が学校に来ることができる状況でないことも確かです。

学校は、15日(火)より通常授業をしています。

昨日は、2学年では、12月に実施される修学旅行の説明会が実施されました。修学旅行の行き先は台湾です。この修学旅行が、初めて海外旅行になる生徒も多いでしょう。生徒の中には、JRが動かない中、無理をして、この説明会に来た者もいました。久々の登校だったので声をかけました。「たった5日間でしたが、本当に長い5日間でした。友達に会えて、本校にうれしかったです」と笑顔で返してくれました。

あるべき場所に、居るべき者が居る。震災以後、こんな簡単なことが難しいと思えるようになってきました。

だからこそ、学校だけは、不安を取り除け、安心を与える場所であり続けたいと思っています。

台風19号

この度の台風19号によって被災されましたみなさまに、心よりお見舞い申し上げます。みなさまが一日も早く普段通りの生活を取り戻せることをお祈り申し上げます。

市内では複数の学校が休校となっているところもあるようですが、本校は本日より普通授業を再開しております。ただ、JRが完全にストップしている状況、幹線道路も通行止めが続いているところもあり、多くの生徒が登校できない状況です。

多くの生徒が不安な3日間を過ごしたことだろうと推察しています。本校生徒の中にも、すでに被災したと申し出た者もおります。しかし、県でも全体的な被害の把握が難しいようですが、本校でもすべての被害の状況が判っているわけではありません。

お知らせにも掲載しておりますが、今回の台風で被災したり、通学が難しい生徒は、学校に連絡をください。出席停止として取り扱い、欠席とはなりません。また、被災された生徒で、制服が汚れたりや学用品が使えなくなった者も、学校に連絡をお願いします。

最後に、通行できない道路も多数ありますので、学校に来た生徒はくれぐれも安全第一での対応をお願いいたします。

短期留学生④

本日10月11日(金)、7校時目に、秋季短期留学生に対する学校全体の歓迎会が開催されました。

まず、国際交流委員長の圓谷玲奈さんより歓迎の言葉があり、その後、短期留学生5人の名前、出身、所属クラスが紹介されました。2年生、3年生にとっては、公式には初めての対面となります。

 1-1 ミューニクさん(タイ)

 1-2 ハーナーさん(タイ)

 1-3 マーティナさん(ポーランド)

 1-4 カズキくん(ウルグアイ)

 1-5 ジェゾン(フランス)

そして、短期留学生5人がそれぞれが自己紹介をしました。カズキくんは、ハーフですので、とても日本語が上手でした。

最後に、歓迎セレモニーとして、本校のよさこい部による歓迎の舞が披露され、終了となりました。

1週間が過ぎ、留学生も学校に大分慣れてきたようです。クラスでも、積極的に会話を楽しむ姿が見られるようになってきました。来週は、遠足があります。また、大きな想い出ができそうな予感がします。

頑張れ、留学生。

OCTOBER CELEBRATION

ALTのカイラ先生が、放課後、南校舎2階の廊下で作業をしていました。

何をしているのか聞いてみると、「10月の世界のお祭り」ですと笑顔で答えてくれました。生徒たちに、少しでも、英語について、異文化について、興味を持ってもらおうと、資料をつくり、そして掲示していたのです。

そこには、本校でも10月恒例のお祭りの「ハロウィン」、そして、メキシコの「Día de Muertos」(「死者の日」)やドイツの「OKTBERFEST」(「ビール祭り」)、インドの「Diwali」(「光のフェスティバル」)、アメリカの「Harvest Fairs」(「収穫祭」)の資料が展示されていました。

ハロウィンとは、毎年10月31日に行われる、古代ケルト人が起源と考えられているお祭りのことで、もともとは秋の収穫を祝う行事であったと言われています。現代では、特にアメリカ合衆国で民間行事として定着しています。本校でも、カボチャの中身をくりぬいて「ジャック・オー・ランタン」を作って飾ったりします。また、子どもたちが「Trick or treat」と唱えて、近隣の家を訪れてお菓子をもらったりする風習でも有名です。

「Día de Muertos」は、メキシコのお祭りです。話題になった映画『リメンバーミー』でも有名になりました。がいこつを飾ったりするお祭りは、日本では考えられないようなものです。日本のお盆のようなものだと言われています。

10月は、実りの秋と呼ばれる季節です。これら秋のお祭りの根底には、実りに対する感謝の気持ちがあります。また、その感謝の気持ちを家族とともに祝うことが大切だと考えているようです。生徒の皆さん、それぞれのお祭りの意味を調べ、カイラ先生とお話をしてはいかがですか。

ちょっと話はずれますが、3年生でも、少しずつではありますが、実りの秋を迎えた者がでてきました。家族と自分の将来について話す良い機会かもしれません。

ありがとう、カイラ先生。