あさか開成 校長雑感

2019年11月の記事一覧

台湾④

修学旅行も、ほぼ1週間前になってきました。準備の方は整ってきたでしょうか。今週の週末は、荷物等の最終確認をしてください。「九份」は1年中雨が降るところです。傘は必需品ですので、折りたたみ傘を必ず持って行ってください。

さて、台湾へ行くと、コンビニとファストフードの数の多さ、そして日本商品の豊富さに大変驚きます。それは、台湾の食文化、経済と深く結びついています。「1日2食以上は外食」と言われるほど、外食が日常化しているのが台湾です。これは、韓国のソウルでも、シンガポールでも同じだと言われています。理由は、自炊するよりも外食した方が安く、美味しいからです。屋台も発達しています。また、中間層の所得水準の向上により、少し高くても安全だと思われている日本の外食産業や日本製品が受け入れたれているようです。しかし、コンビニなどの商品を見ると、日本語表示であっても、これは絶対日本では販売していないと思われるオリジナル商品も多数存在します。このように、コンビニは見ているだけで飽きません。

台湾のコンビニには、セブンイレブン、ファミリーマートがあります。一番店舗数が多くセブンイレブンは、日本のセブンイレブンとは経営母体が違うそうです。2位のファミリーマートは、日本のファミマが経営母体となっているようです。台湾のコンビニは基本的には日本と同じ24時間営業です。おにぎりも美味しそうですが、食べてみるとびっくりのものがあります。勇気のある人は、一つご試食はどうでしょう。

そして、気をつけなければいけないのが、日本と違って、ほとんどのコンビニにトイレはないということです。どうしてもトイレがしたい場合には、ホテル、地下鉄、レストランにはあります。また、コンビニのレジ袋は有料です。世界では当たり前です。

最後に、看板など、多少微妙な日本語も多いです。見つけたら、お土産として、写真を撮ってきてください。

(台湾のファミマです)

(くら寿司もありました。前の装飾の車はなんでしょう?)

(マック、スシローもあります)

朔風払葉

小雪に時候に入り、寒さも一段と増してまいりました。

11月終わりのこの時期は、「朔風払葉」と呼ばれるそうです。

朔風とは北風のことで、木枯しを指します。冷たい北風がしだいに強くなり、木の葉を散らす頃だという意味でしょう。「朔風払葉」は、「きたかぜこのはをはらう」と読むそうです。この言葉のどおり、先日まで紅葉で賑わっていた校舎裏の公孫樹も、すっかり木々の枝から葉っぱを落としてしまいました。しかし、寒々と枯れ果てた風景に、「わび」「さび」という美を見いだせることができるのも、日本人が「いにしえ」から育ててきた感性なのかもしれません。日本人はすごいなと思います。

この北風は、日本海を渡る時に水分を含み、日本海側の山にぶつかり、多くの雪を降らせます。しかし、この雪は、春になると解けだして、恵みの水となり、田畑を潤すことになります。

また、葉を落とした木々の冬景色は一見枯れてしまったようにも見えますが、木の枝には小さな芽が出始めています。つまり、春に向けて、芽生えの準備をしているのです。

一見、苦しい時期、マイナスに見えることも、次のステージに向かっての準備をしているのです。

中間考査も終わり、新人戦を部活動も多いと思います。また、進路が決定した人も、次第に多くなってきたのではないでしょうか。

この寒い時期こそ、来春に向かって、力を蓄えるときです。しっかりと準備を始めましょう。

(校舎裏の公孫樹 空が怖いくらい曇っています)

台湾③

台湾の交通関係のネタです。

まず最初は、信号機です。

台湾の信号は、信号機中の人が動きます。その動きが、とても面白いです。まず、赤の時は、普通に止まれですので、「止まっている人」がいます。そして、青になると、カウントダウンが始まり、「ゆっくりと歩いている人」が映し出されます。しかし、30秒を過ぎた頃から、「小走りをする人」へ、そして、10秒を切ると、「全力ダッシュをする人」になります。その様子が、とてもかわいらしく、ユーモラスです。この歩行者用信号機の愛称が「小緑人(シャオリューレン)」です。お土産ムービー必須です。

そして、台湾はバイク大国です。

バスの移動の最中、信号待ちをしていると、次第に先頭にバイクが集まってきます。その数が半端な数ではありません。そして、信号が青に変わった瞬間に一斉に走り出します。その風景は圧巻です。ほとんどがスクーターですが、タンデム率も高く、圧倒される感じがあります。バイクがこれだけ多いので、各所にバイクのための駐輪場が用意されています。日本にはない光景ですので、これも必見です。

最後は、交通安全面です。

台湾では、歩行者がいなければ、赤でも自動車は通過しますよと言われていましたが、平日、私が歩いた範囲内では、それほどひどくなかったです。でも、朝の散歩の時間(5時頃よりホテル近郊を探索していました)は、ちょっと危なかったです。信号に関係なく、人がいないと思って、平気で車が横断歩道に進入してきます。危うく、轢かれそうになりました。朝練を計画している部活動の生徒は、信号だけに頼らず、しっかりと右左をみて、横断をしてください。

(信号機です。写真ですみません。実は、残り4秒ですので、全力ダッシュをしています。

 ムービーが掲載できないので、あとは、YouTube か、現地で)

(バイクの駐輪場です。どこに行っても、道路に両脇に設置されています)

 

11月の花 第3弾

今週も、正面玄関が、クリスマスらしく華やいでいます。

授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の田中汐穏さんとパラグアイからの留学生ルイスくんの作品が正面玄関を飾っています。

今回の作品は、ストック、カーネーション、スイートピー、珊瑚水木、ユーカリを使った作品です。

不思議なものです。色や音楽によって、行事を感じたり、季節を感じたりすることができます。色や音楽はメインとしても楽しめますが、それがメインでなくても、メインのものを引き立たせるスパイスのような働きをするものです。

さて、クリスマスカラーと言えば、何色を想像するでしょうか。メインとなるのは、「白」「赤」「緑」の3色になるではないでしょうか。「白」は雪を、「赤」はサンタクロースを、「緑」はもみの木をあらわしていると言われています。そこに、星をあらわす「金」が加わると、もっと華やかになります。

今回の作品も、「白」としてストック、「赤」としてカーネーション、スイートピー、珊瑚水木、「緑」としてユーカリが使用されています。やっぱり、クリスマスカラーです。とっても、華やかに見栄えがします。

しかし、二人の作品にも、それぞれ個性が感じられます。ルイスくんの作品には、躍動感のある「動き」が感じられます。田中さんの作品は、かわいらしさとともに強い「意志」を感じることができます。

二人の作品とも、とても素敵です。

11月終わりも、生徒たちに感謝です。

(田中さんの作品)

(ルイスくんの作品)

女子スラックス導入

昨年の6月、総合的な学習の時間で、全校生対象の講演会が開催されました。

演題は、「LGBTってなんだろう-お互いの違いを受け入れあえる社会を目指して」でした。東京にあるNPO法人ReBitより2人の講師の方に来ていただき、実体験を踏まえながらのお話をいただきました。講演後、生徒からたくさんの質問があり、非常に盛り上がったことを、今でも覚えています。

この講演会のホームページへの紹介の中で、こんなことを書きました。

「性に関する問題はちょっとと考える方も沢山おられるかもしれませんが、「ちがい」の部分に重きをおいて考えてください。私の大学時代の友人に、非常に手汗をかきやすい女性がいました。彼女は、緊張すると、より手汗をかきやすくなり、人と接することを避けるようになったようです。他人からすると、小さな悩みのように感じますが、本人は非常に悩んでいました。特に子どもたちは、どんな小さな悩みも、その時は自分が否定されるではないかと思うくらい、大きな問題として考えている時があります。

今回の講演会は、一人ひとりが「ちがい」を持っているということが分かるだけで救われることがあることを教えてくれた講演だったと思っています。」

昨年の国際関係の学校共通探究活動のテーマは、「マイノリティとの共存」でした。その一環として行われたのが、この講演会であり、この講演会からマイノリティ(少数者)に対する活動が始まりました。

生徒たちは、「ちがい」を意識し、いろいろな活動をしました。LGBT関係だと、図書委員会のレインボー柄のオリジナル栞の作製と一日体験入学へ来た中学生への配布、家庭科履修者による男女共生川柳への作成と応募、そして生徒会役員による女子スラックスの提案などがありました。マイノリティ全体では、難民支援募金、障害者スポーツであるシッティングバレーへの挑戦、郡山支援学校との交流などがありました。

私たちは、小さな力しか持ち合わせていないので、まだまだ大きく社会を変革することができません。しかし、意識を変えることはできると思っています。新たな価値観を持った生徒たちが、10年度、20年後、どのような社会をつくっていこうとするのかが楽しみです。

最後に、その若者たちが、大人、社会、そして未来を信頼することは大切なことです。生徒会役員が提唱した女子スラックスですが、大変遅くなりましたが、完成しました。次年度より、正式な制服として、女子スラックスが導入されること(希望者)が決定しました。あなたたちが、撒いた種はしっかりと実ったのです。あなたたちの意見のすべてを実現させることは、今後も、大変困難なことなのかもしれません。しかし、粘り強く、コミュニケーションを継続すれば、その意見に耳を傾ける人が必ずでてくることを信じて欲しいと思っています。