あさか開成 校長雑感

校長より

秋季コンクール

本日10月3日(木)は、午前中、「三春交流館 まほら」に行ってきました。「2019 第70回福島県中高校演劇連盟秋季コンクール」での本校作品を観るためです。

午前10時、本日の最初のステージは、本校演劇部(炎激舞)です。今回の上演作品は、『KOMACHI99』で、絶対に観て欲しいので詳しいことは書けませんが、高校の演劇部のある出来事を主題とした舞台でした。

私は、社会科学系の人間なので、言葉の定義に関しては非常に敏感なところがあります。つまり、今回の作品名の「KOMACHI」は、なぜ「小町」や「こまち」ではないのか、また、「99」とは、一体どのような意味なのか、という疑問がすぐに浮かんでしまいます。でも、それに対する答えは、作品を観ると、自然と判るようになるではないかと感じています。

ただ、一般的な解説をすると、漢字で書くと真面目で堅い印象を与えます。ひらがなで書くと、やわらかく、親しみを持って感じさせることができます。カタカナには、論理性、また躍動感、ときには軽さを感じさせる効果があります。ローマ字は、異世界を感じさせることができます。

例えば

 宜しく(堅いですよね)

 よろしく(やわらかくなります)

 ヨロシク(ちょっと、軽い感じがします)

 YOROSHIKU(違和感を感じます)

今年の演劇部は、春季発表会で『FuluSiC』、夏休みは各地で『SHIROCK』の公演、そして秋季コンクールは『KOMACHI99』と3本立てで動いてきました。大変ご苦労様でした。

最後に、今回の作品も、大いに笑い、大いに泣きました。1時間、現実を忘れ、『KOMACHI99』の世界にどっぷりと浸り、リフレッシュすることができました。

演劇部の皆さん、ありがとうございました。

知事へ受賞報告

昨日10月2日(水)、文部科学大臣杯全国高校フラ競技大会第9回フラガールズ甲子園で、念願の全国一位の受賞した報告のため、フラ・タヒチアンダンス同好会の顧問の工藤先生、3年生降矢花さんと小椋海さんとともに、県庁に行き、内堀知事、鈴木教育長へ報告をしてきました。

行きの車の中では、降矢さん、小椋さんとも緊張しているようで、普段よりも口数が少なくなっていました。午後4時30分、ついに内堀知事に会う瞬間が来ました。私を含め、全員の緊張はMAXです。

来訪者紹介のあと、懇談が始まりました。内堀知事より、一位が決まった瞬間の気持ち、それまでの苦労を聞かれた降矢さんは、「人生で一番嬉しかった。発表の瞬間はとても信じられない気持ちだった。苦労した面は、3年生が5人しかいないので、後輩の指導が大変だった。特に、初心者である1年生が12名おり、基本的なフラの動きの指導を教え込む作業と全体をまとめる作業を5人でやらなければいけなかった」とはきはきと受け答えをした。また、内堀知事より、後輩にどのようなことを託したいかと聞かれた小椋さんは、「私たちとしては連覇をしてもらいたいという気持ちはあるが、やはり、その前にフラを楽しむことを大事にして欲しい」と持ち前の笑顔で返答をしました。特に、驚いたのは、内堀知事より、フラ・タヒチアンダンス同好会を立ち上げた熊田百恵さんについての質問があったことです。内堀知事は、長年指導をしていた熊田さんに会うことができなかったことを残念がっていました。このような和気藹々とした雰囲気の中、予定された時間が過ぎ、最後内堀知事と記念撮影をして、受賞報告が終了しました。

その後、鈴木教育長にも受賞の報告に行きました。

令和元年度後期、始まる

本日より、後期が始まりました。

さて、終業式でも話しましたが、ラグビーワールドカップが日本で開催されています。

ラグビーの魅力の一つは、「One For All  All For One」という精神だと言われています。

ラグビーが他のスポーツと大きく異なる点は、とにかくいろいろなタイプの選手がいることです。背が高い選手、低い選手、がっちりしている選手、走るが速い選手など、体格の異なる15人の選手が一つのフィールドで共存します。これはラグビーが、特にポジションによって求められるプレーや役割が大きく異なるためで、どのポジションも重要な役割を持っており、だから、どのメンバーが欠けても勝利にたどり着くことができないということです。それは、ラグビーに限らずどのスポーツにも言えることですが、仲間と切磋琢磨し、ともに掴み取った喜びは、自分一人だけでつかんだ喜びの何倍も大きいものになります。また、勝利を掴みとれなかった時の悔しさも同じ分だけ大きくなります。それは、自分一人では不可能なことを達成できるという達成感だけでなく、人が相手の気持ちを受け取って自分のものにすることができるという気持ちの連鎖、共感力があるからだと思います。特にラグビーには、その考え方が強いのです。「One For All  All For One」には、このような意味があると思います。

 もう一つ、ラグビーの魅力には、「ノーサイド」というものがあります。ラグビーでは試合終了のことを、ノーサイドと言います。これは、単に終わりという言葉でなく、試合終了後は敵も味方もなく、力の限りを尽くして戦ったお互いの健闘をたたえ合うという意味があります。ラグビーはコンタクトプレーの激しいスポーツで熱くなる場面も多々ありますが、それだけに、フェアプレーを忘れないようにしなければならないのです。試合が終われば、敵も味方もなく互いを尊重する、それがノーサイドの精神なのです。現在、ノーサイドという言葉は使われなくなってきましたが、その精神はラグビーの中で脈々と受け継がれています。

今話したラグビーのことは、学校という集団にも当てはまるのではなかいと思います。学校のみんなは、それぞれ持っているもの、考え方が違います。良いと思われる面や悪いと思われる面は、だれにでもあります。そういう個性をお互いが認め合って、大事にしていかないといけません。だれかが欠けたり、否定されたりすることがあっては絶対にいけません。また、許されることではありません。

実りの秋です。皆さん、特に3年生の皆さんが、あさか開成高校で、花を咲かせ、実を実らせるためには、「One For All  All For One」という心、「ノーサイド」という心を持つことが大切だと感じています。

皆さん頑張ってください。

10月の花

本日は創立記念日です。明日からは後期が始まります。暑いですが、衣替えです。服装を整えることは、心を整えることにつながります。しっかりとした服装をしましょう。

さて、10月の花です。パラグアイから来た留学生のルイスくんの第2弾の作品となりました。

ケイトウ、リンドウともに、秋の花壇を彩る花です。

リンドウは、山野に自生する野草ですので、馴染み深い花ではないでしょうか。日本原産の植物で、日本のほぼ全域に生息しているようです。秋空に映える濃い青紫色の花は、非常にかわいらしくもので、日本人の心をくすぐる植物でもあります。

また、鶏のトサカのような形をした花を咲かせるケイトウも、よく見かける植物です。熱帯地方が原産地ですが、奈良時代にはすでに日本に渡ってきたようです。西洋でも「Cock comb」という名が付けられています。日本でも、西洋でも、花の見え方は共通なのですね。

そのケイトウの赤が、そして、リンドウの紫が生える作品となっています。フェニックスの使い方がうまいですね。ケイトウ、リンドウの花を際立たせるとともに、作品に力強い躍動感、大きな広がりを与えています。

ルイスくん、ありがとう。

 

前期、終了

本日で前期も終了しました。明日は創立記念日です。

前期を振り返りますと、皆さんの頑張った姿が目に浮かびます。

やはり、今年の前期のメインイベントは、凛優祭でしょう。工夫を凝らしたクラス企画、そして、文化部の発表がありました。特に、ステージ発表の質の高さには驚きました。保護者の出店も最高でした。学校全体が盛り上がった凛優祭だったと思います。

そして、今年度のインターハイでは、多くの部が県大会に出場を果たし活躍をいたしました。特に、女子バレー部の3位は見事なものです。あと一歩と東北大会への出場を逃したものの、日頃の練習の成果を出し切れた大会だったと思っております。

また、文化部でも多くの生徒が活躍しました。まず、佐藤和世さんは、2年連続、全国高等学校総合文化祭に参加し、全国の高校生との交流を深める機会を持ちました。そして、演劇部も、各地で『SHIROCK』を公演し、人権について問いかけてくれました。よさこい部のうねめまつり踊り流しにおける五年連続大賞受賞、そして、フラタヒチアンダンス同好会のフラダンス甲子園総合第1位と、輝かしい成績を残してくれました。

また、今年も、多くの生徒が国内外の研修・セミナーに参加しました。前期段階で、海外研修の参加者55名、国内研修の参加者が48名と聞いております。特に今年は、大型の海外研修が7月、8月に開催されました。7月のオーストラリア研修には23名、8月のベラルーシ研修には10名、韓国訪問には16名の生徒が参加しました。それぞれの研修が充実したものであったと聞いております。現在、最後のまとめの時期です。先日は、オーストラリア研修に行った生徒が、校外でのゴミ拾いをしていました。まとめの調査研究の一つだそうです。国内外の研修に行ったみなさん、11月の発表会を楽しみに待っておりますので、最後のまとめを頑張ってください。

そして、今年度もボランティア活動も盛んに行われました。5月の子どもまつりから始まり、夏休みは多数の生徒がボランティアに参加しました。

後期に向けて、皆さんにお願いがあります。それは、前期をしっかりと振り返って欲しいと言うことです。反省なきところに、進歩はありません。できたもの、できなかったものには、必ず原因があります。その原因を突き止め、少しでも改善していく努力が必要です。

実りの秋を迎えるためにも反省をしていただきたいと考えております。特に、3年生は、結果を求められる時期がきています。自分自身を信じて、自己の進路をしっかりと切り拓いてください。

ラグビーワールドカップで考える

スポーツ観戦をすることが、私のささやかな趣味のひとつです。

野球、サッカー、ラグビーなどは良く観に行きました。と言っても、震災後は、ほとんど観に行くことができなくなったので、ここ8年はご無沙汰しております。中でも、サッカーは大好きです。かなり前ですが、鹿島とマンUの試合には感動しました。ラグビーは、サントリー、ヤマハ等のファンです。ごりごりとフォワードが押し込んでくるスタイルが好きです。今回のワールドカップを観て、月並みですが、試合の質の高さに感動しています。今まで観ていた試合は何だったのだろうと思うくらい、素晴らしい試合が続いています。

さて、日本と対戦したアイルランドのラグビーチームについて、どれほど私たちは知っているでしょうか。

アイルランドと言えば、本校の前ALTのジェイソンの母国です。もっと、ラグビーチームについて、聞いておけば良かったと思っています。

まず、アイルランドという島が、アイルランド共和国と北アイルランド(イギリス領)に分離していることを知っているでしょうか。同じ民族が南北に分かれているのです。そして、200年近くも対立した歴史を繰り返してきたのです。現在、イギリスのEU離脱が「合意なき離脱」になることにより、対立が激化するのではないかと言われていることを知っている人も多いかと思います。

この南北に対立するアイルランドで、ラグビーだけは、南北の国に関係なく、統一チームができているのです。これはサッカーチームにもないことなのです。

日本戦の前に流れた歌は、アイルランド共和国の国歌でも北アイルランド(イギリス領)の歌でもありませんでした。特別に作られた「アイルランズ・コール」という歌です。歌詞にはアイルランド分断の歴史は一切出てきません。

スポーツが、国同士の対立を乗り越える。なんと素晴らしい話ではないですか。

韓国研修、解散

ラグビーワールドカップ、アイルランド戦での日本の劇的な勝利。4年前の南アフリカへの勝利は夢ではなかったことを証明してくれました。やったぞ、日本。

勝利に歓喜しながら、学校に向かいました。 そうです。本日は、韓国研修の帰国日となっています。

ホームステイ、そして、数々のミッション、この韓国研修は積極性が試されたものとなりました。4名の生徒の満足感は、本日の写真からも想像できます。この研修が、4名の生徒にとって、十分満足のいくものだったのでしょう。ご苦労様でした。

夜の7時45分、猪俣先生、生徒の家族とともに生徒を出迎えました。そして、簡単な解散式を行いました。解散式では、ホストマザーにとても親切にしてもらい、お別れの時涙が止まりませんでしたなど、簡単な感想を聞きました。

しかし、本日で研修が終わったわけではありません。今後は事後研修です。

しっかりとまとめを行ってくださいと言いたいところですが、本日は、家族と夕食を囲みながら、ゆっくりとしてください。そして、しっかり休んで、疲れをとってください。

オーストラリア研修のその後

昨日は大変うれしいことがありました。

放課後、校内を巡回していると、外からゴミ袋を持った1年生の生徒数名が学校に戻ってくるところでした。

「どうした」と声を開けると、「調査研究の一環です」と返事が返ってきました。詳しく話を聞いてみると、オーストラリア研修で環境問題、特にプラスティックゴミについて研究をしていて、実際に街中にどのくらいゴミが落ちているかを確認しようとゴミ拾いをしてきたということでした。学校の周りを1周回っただけで、こんなにゴミを拾うことができましたと嘆いていました。今後は、アンケートをとり、同級生が、いま、どのような意識を持っているのかを調査するそうです。

オーストラリアに行ったのが7月。2ヶ月以上たった今でも、研修が続いていたのです。

常々、知を自己の所有物にするのではなく、社会へ還元しようとする精神を育みたいと思ってきました。自己の研究を机上のみで終結させてはいけません。より伸ばし、深め、拡大させ、発展させ、実際の社会へ落とし込む作業が必要なのです。この調査研究活動が、単なる数字的な調査研究に終わらず、今後、周りの生徒たちに波及する提言、行動になることを期待します。そして、その影響された生徒たちが、どのような行動をとるのかも楽しみになってきました。

今年は、韓国訪問に16名、ベラルーシ研修に10名の生徒が行きました。こちらの研修者からも、社会に還元するようなアクションが出てくることを願っています。

国連では、16歳の少女グレタ・トゥーンベリさんの地球温暖化に対する訴えがあり、世界中の若者がムーブメントを起こしています。

子どもたちには、まだ、未来への選択権が与えられていません。その子どもたちが、大人に、未来に対して、絶望していることに、大きな危機感を抱いています。

環境問題、この問題の根源は何なのでしょうか。

私は、知は希望だと考えます。しかし、現在、知の力が失われつつあります。一方に飛躍的に進む物理的な力、他方に人間に対する無力、この2つの対立によって、本来希望をもたらすべき知が死にかかっているのです。現代の社会は、科学技術によって規定されており、現実的な危機は知と深く関わっています。今、知の行為、そのものに反省が求められています。知を克服するためには知は必要なのですが、現在、知には、それ以上の理想像、絶対像が求められています。それは、知っているというレベルの知でなく、相互理解や相互コミュニケーションのための知ではないかと思っています。知ることが理解や了解につながり、理解や了解が、ともに生きることにつながると考えます。それは、完璧な意味での「よく」生きるではないかもしれないけど、ともに生きることができる「よりよく」生きることになるではないかと考えます。

秋本番

『暑さ寒さも彼岸まで』の言葉どおり、朝晩はすっかり寒くなり、秋本番となってきました。

韓国研修も本日が4日目。今回の研修の最大の行事であるB&Sです。現地の大学生とともに、どのような場所を探索するのかが楽しみです。秋のソウル路を楽しんでください。

これからは日増しに寒さが増していきます。個人的な意見ですが、東北に住んでいると、秋という季節が非常に短いように感じてなりません。秋という季節感、ちょうど良い気温を楽しむという時期が非常に短いように感じています。寒いのは苦手です。

さて、9月も終わり、来週からは10月に入ります。

10月1日は創立記念日で休みとなりますが、2日は、後期始業式、そして衣替えとなります。基本的には、冬服、女子はリボン着用となります。はじめが肝心ですので、しっかりとした服装で登校をお願いします。そして、以前にも書きましたが、今後は日の入りが早くなってきます。早め早めの自転車での点灯をお願いします。

最後になりますが、3年生は進学の推薦関係の受験本番となってきます。現在のところ、就職関係、そして秋田大学を含めたAO入試等、嬉しい報告がたくさんありました。努力を重ね、栄冠を勝ち取ってください。

がんばれ、3年生。You can do it.

つなぐ、つながる

韓国研修も3日目、無事研修が進んでいるようです。ホームステイも問題ないようで、夜、市内を案内していただいた生徒もいるようです。いよいよ、明日はB&Sです。現地大学生との交流を楽しんでください。

さて、桃見台公民館より、御礼の手紙をいただいた。

毎年ですが、桃見台公民館には、生徒たちが大変お世話になっています。今年も、30名を超える生徒たちが、ボランティアスタッフとして、夏休みを中心とした桃見台公民館主催の青少年講座のお手伝いに行きました。

本校は、座学による日々の学習の積み重ねとともに、いやそれ以上に、体験による気付きを重視している学校でもあります。つまり、教科書に書いてある定型的な問いではなく、実生活の中で生じる「摩擦」、感じる「差異」に敏感に反応し、そのことに課題意識を持ち、現在の自分に何ができるかを考え、行動することを重視しています。このことは、自己と社会の結びつき、つながりや役割を考え、新たな自己を発見する作業でもあります。そのため、本校では国内外の研修とともに、ボランティア活動も非常に重視しています。昨年度のボランティア参加者数は、延べ人数で600名を超えています。

御礼の文書内にも、「最初は不安そうな生徒さんたちもいましたが、活動が始まると自分から積極的に子どもたちに声を掛け、一緒に活動し、最後はすっかり仲良しになっていました。」とあるように、誰もが最初から積極的に行動できるわけではありません。一声を掛けるという作業がどれだけ大きな作業かは、大人でもわかると思います。それを支えてくださる職員の方々の温かなまなざしにより、第一歩が踏み出せているではないかといつも感じています。

桃見台公民館には、毎年、生徒たちを社会と「つなぐ」役割をしていただき、大変感謝をしております。

大変ありがとうございます。