あさか開成 校長雑感

校長より

応援

人は、いとも簡単に、「頑張れ」という言葉を使っていまいます。この『校長雑感』でも、それぞれの記事の最後に「頑張れ」と簡単に書いてしまう自分がいます。その度に、「何だか、軽いな」とか、「響くものがないな」と感じています。その人が一生懸命頑張っていることは十分知っているし、その以上「何を」「どのように」頑張るのか、まったく意味が分からないという思いがあり、単に言葉自体を一方的に相手に投げつけているような感じを持ってしまうからなのでしょう。

しかし、私は、それでも人を応援したいと考えています。指導力も、専門性もあるわけではないですが、それでも人を応援したいと強く思っています。人とかかわる仕事である教員という職業を目指したのも、この人を応援したいという気持ちが根底にあったからなのかもしれません。それは、自分自身が多くの人に支えられてきたと実感しており、人が人を支えることに信頼をおくからです。

応援することは、その人と同じ夢を追いかけることだと思っています。特に、若者たちが、夢を追いかける社会、また、夢を追いかけることを信じられる社会こそが、「平和」な社会だと思っています。

週末に、数多くの生徒たちの試合、コンクールを観させていただいています。そこには、自分の仲間や子どもを、遠路はるばる応援に来ている生徒たち、保護者のみなさんがおります。とても、とても感謝しております。

今回、東北大会を決めた演劇部にも、保護者より「特製」の差し入れがあったそうです。応援してくれる一人一人の気持ちが、闘っている者の背中を押し、苦しい中でのあと一歩の前進につながっているだと思っています。

闘っている者、応援する者に、感謝です。

(演劇部への差し入れと賞状)

台湾②

「『白菜』、『角煮』とは何だ」という声がたくさん寄せられました。

まず、故宮からお話をしましょう。故宮とは、『台湾国立故宮博物館』のことで、中国の歴代の皇帝らによって収集され、明・清の宮城である北京の紫禁城(故宮)に保管されていた歴史的な文化財を保存、展示する博物館のことです。

故宮博物館は、世界4大博物館の1つにも数えられています。世界4大博物館とは、故宮博物館の他に、イギリスの大英博物館、フランスのルーブル美術館、ロシアのエルミタージュ美術館を指します。

この故宮博物館では、中国歴代王朝の皇帝たちが収集した60万点を超える至宝の美術品を所蔵し、そのうち常時約2万点あまりが展示されています。広い館内を周るには最低で半日以上は必要だと言われています。日本の博物館と違って写真撮影OKなので、たくさんの写真を撮ってきてください。ただし、会場内は暗いのと、他の観光客も写真を撮ろうとして混み合うので、気をつけて撮影をしてください。

この故宮博物館の中で、至宝中の至宝と言われるものが何点かあります。その一つが、『白菜』であり、『角煮』です。

『白菜』は、正式には『翠玉白菜』と言われており、ヒスイ輝石の形と天然の色合いを活かして、白い部分を茎に、エメラルド色の部分を葉に見立て、加工されたものです。葉の上には、イナゴとキリギリスも掘られています。

『角煮』は、正式には『肉形石』と言われており、三層に分かれた天然石を色彩と加工を施し、豚の角煮そっくりにしたものです。

ともに、硬い原石を『白菜』、『角煮』に模して、長い月日を掛け丁寧に加工してつくりあげたものです。

中国4000年の技が凝縮したものです。

 

(『翠玉白菜』と『肉形石』)

(『翠玉白菜』イナゴがいるのがわかります)

(『肉形石』)

最後の高校説明会

本日11月25日(月)、安積高校において郡山地区県立高等学校合同説明会が開催されました。これで、今年度のすべての高校説明会が終了しました。

この合同説明会は、県中地区、県南地区の70校を超える中学校、中等部の進路指導、三学年担当の先生方に対して、各高校の概要、入試について説明するものです。本校でも、国際科学科の特色を説明するとともに、今回は新たな入試が導入される初年度でもありますので、特に特色選抜についてより詳細にお話をさせていただきました。

説明の中でもお話ししましたが、特色選抜で生徒を求める部活動については、「男子のみ」、「女子のみ」、「男女」がありますので、十分に気をつけていただきたいと思います。

以下は、令和2年度の特色選抜で生徒を求める部活動です。

野球部(男子)サッカー部(男子)、バスケットボール部(男女)、 バレーボール部(女子)、陸上競技部(男女)、ソフトテニス部(男女)、 剣道部(男女)、バドミントン部(女子)、卓球部(男女)、音楽部(男女 音楽部は合唱は不可とする)

入試まではまだまだ時間があります。焦らずにじっくりと時間をかけて学力の育成を図っていただきたいと思っています。

頑張れ、受験生。

演劇部、東北大会へ

11月22日(金)から24日(日)まで、いわき市のいわき芸術文化交流館アリオスで、第73回福島県高等学校演劇コンクールが開催されました。

本校の結果は、優秀賞第一席で、昨年に引き続き、東北大会出場となりました。おめでとうございます。

私は、地区大会、県大会と観ましたが、上位大会に行くほど作品がブラッシュアップされ、宝石が磨き上げられて次第に輝きが増していく様子をみているようで、とても嬉しく思っています。このまま、進化を止めずに、突っ走っていくことを願うばかりです。

東北大会は、12月20日(金)、仙台市の仙台銀行ホールイズミティ21で行われます。是非、お時間がある方は、舞台に情熱を注ぐ高校生の活気溢れる演劇を鑑賞していただきたいと思っています。

さて、今回の上演作品の感想とは大きく離れてしまうのですが、文学作品に触れる、それも古典作品に触れるとなると、私だけでなく多くの人が、アレルギー反応を起こし、ハードルの高さを感じてしまうではないかと思っています。今回の上演作品には和歌を詠むシーンが出てきます。和歌には難しいルールがあり、今の自分の生活とはまったく関係のないことと思ってしまいがちです。しかし、単純に考えれば、和歌を詠むとは、心動かされた瞬間や思いをかたちにしたり、誰かに伝えたいという感情を根底にしているもので、現代で言えば、Twitterで自分の感情を発信したり、Instagramで写真を共有することと、あまり変わらないではないかと思っています。そして、1000年以上残っている表現方法の素晴らしさを味わうことは、このように多様な伝達媒体がある現代だからこそ、大事なことではないかと思います。そして、コミュニケーションとは何かについて考えることにもつながると思っています。

頑張れ、あさか開成高校炎激舞(演劇部)

中間考査、終了

本日、後期の中間考査が終了しました。

生徒の皆さんは、しっかりと今回の考査の反省をしてください。すべての出来事には原因があります。単にテストの点数が取れた、取れなかったに一喜一憂するのではなく、できなかったことに「なぜ」の問いを持ち、その原因を探ってください。そして、後期期末考査に向けて、第一歩を踏み出しましょう。

さて、今年は、例年と違って12月の修学旅行です。2年生も、来週当たりから「修学旅行モード」に入ってくることでしょう。昨年の修学旅行の想い出と言えば、やはりタピオカです。毎日タピオカを飲み、大きな鳥の唐揚げ?を食べたこと、なぜか最初に思い出されます。よっぽど強烈だったのかもしれません。

そこで、昨年の台湾での想い出の写真を紹介したいと思います。

まず、1回目は、郵便ポストの写真です。台湾に行く前から、故宮の「白菜」「角煮」以上に、このポストを見たいと思っていましたが、自由行動があまりなく、諦めていました。しかし、天は我を見放しませんでした。最終日、トイレ休憩によったセブン・イレブン?の前に、そのポストがありました。台風の影響で傾いたそうです。

11月の花 第2弾

現在、正面玄関は、クリスマスのような、お正月のような、華やかさです。

授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の神成真那さんとウルグアイからの留学生ルイスくんの作品が正面玄関に、「彩り」を加えてくれました。

今回の作品は、小豆柳、ヘリコニア、ガーベラ、モンステラを使った作品です。ヘリコニアは、異国情緒溢れる、ユニークな花だと思います。南国系の真っ赤な花が特徴で、この花一つで明るさを出すことができます。

しかし、個人的には、ガーベラの花が大好きです。ガーベラは、陽気で明るい雰囲気を持つ花です。いろいろな色彩を楽しめ、丸く愛らしい花顔を、私はとても気に入っています。今回は、オレンジのガーベラでした。オレンジのガーベラの花言葉は、冒険心と我慢強さだそうです。

ルイスくんの作品を最初に紹介しましょう。これは、鳥をイメージしたのかもしれません。ヘリコニアは、オウムバナ科に属する植物で、「花」がオウムのくちばしのようです。ヘリコニアを鳥の頭に、そしてガーベラを胴体、モンステラを羽に見立てたような作品です。とても、独創的な、冒険心のある作品だと思います。豆知識ですが、ヘリコニアの「花」に見えるところは、実際は花でなく苞だそうです。

神成さんの作品は、お正月を思わせるような、落ち着いた作品となっています。バランスがとても良いと感じます。モンステラが、中央の3本のガーベラを引き立たせ、そして、全体に明るさを出しています。自己主張しなうなヘリコニアも落ち着いて、しっかりと作品に馴染んでいます。何より良いのが、小豆柳です。作品に、おおきな広がりを作り出しています。

二人の作品とも個性が出て、とても良い作品に仕上げっていると思います。

(ルイスくんの作品)

(神成さんの作品)

料理コンクール きのこ編

週末11月16日(土)、郡山市安積総合学習センターで、福島県きのこ料理コンクールが開催されました。このコンクールは、県森林、林業、緑化協会、県きのこ振興協議会の主催で、きのこの正しい知識の普及やきのこ産業の振興を図る目的におこなわれているものです。

そこで、本校の3年生滝沢結衣さんの「福島発 きのこ あら!?茶わん蒸し」が、最優秀賞である知事賞に選ばれました。このコンクールは、一次審査(書類審査)と本審査(調理審査)があり、一次審査では、県内の高校生、大学生等から、170点を超える応募があったようです。書類選考による審査を通過した、滝沢さんの作品を含む7作品が本審査へと足を運んだようです。

滝沢さんの作品は、具材に6種類のきのこを使った、なめこソースのあんかけ茶わん蒸しです。食感と風味のある、だしの効いた料理に仕上げました。滝沢さんは、それぞれのきのこの食感を出すために、いろいろな大きさで試作を繰り返し、試行錯誤を重ねたようです。

滝沢さんは、来年3月に東京で開催される全国大会に出場します。滝沢さんは、「さらなる向上を目指し、技術を磨き、完成度を高めていきたい。そして、全国の人に福島の食材の魅力を広めてきたい」と抱負を述べています。

頑張れ、滝沢さん。

 

料理コンクール 牛乳編

先日11月9日(土)、牛乳・乳製品利用料理コンクール東北大会が仙台市で開催され、本校3年生の中川翔月(はづき)さんの「~福島発~腹くっちーモーモーおこわ」が審査員長特別賞に選ばれました。

この大会は、牛乳普及協会の主催で、牛乳など乳製品の消費拡大をねらい、高校生以上を対象に牛乳、ヨーグルト、チーズなどを使った料理を募集したものです。福島県からは、中川さんを含め2名が東北大会に臨みました。

中川さんの「~福島発~腹くっちーモーモーおこわ」は、現在の若者に牛乳嫌いが多いということで、どうすれば牛乳を食べやすくすることができるかを考え、完成した作品です。具材として、えごま味噌、キュウリ、いかにんじん等、福島の食材を豊富に使うことで、食べやすさを追求したようです。特に工夫した点は、具材の大きさだそうです。どの程度の大きさにすれば、食感が良くなるかを考え、試行錯誤したようです。最後は、全体を笹の葉で包んで完成となります。特に、笹の葉の利用は、本校の「NO プラスティック ムーブメント」を意識したそうです。「ここまで作り上げて、最後にプラスティックを使うということはないでしょう」と本人は笑いながら話してくれました。

3年生ともなると、何をやるにも、本校の取り組みを意識しながらやるものだと、とても感心した次第です。

あっぱれ、中川さん。

壁とは

元マリナーズのイチロー選手が、「壁というのは、越えられる可能性があるものにしか、やってこない」と言っていました。今回は生徒たちに、この言葉を贈りたい。

昨日11月19日(火)、第72回全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦、いわゆる「春高バレー」の代表決定戦、兼第47回FTV杯争奪県高校バレーボール選抜優勝大会が、福島市の福島トヨタクラウンアリーナ(国体記念体育館)で行われた。本校は、郡山東高等学校と対戦し1-2と惜しくも敗退してしまった。

9月以降、2年生主体の新人チームの数多くの試合を観てきた。各運動部が、現在の持てる力を発揮し、奮闘していることが実感できる試合が多い。ソフトテニス部、剣道部、卓球部、サッカー部、バスケットボール部、然りである。そして、また応援が素晴らしい。勇気をもらえる、大きな声が響くようになった。技術的にはまだまだ改善しなければならない点はあるが、本当にステップアップしていることがうかがえる。

力を付けてくれば、必ず現れるのが「壁」である。その「壁」をどのように考えるかだ。イチローは、「夢や目標を達成するには1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること」、「結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が何かを生み出すきっかけを作る。」とも言っている。私たちの進むべき道は、あるか遠くまで続く。この山を越えれば良いというものでもない。自分自身を信じた先にゴールはあり、それがどこかは分からない。しかし、一つ分かることは、諦めてしまえば、何も得ずに終わってしまうということだけである。

生徒諸君、「壁」や「試練」を、堂々と楽しもうではないか。

英語プレゼンコンテスト

先日11月16日(土)、福島市の杉妻会館で、第4回福島県高等学校英語プレゼンテーションコンテストが開催されました。このコンテストは、福島県の未来を担う高校生が英語でプレゼンテーションを行い、日本や世界で問題になっていること、国際理解・国際協力、ふくしまの復興や将来像に関する自分たちの意見や考え、メッセージを県内外に広く発信することをとおして、グローバル人材の育成を図ることを目的に行われているもので、今回で第4回目を迎えるものです。3人1チームで行われ、5分のプレゼンの後、審査員による3分間のクエスチョンタイムがあります。

本校からは、今年度オーストラリア研修に行った1年生の西澤叶真くん、加藤稜大くん、大内綾乃さんが参加してきました。発表した内容は、「Protect Our Oceans from Plastic(プラスティックから私たちの海を守ろう)」で、オーストラリアで実際にみてきた現地の脱プラスティック、リサイクルの取り組みや今年度本校全体で取り組んだ「NO プラスティック」ムーブメントを紹介するとともに、今後自分たちがすべきことについて発表してきました。入賞はできなかったものの、堂々とした発表でした。

これで、今年度1年間のオーストラリア研修のすべてが終わることになります。しかし、本当の探究は、ここからが始まりです。今回の研修、発表で、多くのものを見、聞き、感じてきました。これは大きな経験です。できたこと、できなかったことを十分に整理し、今後の探究活動のテーマへつなげていって欲しいと願っています。