2019年11月の記事一覧
台湾④
修学旅行も、ほぼ1週間前になってきました。準備の方は整ってきたでしょうか。今週の週末は、荷物等の最終確認をしてください。「九份」は1年中雨が降るところです。傘は必需品ですので、折りたたみ傘を必ず持って行ってください。
さて、台湾へ行くと、コンビニとファストフードの数の多さ、そして日本商品の豊富さに大変驚きます。それは、台湾の食文化、経済と深く結びついています。「1日2食以上は外食」と言われるほど、外食が日常化しているのが台湾です。これは、韓国のソウルでも、シンガポールでも同じだと言われています。理由は、自炊するよりも外食した方が安く、美味しいからです。屋台も発達しています。また、中間層の所得水準の向上により、少し高くても安全だと思われている日本の外食産業や日本製品が受け入れたれているようです。しかし、コンビニなどの商品を見ると、日本語表示であっても、これは絶対日本では販売していないと思われるオリジナル商品も多数存在します。このように、コンビニは見ているだけで飽きません。
台湾のコンビニには、セブンイレブン、ファミリーマートがあります。一番店舗数が多くセブンイレブンは、日本のセブンイレブンとは経営母体が違うそうです。2位のファミリーマートは、日本のファミマが経営母体となっているようです。台湾のコンビニは基本的には日本と同じ24時間営業です。おにぎりも美味しそうですが、食べてみるとびっくりのものがあります。勇気のある人は、一つご試食はどうでしょう。
そして、気をつけなければいけないのが、日本と違って、ほとんどのコンビニにトイレはないということです。どうしてもトイレがしたい場合には、ホテル、地下鉄、レストランにはあります。また、コンビニのレジ袋は有料です。世界では当たり前です。
最後に、看板など、多少微妙な日本語も多いです。見つけたら、お土産として、写真を撮ってきてください。
(台湾のファミマです)
(くら寿司もありました。前の装飾の車はなんでしょう?)
(マック、スシローもあります)
朔風払葉
小雪に時候に入り、寒さも一段と増してまいりました。
11月終わりのこの時期は、「朔風払葉」と呼ばれるそうです。
朔風とは北風のことで、木枯しを指します。冷たい北風がしだいに強くなり、木の葉を散らす頃だという意味でしょう。「朔風払葉」は、「きたかぜこのはをはらう」と読むそうです。この言葉のどおり、先日まで紅葉で賑わっていた校舎裏の公孫樹も、すっかり木々の枝から葉っぱを落としてしまいました。しかし、寒々と枯れ果てた風景に、「わび」「さび」という美を見いだせることができるのも、日本人が「いにしえ」から育ててきた感性なのかもしれません。日本人はすごいなと思います。
この北風は、日本海を渡る時に水分を含み、日本海側の山にぶつかり、多くの雪を降らせます。しかし、この雪は、春になると解けだして、恵みの水となり、田畑を潤すことになります。
また、葉を落とした木々の冬景色は一見枯れてしまったようにも見えますが、木の枝には小さな芽が出始めています。つまり、春に向けて、芽生えの準備をしているのです。
一見、苦しい時期、マイナスに見えることも、次のステージに向かっての準備をしているのです。
中間考査も終わり、新人戦を部活動も多いと思います。また、進路が決定した人も、次第に多くなってきたのではないでしょうか。
この寒い時期こそ、来春に向かって、力を蓄えるときです。しっかりと準備を始めましょう。
(校舎裏の公孫樹 空が怖いくらい曇っています)
台湾③
台湾の交通関係のネタです。
まず最初は、信号機です。
台湾の信号は、信号機中の人が動きます。その動きが、とても面白いです。まず、赤の時は、普通に止まれですので、「止まっている人」がいます。そして、青になると、カウントダウンが始まり、「ゆっくりと歩いている人」が映し出されます。しかし、30秒を過ぎた頃から、「小走りをする人」へ、そして、10秒を切ると、「全力ダッシュをする人」になります。その様子が、とてもかわいらしく、ユーモラスです。この歩行者用信号機の愛称が「小緑人(シャオリューレン)」です。お土産ムービー必須です。
そして、台湾はバイク大国です。
バスの移動の最中、信号待ちをしていると、次第に先頭にバイクが集まってきます。その数が半端な数ではありません。そして、信号が青に変わった瞬間に一斉に走り出します。その風景は圧巻です。ほとんどがスクーターですが、タンデム率も高く、圧倒される感じがあります。バイクがこれだけ多いので、各所にバイクのための駐輪場が用意されています。日本にはない光景ですので、これも必見です。
最後は、交通安全面です。
台湾では、歩行者がいなければ、赤でも自動車は通過しますよと言われていましたが、平日、私が歩いた範囲内では、それほどひどくなかったです。でも、朝の散歩の時間(5時頃よりホテル近郊を探索していました)は、ちょっと危なかったです。信号に関係なく、人がいないと思って、平気で車が横断歩道に進入してきます。危うく、轢かれそうになりました。朝練を計画している部活動の生徒は、信号だけに頼らず、しっかりと右左をみて、横断をしてください。
(信号機です。写真ですみません。実は、残り4秒ですので、全力ダッシュをしています。
ムービーが掲載できないので、あとは、YouTube か、現地で)
(バイクの駐輪場です。どこに行っても、道路に両脇に設置されています)
11月の花 第3弾
今週も、正面玄関が、クリスマスらしく華やいでいます。
授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の田中汐穏さんとパラグアイからの留学生ルイスくんの作品が正面玄関を飾っています。
今回の作品は、ストック、カーネーション、スイートピー、珊瑚水木、ユーカリを使った作品です。
不思議なものです。色や音楽によって、行事を感じたり、季節を感じたりすることができます。色や音楽はメインとしても楽しめますが、それがメインでなくても、メインのものを引き立たせるスパイスのような働きをするものです。
さて、クリスマスカラーと言えば、何色を想像するでしょうか。メインとなるのは、「白」「赤」「緑」の3色になるではないでしょうか。「白」は雪を、「赤」はサンタクロースを、「緑」はもみの木をあらわしていると言われています。そこに、星をあらわす「金」が加わると、もっと華やかになります。
今回の作品も、「白」としてストック、「赤」としてカーネーション、スイートピー、珊瑚水木、「緑」としてユーカリが使用されています。やっぱり、クリスマスカラーです。とっても、華やかに見栄えがします。
しかし、二人の作品にも、それぞれ個性が感じられます。ルイスくんの作品には、躍動感のある「動き」が感じられます。田中さんの作品は、かわいらしさとともに強い「意志」を感じることができます。
二人の作品とも、とても素敵です。
11月終わりも、生徒たちに感謝です。
(田中さんの作品)
(ルイスくんの作品)
女子スラックス導入
昨年の6月、総合的な学習の時間で、全校生対象の講演会が開催されました。
演題は、「LGBTってなんだろう-お互いの違いを受け入れあえる社会を目指して」でした。東京にあるNPO法人ReBitより2人の講師の方に来ていただき、実体験を踏まえながらのお話をいただきました。講演後、生徒からたくさんの質問があり、非常に盛り上がったことを、今でも覚えています。
この講演会のホームページへの紹介の中で、こんなことを書きました。
「性に関する問題はちょっとと考える方も沢山おられるかもしれませんが、「ちがい」の部分に重きをおいて考えてください。私の大学時代の友人に、非常に手汗をかきやすい女性がいました。彼女は、緊張すると、より手汗をかきやすくなり、人と接することを避けるようになったようです。他人からすると、小さな悩みのように感じますが、本人は非常に悩んでいました。特に子どもたちは、どんな小さな悩みも、その時は自分が否定されるではないかと思うくらい、大きな問題として考えている時があります。
今回の講演会は、一人ひとりが「ちがい」を持っているということが分かるだけで救われることがあることを教えてくれた講演だったと思っています。」
昨年の国際関係の学校共通探究活動のテーマは、「マイノリティとの共存」でした。その一環として行われたのが、この講演会であり、この講演会からマイノリティ(少数者)に対する活動が始まりました。
生徒たちは、「ちがい」を意識し、いろいろな活動をしました。LGBT関係だと、図書委員会のレインボー柄のオリジナル栞の作製と一日体験入学へ来た中学生への配布、家庭科履修者による男女共生川柳への作成と応募、そして生徒会役員による女子スラックスの提案などがありました。マイノリティ全体では、難民支援募金、障害者スポーツであるシッティングバレーへの挑戦、郡山支援学校との交流などがありました。
私たちは、小さな力しか持ち合わせていないので、まだまだ大きく社会を変革することができません。しかし、意識を変えることはできると思っています。新たな価値観を持った生徒たちが、10年度、20年後、どのような社会をつくっていこうとするのかが楽しみです。
最後に、その若者たちが、大人、社会、そして未来を信頼することは大切なことです。生徒会役員が提唱した女子スラックスですが、大変遅くなりましたが、完成しました。次年度より、正式な制服として、女子スラックスが導入されること(希望者)が決定しました。あなたたちが、撒いた種はしっかりと実ったのです。あなたたちの意見のすべてを実現させることは、今後も、大変困難なことなのかもしれません。しかし、粘り強く、コミュニケーションを継続すれば、その意見に耳を傾ける人が必ずでてくることを信じて欲しいと思っています。
応援
人は、いとも簡単に、「頑張れ」という言葉を使っていまいます。この『校長雑感』でも、それぞれの記事の最後に「頑張れ」と簡単に書いてしまう自分がいます。その度に、「何だか、軽いな」とか、「響くものがないな」と感じています。その人が一生懸命頑張っていることは十分知っているし、その以上「何を」「どのように」頑張るのか、まったく意味が分からないという思いがあり、単に言葉自体を一方的に相手に投げつけているような感じを持ってしまうからなのでしょう。
しかし、私は、それでも人を応援したいと考えています。指導力も、専門性もあるわけではないですが、それでも人を応援したいと強く思っています。人とかかわる仕事である教員という職業を目指したのも、この人を応援したいという気持ちが根底にあったからなのかもしれません。それは、自分自身が多くの人に支えられてきたと実感しており、人が人を支えることに信頼をおくからです。
応援することは、その人と同じ夢を追いかけることだと思っています。特に、若者たちが、夢を追いかける社会、また、夢を追いかけることを信じられる社会こそが、「平和」な社会だと思っています。
週末に、数多くの生徒たちの試合、コンクールを観させていただいています。そこには、自分の仲間や子どもを、遠路はるばる応援に来ている生徒たち、保護者のみなさんがおります。とても、とても感謝しております。
今回、東北大会を決めた演劇部にも、保護者より「特製」の差し入れがあったそうです。応援してくれる一人一人の気持ちが、闘っている者の背中を押し、苦しい中でのあと一歩の前進につながっているだと思っています。
闘っている者、応援する者に、感謝です。
(演劇部への差し入れと賞状)
台湾②
「『白菜』、『角煮』とは何だ」という声がたくさん寄せられました。
まず、故宮からお話をしましょう。故宮とは、『台湾国立故宮博物館』のことで、中国の歴代の皇帝らによって収集され、明・清の宮城である北京の紫禁城(故宮)に保管されていた歴史的な文化財を保存、展示する博物館のことです。
故宮博物館は、世界4大博物館の1つにも数えられています。世界4大博物館とは、故宮博物館の他に、イギリスの大英博物館、フランスのルーブル美術館、ロシアのエルミタージュ美術館を指します。
この故宮博物館では、中国歴代王朝の皇帝たちが収集した60万点を超える至宝の美術品を所蔵し、そのうち常時約2万点あまりが展示されています。広い館内を周るには最低で半日以上は必要だと言われています。日本の博物館と違って写真撮影OKなので、たくさんの写真を撮ってきてください。ただし、会場内は暗いのと、他の観光客も写真を撮ろうとして混み合うので、気をつけて撮影をしてください。
この故宮博物館の中で、至宝中の至宝と言われるものが何点かあります。その一つが、『白菜』であり、『角煮』です。
『白菜』は、正式には『翠玉白菜』と言われており、ヒスイ輝石の形と天然の色合いを活かして、白い部分を茎に、エメラルド色の部分を葉に見立て、加工されたものです。葉の上には、イナゴとキリギリスも掘られています。
『角煮』は、正式には『肉形石』と言われており、三層に分かれた天然石を色彩と加工を施し、豚の角煮そっくりにしたものです。
ともに、硬い原石を『白菜』、『角煮』に模して、長い月日を掛け丁寧に加工してつくりあげたものです。
中国4000年の技が凝縮したものです。
(『翠玉白菜』と『肉形石』)
(『翠玉白菜』イナゴがいるのがわかります)
(『肉形石』)
最後の高校説明会
本日11月25日(月)、安積高校において郡山地区県立高等学校合同説明会が開催されました。これで、今年度のすべての高校説明会が終了しました。
この合同説明会は、県中地区、県南地区の70校を超える中学校、中等部の進路指導、三学年担当の先生方に対して、各高校の概要、入試について説明するものです。本校でも、国際科学科の特色を説明するとともに、今回は新たな入試が導入される初年度でもありますので、特に特色選抜についてより詳細にお話をさせていただきました。
説明の中でもお話ししましたが、特色選抜で生徒を求める部活動については、「男子のみ」、「女子のみ」、「男女」がありますので、十分に気をつけていただきたいと思います。
以下は、令和2年度の特色選抜で生徒を求める部活動です。
野球部(男子)、サッカー部(男子)、バスケットボール部(男女)、 バレーボール部(女子)、陸上競技部(男女)、ソフトテニス部(男女)、 剣道部(男女)、バドミントン部(女子)、卓球部(男女)、音楽部(男女 音楽部は合唱は不可とする)
入試まではまだまだ時間があります。焦らずにじっくりと時間をかけて学力の育成を図っていただきたいと思っています。
頑張れ、受験生。
演劇部、東北大会へ
11月22日(金)から24日(日)まで、いわき市のいわき芸術文化交流館アリオスで、第73回福島県高等学校演劇コンクールが開催されました。
本校の結果は、優秀賞第一席で、昨年に引き続き、東北大会出場となりました。おめでとうございます。
私は、地区大会、県大会と観ましたが、上位大会に行くほど作品がブラッシュアップされ、宝石が磨き上げられて次第に輝きが増していく様子をみているようで、とても嬉しく思っています。このまま、進化を止めずに、突っ走っていくことを願うばかりです。
東北大会は、12月20日(金)、仙台市の仙台銀行ホールイズミティ21で行われます。是非、お時間がある方は、舞台に情熱を注ぐ高校生の活気溢れる演劇を鑑賞していただきたいと思っています。
さて、今回の上演作品の感想とは大きく離れてしまうのですが、文学作品に触れる、それも古典作品に触れるとなると、私だけでなく多くの人が、アレルギー反応を起こし、ハードルの高さを感じてしまうではないかと思っています。今回の上演作品には和歌を詠むシーンが出てきます。和歌には難しいルールがあり、今の自分の生活とはまったく関係のないことと思ってしまいがちです。しかし、単純に考えれば、和歌を詠むとは、心動かされた瞬間や思いをかたちにしたり、誰かに伝えたいという感情を根底にしているもので、現代で言えば、Twitterで自分の感情を発信したり、Instagramで写真を共有することと、あまり変わらないではないかと思っています。そして、1000年以上残っている表現方法の素晴らしさを味わうことは、このように多様な伝達媒体がある現代だからこそ、大事なことではないかと思います。そして、コミュニケーションとは何かについて考えることにもつながると思っています。
頑張れ、あさか開成高校炎激舞(演劇部)
中間考査、終了
本日、後期の中間考査が終了しました。
生徒の皆さんは、しっかりと今回の考査の反省をしてください。すべての出来事には原因があります。単にテストの点数が取れた、取れなかったに一喜一憂するのではなく、できなかったことに「なぜ」の問いを持ち、その原因を探ってください。そして、後期期末考査に向けて、第一歩を踏み出しましょう。
さて、今年は、例年と違って12月の修学旅行です。2年生も、来週当たりから「修学旅行モード」に入ってくることでしょう。昨年の修学旅行の想い出と言えば、やはりタピオカです。毎日タピオカを飲み、大きな鳥の唐揚げ?を食べたこと、なぜか最初に思い出されます。よっぽど強烈だったのかもしれません。
そこで、昨年の台湾での想い出の写真を紹介したいと思います。
まず、1回目は、郵便ポストの写真です。台湾に行く前から、故宮の「白菜」「角煮」以上に、このポストを見たいと思っていましたが、自由行動があまりなく、諦めていました。しかし、天は我を見放しませんでした。最終日、トイレ休憩によったセブン・イレブン?の前に、そのポストがありました。台風の影響で傾いたそうです。
11月の花 第2弾
現在、正面玄関は、クリスマスのような、お正月のような、華やかさです。
授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の神成真那さんとウルグアイからの留学生ルイスくんの作品が正面玄関に、「彩り」を加えてくれました。
今回の作品は、小豆柳、ヘリコニア、ガーベラ、モンステラを使った作品です。ヘリコニアは、異国情緒溢れる、ユニークな花だと思います。南国系の真っ赤な花が特徴で、この花一つで明るさを出すことができます。
しかし、個人的には、ガーベラの花が大好きです。ガーベラは、陽気で明るい雰囲気を持つ花です。いろいろな色彩を楽しめ、丸く愛らしい花顔を、私はとても気に入っています。今回は、オレンジのガーベラでした。オレンジのガーベラの花言葉は、冒険心と我慢強さだそうです。
ルイスくんの作品を最初に紹介しましょう。これは、鳥をイメージしたのかもしれません。ヘリコニアは、オウムバナ科に属する植物で、「花」がオウムのくちばしのようです。ヘリコニアを鳥の頭に、そしてガーベラを胴体、モンステラを羽に見立てたような作品です。とても、独創的な、冒険心のある作品だと思います。豆知識ですが、ヘリコニアの「花」に見えるところは、実際は花でなく苞だそうです。
神成さんの作品は、お正月を思わせるような、落ち着いた作品となっています。バランスがとても良いと感じます。モンステラが、中央の3本のガーベラを引き立たせ、そして、全体に明るさを出しています。自己主張しなうなヘリコニアも落ち着いて、しっかりと作品に馴染んでいます。何より良いのが、小豆柳です。作品に、おおきな広がりを作り出しています。
二人の作品とも個性が出て、とても良い作品に仕上げっていると思います。
(ルイスくんの作品)
(神成さんの作品)
料理コンクール きのこ編
週末11月16日(土)、郡山市安積総合学習センターで、福島県きのこ料理コンクールが開催されました。このコンクールは、県森林、林業、緑化協会、県きのこ振興協議会の主催で、きのこの正しい知識の普及やきのこ産業の振興を図る目的におこなわれているものです。
そこで、本校の3年生滝沢結衣さんの「福島発 きのこ あら!?茶わん蒸し」が、最優秀賞である知事賞に選ばれました。このコンクールは、一次審査(書類審査)と本審査(調理審査)があり、一次審査では、県内の高校生、大学生等から、170点を超える応募があったようです。書類選考による審査を通過した、滝沢さんの作品を含む7作品が本審査へと足を運んだようです。
滝沢さんの作品は、具材に6種類のきのこを使った、なめこソースのあんかけ茶わん蒸しです。食感と風味のある、だしの効いた料理に仕上げました。滝沢さんは、それぞれのきのこの食感を出すために、いろいろな大きさで試作を繰り返し、試行錯誤を重ねたようです。
滝沢さんは、来年3月に東京で開催される全国大会に出場します。滝沢さんは、「さらなる向上を目指し、技術を磨き、完成度を高めていきたい。そして、全国の人に福島の食材の魅力を広めてきたい」と抱負を述べています。
頑張れ、滝沢さん。
料理コンクール 牛乳編
先日11月9日(土)、牛乳・乳製品利用料理コンクール東北大会が仙台市で開催され、本校3年生の中川翔月(はづき)さんの「~福島発~腹くっちーモーモーおこわ」が審査員長特別賞に選ばれました。
この大会は、牛乳普及協会の主催で、牛乳など乳製品の消費拡大をねらい、高校生以上を対象に牛乳、ヨーグルト、チーズなどを使った料理を募集したものです。福島県からは、中川さんを含め2名が東北大会に臨みました。
中川さんの「~福島発~腹くっちーモーモーおこわ」は、現在の若者に牛乳嫌いが多いということで、どうすれば牛乳を食べやすくすることができるかを考え、完成した作品です。具材として、えごま味噌、キュウリ、いかにんじん等、福島の食材を豊富に使うことで、食べやすさを追求したようです。特に工夫した点は、具材の大きさだそうです。どの程度の大きさにすれば、食感が良くなるかを考え、試行錯誤したようです。最後は、全体を笹の葉で包んで完成となります。特に、笹の葉の利用は、本校の「NO プラスティック ムーブメント」を意識したそうです。「ここまで作り上げて、最後にプラスティックを使うということはないでしょう」と本人は笑いながら話してくれました。
3年生ともなると、何をやるにも、本校の取り組みを意識しながらやるものだと、とても感心した次第です。
あっぱれ、中川さん。
壁とは
元マリナーズのイチロー選手が、「壁というのは、越えられる可能性があるものにしか、やってこない」と言っていました。今回は生徒たちに、この言葉を贈りたい。
昨日11月19日(火)、第72回全日本バレーボール高校選手権大会県代表決定戦、いわゆる「春高バレー」の代表決定戦、兼第47回FTV杯争奪県高校バレーボール選抜優勝大会が、福島市の福島トヨタクラウンアリーナ(国体記念体育館)で行われた。本校は、郡山東高等学校と対戦し1-2と惜しくも敗退してしまった。
9月以降、2年生主体の新人チームの数多くの試合を観てきた。各運動部が、現在の持てる力を発揮し、奮闘していることが実感できる試合が多い。ソフトテニス部、剣道部、卓球部、サッカー部、バスケットボール部、然りである。そして、また応援が素晴らしい。勇気をもらえる、大きな声が響くようになった。技術的にはまだまだ改善しなければならない点はあるが、本当にステップアップしていることがうかがえる。
力を付けてくれば、必ず現れるのが「壁」である。その「壁」をどのように考えるかだ。イチローは、「夢や目標を達成するには1つしか方法がない。小さなことを積み重ねること」、「結果が出ないとき、どういう自分でいられるか。決してあきらめない姿勢が何かを生み出すきっかけを作る。」とも言っている。私たちの進むべき道は、あるか遠くまで続く。この山を越えれば良いというものでもない。自分自身を信じた先にゴールはあり、それがどこかは分からない。しかし、一つ分かることは、諦めてしまえば、何も得ずに終わってしまうということだけである。
生徒諸君、「壁」や「試練」を、堂々と楽しもうではないか。
英語プレゼンコンテスト
先日11月16日(土)、福島市の杉妻会館で、第4回福島県高等学校英語プレゼンテーションコンテストが開催されました。このコンテストは、福島県の未来を担う高校生が英語でプレゼンテーションを行い、日本や世界で問題になっていること、国際理解・国際協力、ふくしまの復興や将来像に関する自分たちの意見や考え、メッセージを県内外に広く発信することをとおして、グローバル人材の育成を図ることを目的に行われているもので、今回で第4回目を迎えるものです。3人1チームで行われ、5分のプレゼンの後、審査員による3分間のクエスチョンタイムがあります。
本校からは、今年度オーストラリア研修に行った1年生の西澤叶真くん、加藤稜大くん、大内綾乃さんが参加してきました。発表した内容は、「Protect Our Oceans from Plastic(プラスティックから私たちの海を守ろう)」で、オーストラリアで実際にみてきた現地の脱プラスティック、リサイクルの取り組みや今年度本校全体で取り組んだ「NO プラスティック」ムーブメントを紹介するとともに、今後自分たちがすべきことについて発表してきました。入賞はできなかったものの、堂々とした発表でした。
これで、今年度1年間のオーストラリア研修のすべてが終わることになります。しかし、本当の探究は、ここからが始まりです。今回の研修、発表で、多くのものを見、聞き、感じてきました。これは大きな経験です。できたこと、できなかったことを十分に整理し、今後の探究活動のテーマへつなげていって欲しいと願っています。
おもてなし
昨日11月14日(木)、5・6校時に、総合的な学習の時間で、2020東京オリンピック・パラリンピック教育推進の一環として、1年生を対象に、海外からのお客様をお迎えするためのグローバルマナーの基礎を学び、自己を確立し他者を受容する心、社会に貢献しようとする心等のボランティアマインドを育成することを目的として、筑波大学客員教授の江上いずみ氏を招聘し、「グローバルマナーとおもてなしの心」を演題に、講演会が開催されました。
江上氏は、30年間、日本航空の客室乗務員として勤務し、その間、「おもてなしの心」をポリシーに機内サービスの向上、後進の指導に当たり、数多くのお客様の褒詞によりCS部長表彰、本部長表彰等多数の表彰を受けた方です。また、日本航空退社後は筑波大学客員教授に就任し、現在、年間250件を越す講演会を実施しながら、「おもてなし学」の構築に取り組んでいます。
昨日の講演で特に印象に残っているところは、「おもてなしの心」はユニバーサルなものだということです。つまり、「おもてなしの心」は、外国人を迎えるときのみに大切なものではなく、普段の生活、そして、すべての人間関係において、とても重要なものであることがわかりました。
講演内のお話をひとつしましょう。「笑顔は一円もかからないおしゃれ」と笑顔の大切さをお話しした際、では、視覚障害者に対して、笑顔を伝えるためにはどのようなことをすれば良いかを考えてくださいと言われました。数秒間ですが、とても考え込みました。想像力の貧困な私は、思考が同じところをくるくると空回りしているのを感じました。答えは、簡単でした。明るい声、江上氏いわく「笑声」で話しかけるということでした。言われて、はっとしました。人は、必ず、外界とのチャンネルを持って生活をしています。あらゆる感覚が世界とつながっているということを忘れていました。わかり合えるもので代替すれば良いだけだったのです。私が普段、言葉が話せないから壁ができているのではなく、できないという気持ちが壁を作り出しているのだと、生徒に話していることと同じことでした。多様性のある、つまりダイバシティの社会を構築していくためには、まず、偏見を捨て、他者をきちんと理解すること、そして、信頼することが大切です。「おもてなしの心」とはそういうものなのかもしれません。
少し話が逸れるかもしれませんが、若い頃、先輩から生徒を「みる目」を育てなさいと教わりました。「みる」には、見る、観る、看る、視る、覧るなど、多くの言葉が当てはまります。多くの感覚で生徒を「みて」、多くの「ことば」で伝えることの大切さを教わりました。
講演会終了後、本日の講演を聴いていただいた生徒たちに感謝の気持ちを伝えたいと江上氏は、200名の生徒全員を体育館出口で「ありがとうございました」と声かけをしながら見送りました。それに対して、握手を求めたり、ハグをしたりする生徒もおりました。「おもてなしの心」を少しは実践できるようになったなと感じた瞬間でした。
(おもてないとサービスの違い)
おもてなし・・・見返りをもとめない対応
サービズ・・・・主従関係あり
(関根学年主任への質問)
関根先生は、どのようにして通知表を生徒に手渡しますか?
(講演の最後に、生徒たちへエール)
本日は、あさか開成航空にご乗車いただき、大変ありがとうございました。・・・
(1年生200名を見送る江上氏)
11月の花、その後
先日13日(水)に紹介した阿部さんとルイスくんの作品の百合の花が咲き始めました。
やはり、百合の花が咲くと、大きく雰囲気が変わります。可憐さだけでなく、豪華さも加わってきたような感じを受けます。毎日、少しずつ変わっていく変化に気付き、楽しむことは、気持ちが豊かにもつながります。
生徒に感謝です。
(阿部さんの作品)
(ルイスくんの作品)
平和とは⑥
平和とは一体どのようなものでしょうか。
以前、私は、「平和とは、一人ひとりが自己の可能性を信じて、他者と協力しながら、その可能性を追い求めることができる状態である」と書きました。一言で言えば、「暴力」がない状態と考えています。
少し話は逸れますが、この平和の考え方が、国際科学科である本校の目指す教育像にもつながっていることを確認したいと思います。本校のモットーは、前鈴木校長が残してくれた「I can do it」です。自分を信じ仲間を信じる力を、明日が今以上に素晴らしいと思える力を、仲間の夢を自分の夢のように喜ぶ力を、そして、何度も転びながらも起き上がり、未来を信じ行動する力を、生徒に身に付けさせていきたいと思っています。
話を戻しましょう。では、「暴力」とは一体どのようなものなのでしょうか。「暴力」=戦争という簡単な図式ではありません。
ノルウェーの学者ヨハン・ガルトゥング氏は、「暴力」には、「主体的暴力」と「構造的暴力」とがあると言っています。そして、彼は、戦争のない状態である「消極的平和」だけではなく、貧困、抑圧、差別など構造的暴力のない状態である「積極的平和」をも目指さなければならないと強く訴えています。
「主体的暴力」とは、主語がはっきりとした暴力で、戦争などが示すように「誰かが誰かを倒そうと攻撃している」と表現することができます。しかし、差別や飢餓、貧困など主語のはっきりしない、つまり社会構造そのものに組み込まれてしまっている暴力もあるのです。それを、「構造的暴力」と呼びます。「構造的暴力」は、社会構造に組み込まれてしまっているために、気付かずに人生を終えてしまうこともあります。例えば、「お金がないから、進学することはできない」などは、これに当てはまるでしょう。差別や貧困は、その人の潜在的人格を発揮できない状態にし、その人から夢や希望を奪ってしまうのです。
では、どのように平和をつくっていかなければならないのか。
この半年をかけて、少しずつでもいいので、考えていきましょう。校長室はいつも開いていますので、お話しに来てください。
Let's think.
山を張る
いよいよ後期中間考査が19日より始まります。本日も、放課後、教室に多くの生徒が残っています。生徒の皆さん、準備は万端でしょうか。
2、3年生については、第二外国語や実習を中心とした一部の科目の試験が14日より実施されるようです。少し長めの考査期間にはなりますが、集中力を切らさないようにしてください。
後期中間考査は22日まで続くことになります。その間、遅くても13時にはすべてのテストが終了しますので、生徒は普段よりも早く帰ることになります。ご家庭におきましてもご指導をよろしくお願いします。
考査を控え、少し勉強の仕方について、お話をしたいと思います。
「山を張る(掛ける)」と言う言葉があります。リスクを負いながらも、大きな賭の勝負に出ることをいう意味です。「山」は「鉱山」のことで、「山を張る」とは金や銀などの貴重な鉱脈のありそうな山を予想して掘り当てようとすることです。そこから、確実性のないところに労力を投下するという意味で使われるようになりました。特に現在は、試験勉強などで出題される問題を予想して、そこだけを覚えるというやり方で使われることが多いようです。
高校時代の私の友人の話をします。彼は、有名国立大学へ入学した秀才でした。高校1年生の頃、試験の前に、彼が私に、今度の数学はどこが出題されそうかを聞いてきたのです。予想しているところを答えると、彼もうなずき、大体同じだと言うのです。その話を聞いて、私は安心したのですが、彼は続けて、私にいくつかのアドバイスをしてくれました。最後まで聞いていると、彼のいわゆる「山の張った」ところは、すべての出題範囲でした。こいつには勝てないと思った瞬間でした。
前にも書きましたが、この時期、生徒から「もっと時間が欲しい」「時間が足りない」という言葉を聞く度に、少しだけうれしくなります。何かに取り組みはじめ、少しでも分かり始めると「これも、あれもしないと駄目だ」と気付き始めるからです。何かをやり始めなければ、時間が必要なのかどうかも分からないのです。そのため、「時間が欲しい」という言葉を聞くと、何かやり始めたなと感じることができるので、少しだけうれしくなります。
「少しだけ」というのは、そのことを考査期間ではなく、普段の生活の中で分かって欲しいという欲張りな願いです。部活などで、あと1点、1ポイントがとれない理由が、そこにあるのかもしれません。
時間は、人間に平等に与えられた数少ないものの一つです。その貴重な時間をどのように使うのかを決定するのは自分自身です。この平等に与えられた時間をどのように使うかを学ぶところが学校だと考えています。時間を考えることは、自己を磨くことにつながると考えています。
頑張れ、あさか開成生。「We are one. You can do it」
11月の花
授業「日本の伝統文化」の生徒、3年生の阿部咲楽さんとパラグアイからの留学生ルイスくんの作品が正面玄関を飾っています。
今回は、二人の作品ともに、クジャクソウ、透百合、千日紅、モンステラを使ったものです。
残念なことに、まだ、百合が咲いていません。百合が咲いたら、ずっと雰囲気が変わるだろうなと思っています。
まず、阿部さんの作品は、枝の先に咲く小さな、可憐な白いクジャクソウの花をまとめ上げ、華やかさを出しています。クジャクソウも、まだ、咲ききっていないようですので、まだまだ華やかになることでしょう。そして、中央にある赤の千日紅がアクセントになっています。また、モンステラも切り込みを入れて、全体を邪魔しないように工夫しています。百合が咲いたら、今以上に華やかになるだろうと勝手に想像してしまいます。そして、ルイスくんの作品ですが、丈が高くなるクジャクソウの特徴を利用し、百合と競わせるようにクジャクソウを上部にも添えました。非常に高さがあり、迫力のある面白い作品となっています。
二人の作品とも個性が出て、とても良い作品に仕上げっていると思います。
ちなみに、クジャクソウの名前の由来は、いくつも枝分かれした枝の先に咲かせる花の様子が孔雀の羽のように見えることからだそうです。キク科の仲間で、原産地は北アメリカです。日が短くなることで花が咲き出す短日植物です。
また、千日紅の赤いものは、花ではなく、つぼみを包む葉が変形した部分「苞」です。千日紅の苞の色は、色あせにくく、千日も鑑賞できることから名前がついたそうです。
11月も生徒に感謝です。
(阿部さんの作品)
(ルイスくんの作品)
募集要項アップロード
昨日、本校の令和2年度前期選抜募集要項・特色選抜志願理由書及び令和2年度外国人生徒等に係る特別枠選抜募集要項を、本校ホームページにアップロードしました。
募集要項のアップロードは、昨日より今週の金曜日15日までとなっています。今週末には、各高校の募集要項が出そろうことになり、各高校の入試概要も概ね判明することになります。
令和2年度に向け、新たな入試制度が始まります。現在の中学校3年生、そして、その保護者の方々は不安でいっぱいでしょう。そのため、各中学校で行われた高校説明会では、多くの時間を高校入試改革の説明に充てたつもりです。今後も、中学校側と連携をとりながら、わかりやすい入試制度をつくりあげていきたいと思っています。
さて、今年度も、6月より始まった中学校主催の高校説明会が、10月30日の船引中学校を最後にすべて終了しました。今年度は、本校では、前半(6月~7月)が14校、後半(9月~10月)が17校、計31校の中学校の高校説明会に参加してきました。昨年は27校でしたので、4校増加したことになります。
本校の概要説明では、本校が国際科学科であり、校内では、「マイノリティとの共存」「NO プラスティック ムーブメント」など、学校全体で共通のテーマを持ちながら、その課題解決に向けて、生徒が取り組んでいる様子をお話ししました。そして、その延長線上に、オーストラリア研修、その他の海外研修があり、決して語学力向上のみを目的に海外に行っているのではなく、海外の人々との交流をすすめる中で異文化理解を図ることが大きな目的であることを説明しました。海外研修以上に参加人数の多い国内での各種研修、セミナーでも目的は同じで、積極的に同世代や異世代の人々との交流をとおして、課題の発見、課題の共有を図っていることが大きな目的です。学校は閉じられものではなく、開かれたものとして考え、社会との交流を通して知を蓄積するという本校の基本的な考え方を説明してきました。
今月の25日(月)には、安積高等学校で、中学校の進路指導関係の先生方に向けて、郡山地区県立高等学校合同説明会が開催されます。例年、県中、県南の中学校を中心に80校以上が参加する大きなイベントです。これで、すべての高校説明会が終了し、入試本番となっていきます。
最後に、本校では、11月より外国人生徒等に係る特別枠選抜に関する教育相談を始めています。特別枠選抜を考えている受験生のみなさん、中学校の担任の先生は、特別枠の入試だけでなく、入学後の授業の受け方についても説明を行っていますので、まずは、中学校をとおしてお電話をしていただいと思っています。特別枠の入学願書の配布も行っております。
頑張れ、中学3年生。
中間考査、近づく
先週の金曜日11月8日は、立冬でした。
立冬を過ぎると季節も冬となり、寒さが一段と身にしみるようになってきます。
本日は、朝からパラパラと冷たい雨が降っています。この時期の雨を「時雨(しぐれ)」と言います。これから、初霜、初氷など季節の便りが届くようになり、冬本番となっていくことでしょう。
さて、11月の声を聞き、後期中間考査が近づいていることを気にしている生徒も多いことでしょう。後期中間考査は、11月19日(火)から22日(金)まで行われます。前期は部活動などで学習のペースがつかめなかった生徒は、後期は挽回するチャンスです。計画的な考査の向けの勉強を始めてください。
これから先、ピンと張り詰めた空気を感じ、体の芯も凍てつくような朝もあることでしょう。体調管理には十分に気をつけ、中間考査を頑張ってください。
頑張れ、あさか開成生。
発表会、終了
本日、令和元年度国際理解・国際交流発表会が開催され、無事終了しました。
今年も、講演会、発表会から多くのことを学びました
被爆体験伝承者である辻靖司さんの「ヒロシマからの手紙」では、被爆者が背負う幾十もの苦難を聴き、胸が張り裂ける思いがしました。私たちは戦争がない平和な世界の実現に向け、全力を傾けなければならいことを改めて感じました。また、生徒たちが、不安や困難と闘いながらも自己の可能性を追い求め、自己と他者、世界の関わりを考えた数々の研修の発表を聴き、とても感動しました。
研修のすべてが、順風満帆でなかったこと、その中で涙したこと、心が折れそうになったこと、しかし、自分をきちんと表現すると、周りには必ず優しき理解者が存在していることも分かりました。
あいさつでも、みなさんに申し上げましたが、私たちにできることはたくさんあります。今回の講演会、発表会の内容を友達や家族のみなさんとお話をすることも、そのひとつです。自分自身の考えを含め、いろいろなお話をしてください。
最後に、本日、講演会、発表会を参観に来ていただいて保護者の皆さまに感謝を申し上げたいと思います。
来年の発表会を楽しみに、また1年間、待ちたいと思います。
平和とは⑤
『平和について』の連載が5回目になってきました。こんなに続くとは考えていませんでしたが、みなさんは、私が訴える平和について少しは理解できたでしょうか。
私は、平和とは単に戦いがない状態を指すのではなく、貧困、飢餓、病気、そして差別がなく、人々が安全に安心して暮らせる状態だと思っています。その一つの象徴が「笑顔」です。本校のよさこい部やフラ・タヒチアンダンス同好会等の生徒に、一番大事なものは笑顔だよと言っている理由はそこにあります。自分たちが笑顔でなければ、周りの人に笑顔を届けることはできないと思っています。
話が逸れそうですので戻します。
明日の発表会では被爆体験伝承講話がありますので、戦争にもたらすものについて考えてみましょう。
総力戦という言葉を知っていますか。
世界史を学んだ人なら、第1次、第2次世界大戦で出てくるので覚えている人も多いと思います。総力戦とは、国家の総力を結集した戦争のことで、第1次、第2次世界大戦では、単に交戦国の軍隊が戦うだけでなく,互いにその経済,文化,思想,宣伝などあらゆる部門を戦争目的のために再編し,国民生活を統制して国家のすべての能力を戦争目的に動員して戦う戦術がとられました。すべてが戦争を遂行するために統制されるわけですから、物資の生産も、思想も、戦争のために統制されるようになります。すべての工場が武器を開発、生産し、すべてのメディアが戦争遂行のために使われることになるのです。総力戦になると、戦争の勝敗を左右するのが兵士、武器、物資の補給となります。兵士を補給し、武器や物資を生産するのは非武装地代である普通の都市や村落です。そのため、戦争を有利にするためには、航空機を利用して制空権を掌握し、その補給拠点、生産拠点である普通の都市や村落に空爆を繰り返すのです。その空爆のため、港湾、空港、工場だけでなく、普通の集落も焼け野原となっていきます。広島、長崎では、最新の大量破壊兵器である原爆が投下されました。このように、総力戦となった戦争では、前線で兵士が犠牲となるだけでなく、非武装地帯である都市・村落も破壊、人々が犠牲者となっていくのです。
その総力戦は、核兵器の出現により、全面的な戦争がしづらくなって終了したと言われています。
では、戦争は何をもたらすでしょうか。
単に兵士だけの犠牲だけではありません。兵士ではない一般の市民が、空爆により、そして広島や長崎では原爆により、恐怖を味わうとともに多くの犠牲がでています。そして、焼け野原となった都市では社会機能は失われ、人々は貧困、飢餓に巻き込まれることになります。広島、長崎の人たちは、その後、放射能にも悩まされました。また、負傷した兵士や広島、長崎の人々は偏見にも悩まされたことでしょう。
このように、戦争がもたらすものは一つではありません。戦争がもたらすものは、重層的な苦難です。だから、戦争が終了しても、未来を描くことができない社会だけが残され、復興に多くの時間と労力が必要となってくるのです。これが戦争のもたらすものだと考えます。
しかし、もう一つ忘れてはいけないことがあります。「十五年戦争」の舞台となったのは、中国、朝鮮、東南アジアの国々であったことです。戦争の舞台となった地域はより大きな被害を受けたことを見逃してはいけません。
福島県議会議員一般選挙
福島県議会議員一般選挙が、今週末の日曜日11月10日に投票日となります。3年生で、選挙資格を持っている人は、是非投票に行ってください。
主権者教育とは、どのようなものでしょうか。主権者教育は、単に若者に選挙に行かせるため、また、選挙の仕組みを知るためのものではありません。主権者教育とは、様々な利害が複雑に絡み合う現代の社会の中で、社会が直面する課題について考え、できるだけ多くの合意を形成し、今とこれからの社会をつくるために政治に参画することを目指す教育だと考えています。社会を知り、その社会の課題について考え、それぞれが意見を持ち、議論して決める過程を学ぶことだと考えています。
現在の3年生は、昨年12月に、校内での模擬選挙を経験しています。その中で学んだことを活かすチャンスです。今の社会で何が問題なのか、どのような社会をつくりたいか、より多くの情報を集めて、考え、投票を行ってください。
発表会に向け
明日11月8日(金)、本校の学習面での最大のイベントである国際理解・国際交流発表会が開催されます。
11月1日より昨日まで、放課後、発表者のリハーサルが第1体育館のステージで行われました。生徒たちは、自分で作ってきたパワーポイントや動画の動作確認、ストップウォッチを使っての発表時間の確認などをして、最終調整を行っていました。
今回の発表会は、例年とは違い、最初に講演会を実施してから、生徒の発表となる日程となっています。
今年の講演会は、広島平和記念資料館のピースボランティアを長年している辻靖司氏を迎え、「ヒロシマからの手紙」を演題とした被爆体験伝承講話を開催します。伝承講話をお聴きになりたい保護者の方は、全体開会式が午前9時より始まりますので、9時までは第一体育館にお入りください。講演会は60分の予定です。なお、本校は「NO プラスティック」ムーブメントを実施中ですので、各自下足入れを持参してください。
その後、午前10時50分より、生徒の発表が行われます。発表順は次のようになっています。
① 10:50~ オーストラリア研修(20分)
② 11:10~ 韓国研修(20分)
③ 11:30~ ベラルーシ研修(20分)
④ 11:55~ アメリカ研修、ドイツ研修、イタリア留学(25分)
⑤ 12:20~ ふくしま環境フォーラム(15分)
12:35~13:25 昼食
⑥ 13:25~ 東京2020オリンピック・パラリンピック(25分)
⑦ 13:50~ 1学年(15分)
⑧ 14:05~ パラグアイ留学生ルイスくん(10分)
⑨ 14:15~ 平和について(10分)
※2年生修学旅行、徳島県修、女子キャリアメンタルプルグラムは展示発表
1年間の研修のまとめです。発表者のみなさん、頑張ってください。
(パラグアイからの1年間の長期留学生ルイスくんのリハーサル風景)
留学生ロス
先週の金曜日で短期留学生、異地区間交流留学生8名の留学期間が終了し、それぞれの地に帰りました。
今週1週間ほどは、本校生徒は留学生ロスに陥るのではないでしょうか。
先週金曜日、17時30分過ぎに、ジェゾンとウィルを除く留学生6名が校長室を訪れ、最後のあいさつをしました。ハーナーは校長室を訪れたときからずっと泣きっぱなしでした。留学生は、口々に、とても楽しかった、とても充実していたと1ヶ月、1週間の感想を述べてくれました。その一言を聞いて、そして笑顔を見て、とても安心しました。
私からは、「君たちが多くのものを得たように、本校生徒も多くのものを得ることができた。ありがとう」と感謝の言葉をおくりました。
留学生のみなさん、とてもありがとう。
(留学生6名と校長室にて)
平和とは④
以前、貧困について、生徒と話をすることがありました。生徒は、大学入試の問題で行き詰まっているようでした。
まず、「貧困とはどのようなものか」と質問をしてみました。いつも感じることですが、今の生徒はとっても真面目ですが、考え方に遊びがない。だから、「正解」と判断できるまで、自分の腹の内は見せないことが多いと感じます。だから、このような質問をすると、頭の中で完璧な正解を求めて、求めて、そして求めて、会話が止まっています。
そこで、「途上国でみんながお腹をすかせている状態と日本で一人だけ給食を食べられない状態では、どちらがより貧困のダメージを受けるか」と、次の質問をしてみました。
これも、とっても難しい問題ではないかと考えます。また、会話が滞ってしまいました。
そこで、貧困について少し説明しました。
貧困には、『絶対的貧困』と『相対的貧困』があり、『絶対的貧困』は生存するために必要な栄養量が不足している状態であり、『相対的貧困』は生活している社会の生活レベル以下の状態を指しています。生存を直結する『絶対的貧困』に比べれば、『相対的貧困』は大きな問題とはならないというかもしれませんが、『相対的貧困』がその人に与える疎外感や精神的ダメージも無視できない問題であることは確かで、現在、日本においても「子どもの貧困」として大きな問題になっています。このように、『絶対的貧困』と『相対的貧困』を簡単に比べることはできないということを教えました。
次に、その生徒と会ったときに、また同じ質問「貧困とはどのようなものか」と質問をしました。優等生です。今度は、「貧困とはあるレベル以下で生活を強いられている状態を言い、絶対的貧困と相対的貧困があります。私は、どちらの貧困も軽重の差はないと感じています。貧困は、個人レベルの問題で解決する問題とは考えていません。国際社会を含めた社会全体で解決する問題と思っています」と答えました。
私は、「私の貧困のとらえ方は、人々一人一人が、自分がなりたいと思う未来を奪うことが、貧困だと考える。君はどう思うか」と問いかけました。また、会話が止まってしまいました。
その後、何回か、貧困の中の平等など貧困について、議論をしたのを覚えています。
生徒にとっては、タチの悪い人間に質問をしてしまったと後悔をしたことでしょう。
平和ではない状態はたくさんあります。貧困もその一つです。平和とは、自分がなりたいと思う未来を自分自身の努力で達成できる状態を指すと思っています。
今の世界は、みなさんにとって平和でしょうか。
ふくしま教育週間
本日11月1日(金)より7日(木)まで、ふくしま教育週間です。本校では、保護者や地域のご理解・ご協力のもと、地域とともに歩む学校を目指し、従来より平常の授業の参観を積極的に進めてまいりましたが、11月8日(金)には1年間の国際関係の学習のまとめともなります『国際理解・交流発表会』もありますので、この機会に学校に足を運んでいただき、お子様の学校での生活の様子をご覧いただければと思っております。授業を参観される場合には、まず事務室の方で受付を済ませてからお願いします。
さて、話は少し変わりますが、本日11月1日(金)で、短期留学生・異地区間交流留学生の計8名の留学生が、本校での全プログラムを終え、それぞれの地へ帰ることになります。
昨日は、1、2年生ともに今週で終了になる留学生との最後の交流のために、学年全体のお別れ会が開催されました。私も様子を見に行きましたが、馴染みすぎていて、留学生の姿を探すことはとても大変でした。毎年感じることなのですが、留学生の学校生活に馴染んでいく適応力の高さ、日本語や日本文化を吸収しようとする情熱、直向きさには驚かされます。
短期留学生の5名は、約1ヶ月間、1年生と同じ授業を受け、遠足などの行事にも参加し、学校での生活をともにしてきました。また、異地区間交流留学生の3名は、今週1週間という短い期間ではありましたが、2年生のクラスに配置され、2年生と学習・生活をともにしてきました。
長短の差こそあれ、生活習慣の違う見知らぬ地で不安と闘いながらも、同世代の仲間と交流を深め得たものは何事にも変えられないものでしょう。本校生徒にとっても、代え難い経験ができたと思っております。
最後になりますが、8名の留学生は地域や生徒のご家庭にホームステイしております。ホストファミリーになられたご家庭のみなさま、大変お世話になりました。今後も、本校の国際交流事業に対するご理解・ご協力をお願いいたします。
(昨日の2年生のお別れ会の様子)
(昨日の1年生のお別れ会の様子)
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