News&Topics

タグ:チャレンジ研修

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その6 京都・池坊生け花で福島を発信

12月23日(金)最終日の午前は、池坊で生け花研修を行いました。この研修の目的は、生け花を通した交流と福島の復興・魅力を「花」で発信することです。私たちが選んだ花は、南相馬市小高区に移住し、花を栽培・販売する「hinataba(ヒナタバ)」さんの「ラナンキュラス」です。一輪だけでもときめくかわいらしさに、福島の魅力があふれています。「ふくしまの花を愛でる」素敵な逸品をお届けすることができました。華道家元池坊では、聖徳太子が創建した「六角堂」や「資料館」を見学させていただき、池坊や生花の歴史や起源について理解を深めることもできました。研修では、「生花(しょうか)」を体験させていただきました。いつもの「自由花」とは違った生け方に、とまどいや緊張の面持ちの生徒達でしたが、教えていただく中で華道の奥深さを感じました。さらに、福島の「ラナンキュラス」とともに福島の復興の思いを伝えさせていただき、飾っていただきました。

【生徒感想】

・普段部活で行っている自由花ではなく決まりに沿って花を生ける生花について、先生直々に生け方を教えていただき、とても貴重な経験ができました。生ける順番や場所にも細かな指定があり、自由花では経験できないものだったので、とても興味深く、もっと華道についての学びを深めたいと思いました。なかなか訪れることのできない池坊御家元に行き、丁寧な指導が受けられて本当に楽しかったですし、より一層普段のお花の稽古に力を入れていきたいと思いました。(1年阿部)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その5 京都光華高校との交流

3日目 12月22日(木)午後のプログラムは、京都光華高校との交流活動です。8月に一度、ホープツーリズムで来県した時に交流させていただいた御礼も込めて、学校を訪問させていただきました。

京都市の中心部にある美しい校舎に生徒達のテンションも上がります。さらに、明るい笑顔で迎えていただき、生徒達の表情も自然とほころびます。今回の参加者にははじめて交流する生徒も多かったため、両校の学校紹介からはじめ、グループワークでは「ito」というカードゲームで仲を深めます。ゲームで場があたたまったところで、グループに分かれて、学校案内をしていただきました。美しい校舎と充実した設備に目を丸くする生徒達。そのあと、全員戻ってきたところで、本校代表生徒による「ふくしまクイズ」をしました。ふくしまの魅力、そして、風評被害の問題まで出題しました。みな楽しく、真剣に取り組んでくれて、発表した生徒も嬉しかったようです。続いて、京都光華高校からは、伝統文化和歌「披講」の披露。始まったとたん、空気感が変わり、張りのある声と響きに感動しました。

最後は、「きぼうのとり」読み聞かせワークショップ。各グループごとに「きぼうのとり」の絵本を朗読し、みんなで意見を交流させました。そのあと、メッセージカードに「ふくしま」と「きぼうのとり」を自由にデコレーションしてもらい、「ふくしまへのメッセージ」を書いてもらいました。

「きぼうのとり」がふくしまと京都をつないでくれました。夏にお預かりした「きぼうのとりエコバッグ」を完成させて、お届けすることもできました。さらに、本校オリジナルの「ふくしまSDGsクッキー」「しんせい山のカレー」でふくしまの復興と魅力もお届けできたと思います。

 京都光華高校のみなさま、本当にありがとうございました。

【生徒の感想】

・放射線検査を知らない人がたくさんいて驚きました。福島の人たちは全員知ってると言ってもいいぐらいですが、福島から離れたところは知らない人がたくさんいるんだなと感じました。ですが、みんな福島の食べ物を偏見で買わなかったり食べなかったりしていないので嬉しかったです。学校案内やカードゲームで仲良くなれました。絵本の読み聞かせも真剣に聞いてくれて感想も「福島のことをもっと知れた気がした。」と言ってくれて、読んでよかったと思いました。(2年佐藤)

・京都光華高校との交流をして、高校の違いや、京都光華高校の良さを知ることで、改めてあさか開成の良さも再認識することが出来た。「和歌の披講」を生で聞くことができ、新鮮で感動的な体験となった。「絵本きぼうのとり」を使って東日本大震災について交流することで、お互い震災について、理解を深めることができた。その際、京都の高校の人は福島の食物を危険だと思っておらず、風評被害が起こっていなかったことを知った。(1年吉田)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その4 語り継ぐ「1.17希望の架け橋」との交流と阪神淡路大震災

2日目 12月21日(水)の最後のプログラムは、「1.17希望の架け橋」様との交流です。「1.17希望の架け橋」様は、阪神淡路大震災を知らない若い世代(10代から20代)が語り部活動などを行っているグループです。

 中通りに位置する本校に通学する生徒の多くは、東日本大震災の津波の被害を受けていません。また、震災から11年以上経過し、当時小学入学前だった生徒にとって、震災はどこか他人事で遠くの出来事に感じることも多いようです。そのような中で語り部活動を行う際、「直接体験していないし、記憶もないのに語ってよいものか」という葛藤を感じる生徒も少なからずおります。そこで、「1.17希望の架け橋」様が、「震災を知らない」「若い世代」が「語り部活動」を行っていることを知り、この交流が「震災を伝えるとはどういうことか」考えるきっかけとなってほしいと願い企画しました。

代表の藤原様はじめ4名の若いゲストに、生徒達は興味津々でしたが、活動内容や活動を始めるきっかけ、その思いを聞いていくうちに、尊敬のまなざしに変わっていきました。ゲストの中には、高校3年生もおり、自分たちと変わらない世代が、信念をもって語り伝える活動をしている姿に大きな刺激を受けたようでした。

交流の後、1月17日に神戸市で行われる「1.17のつどい」で設置される紙灯籠を書かせていただきました。「つなげよう」や「Help each other」など思いを込めたメッセージで絆を深めることができました。1.17は、福島から思いを送りたいと思います。交流させていただき、本当にありがとうございました。

さらに翌日は、阪神淡路大震災について、フィールドワークや見学をすることで、理解を深めました。「災害」はいつやってくるのかわからないものであり、過去の災害を教訓として「語り継ぐ」ことの必要性や「減災」「防災」の取組の必要性を強く感じました。

【生徒の感想】

・歳が近いかたが伝承をしようと活動されている姿が私たちにとって先輩のような存在でとてもすごいと思いました。「小学生や中学生は震災を経験していない同士だからこそ、話を聞いてくれる」という言葉が印象に残っています。「聞いた話を大事なところをピックアップし、インパクトを持たせながらお話をされている」と言っていて、私も意識しながら機会がある時は話したいと思いました。また、風評被害についても「神戸の人は支援したいという気持ちのほうが強いと思う。」とおっしゃっていて凄く嬉しいことだと思いました。(2年相樂)

・1.17希望の架け橋に中学生から参加している方もいるということを聞き私もそのような行動力が必要なのだと思った。また、さまざまな県のからも集まり団体に参加している方もいることが分かった。若者が自ら発信して次世代に伝える大切さを改めて知ることができた。(2年丹治)

・若いのに「風化させない」と強い気持ちで組織を作り活動していて行動力がすごいと思いました。これからは避難持ち出し袋に小銭を入れようと思いました。より震災について知ってもらうために「インパクト」を持たせることを工夫していることが分かりました。(2年室井)

・同年代の語り人と交流したのは初めてだったので、とても新鮮で面白かったです。みんな楽しそうに真剣に取り組んでいたので、本当に伝えたいという意思が伝わってきました。参考にすると共に、私たちも負けてられないな、と思いました。(2年渡邊)

震災の記憶と教訓を次の世代へ ~広島・倉敷・神戸・京都・大阪への研修旅行 その3倉敷市SDGsの取組

2日目、12月21日(水)の午後は、SDGsと地域活性化に貢献している岡山県倉敷市児島の老舗ジーンズメーカー「ベティスミス」様に訪問させていただきました。

岡山県倉敷市は2020年7月に「SDGs未来都市」に選定され、SDGs推進を行う「倉敷市・高梁川流域SDGsパートナー」と共にその達成に向け取り組んでいます。パートナー登録団体は、298団体(2023年01月05日現在)です。「ベティスミス」様もそのパートナー団体の一つです。段ボールや紙の再利用をはじめ、裁断後の生地も破断して 活用することで、生産時のゴミを減らす「エコベティプロジェクト」や「ジーンズミュージアム&ヴィレッジ」により、年間約5万人が訪れる児島の観光スポットで地域に貢献するだけでなく、ジーンズづくり体験を通した地場産業の学びを提供する取組をされています。また、ハウスメーカーや紳士服、シート生地などアパレル業界の枠を超え、様々なコラボレーションを実現し、パートナーシップを実現し、SDGsや地域活性化を目指しています。

生徒達は、大島様の案内により、施設を見学させていただき、SDGsやまちづくりについて理解を深めました。

また、ジーンスの端布を使ったオリジナルのキーホルダー(ストラップ)づくりを体験させていただきました。施設内には、ジーンズの歴史や環境に配慮した製品作りを学ぶことができる建物やお買い物ができるショップに加えて、フォトスポットもたくさんあり、時間が足りないほどでした。

【生徒の感想】

・ベティスミスには工場だけでなく、ミュージアムやお店などいろいろあって楽しむことができました。ミュージアムではジーンズの歴史について知り、たくさんのジーンズを見ることができました。また、体験工場で手作りのキーホルダーを作ることが出来ました。オリジナルのものを作ることで大切にしたいなという気持ちがあり、服もオーダーしたものだと大切に思うようになるのではと考えました。また、余った生地を小物に再利用していて、とても環境に配慮されていて、そのような活用法もあるのだと学ぶことができました。とくに印象に残っている言葉は、まちづくりから考えるという言葉です。今までは服にしか着目していませんでしたが、余った生地を利用して他のお店と連携し、新しい商品を生み出したり、車の断熱材に使用したりすることで地域全体のSDGSを進めることができ、第1産業が潤うということを知ることができました。今の時代はファストファッションが主流となってしまっていて、大量生産、大量廃棄が普通になっています。ですが、オーダー品や、環境に配慮した服を買うことでこの地球全体の利益になっていくのだと考えました。(2年井本)

・ジーンズが元々は作業着だったことがびっくりしました。ベティスミスで働いてる人の平均年齢がすごく若かったのもびっくりしました。建物もとてもオシャレでした!物だけを追いかけないで人が暮らしやすい物を選ぶ必要があるということが分かり、この話が心に残っています。安いからといって買わないで、長く使えるものを買うようにしたいと思いました。ストラップもボタンを選ぶ時にハートの形だったり星だったりたくさんの種類があって可愛かったです!ベティスミスがSDGsの4.8.11.12.13番のゴールを目指していることは分かっていましたが、売店に行ってみたら10番の人や国の不平等をなくそうというものにも取り組んでいるのが分かり、とてもすごいと思いました。障がいを持っている人がひとつひとつバッチに絵を描いていて、その商品の売上が自立支援と生活品質の向上に繋がるというのは凄くいいことだと思います。私も可愛いものが買えて良かったです!ものを買う時にこのような誰かのためになる商品があったらそっちを優先して買うようにしたいなと思いました!(2年早川)

・ベティスミスさんの工場に直接行って、初めての体験が多くとても楽しく学ぶことが出来ました。また、ダストが断熱材になって廃棄物を1個も出さないというのが今の世代でとても大切なことをしているなと思いました。人が暮らしていきやすいために、地域全体で、みんなが潤うまちづくりから考えている、このようなことを地域だけでなく、もっと広く実践出来たら、二酸化炭素の問題が減るのではないかと考えます。すごく充実した時間でした。もう一度行って、ベティスミスさんのことをもっと深く知りたいと思いました。(2年鈴木)